メーカー初のアドベンチャーツーリングモデル「パン・アメリカ1250スペシャル」 ハーレーオーナーが乗って感じた印象とは

ハーレー・ダビッドソン史上初となるアドベンチャーツーリングモデル「パン・アメリカ1250スペシャル」に、ハーレーオーナーが約1800kmのツーリングで感じた印象はどのようなものなのでしょうか。

機能満載、快適性抜群、既存イメージと違いながらも共通する部分が

 ハーレー・ダビッドソン史上初のアドベンチャーツーリングモデル「PAN AMERICA 1250 SPECIAL(パン・アメリカ1250スペシャル)」でツーリングに行ってきました。ハーレーは3台乗り継ぎ、現在もロードグライドを所有する筆者(増井貴光)ですが、好きで250ccのオフロードバイクも所有しています。しかし大排気量のアドベンチャーモデルは経験が浅く、「パン・アメリカ」には大いに興味がありました。そこで長距離ツーリングを通して、いろいろなシチュエーションを走ってきたので、その印象をご紹介します。

自身もハーレーオーナーである筆者(増井貴光)が、ハーレー・ダビッドソン史上初のアドベンチャーツーリングモデル「PAN AMERICA 1250 SPECIAL」(2021年型)に試乗

 まずは、一般道から高速道路に乗り150kmほど走ります。走り出してからの印象としては、期待通りの性能です。低速からトルクがあり、吹け上がりは少々乱暴ですが扱いやすいエンジンです。個人的には3000rpmくらいから高回転域にかけての吹け上がりにハーレーらしさを感じます。DOHCとOHVの違いはあるので、あくまで「らしさ」です。

 他メーカーの大排気量ツインのアドベンチャーモデルに試乗した印象と照らし合わせると、「パン・アメリカ」からはツインらしいパルスを感じます。それは前述の少々乱暴な吹け上がり方も同様です。

 高速道路では、6速に入れっぱなしでも追い越し加速に不満はありません。ハンドルのスイッチ類がかなり多いのですが、意外とすぐに慣れました。ライディングモードを切り替えて試してみると、基本のロードモードでは、エンジンのフィーリングにこれといった不満は無いものの、電子制御式サスペンションも調整され、柔らかくフワフワした乗り心地になります。これがあまり好みでは無いのでスポーツモードで走ります。

新設計の「Revolution Max1250」エンジンは排気量1252ccのVツインDOHC。最高出力150HP、最大トルク128Nmと高出力だが扱いやすい

 一般道に降りてワインディングに入ります。ロードとスポーツを切り替えてみますが、当然のことながら高速道路以上にスポーツモードが合います。トラクションコントロールやコーナーリングABS、それにエンジン特性も変わるので、のんびりクルージングしたい時はロード、メリハリをつけて小気味良く走りたい時はスポーツ、という区分けでしょうか。

 数日間のツーリングでは雨の日もあったので、レインモードも試しました。安心感はあるのですが、正直ロードモードでも不安なく走れます。またユーザーカスタムも設定可能なので、ロードモードでスポーツのサスペンション設定、なんてことも簡単にできてしまいます。自分の乗り方や好みのフィーリングに合わせ、出力設定やトラクションコントロール、サスペンションの設定まで手元で調整できるのは、とても面白く便利です。

フラットダートであれば荷物満載でもセミアクティブサスペンションや電子デバイスのお陰で何の不安感もなく走ることができる

 フラットダートに入ってみます。ライディングモードはオフロードを選択。するとサスペンションがソフトかつ良く動くようになりました。トラクションコントロールも効いているようで、リアホイールが空転しても怖さを感じません。もちろん普段乗っている250ccのオフロードバイクと比べたら2倍以上の車重があるので、同じように扱うことは出来ませんが、それでも想像以上にダートを楽しく走れました。

 このツーリングの最終目的地は、石川県の千里浜でした。やはりアドベンチャーには砂浜が似合います。イメージ的に「パン・アメリカ」の場合は、ダカールラリーではなく、バハ・カリフォルニアのビーチがお似合い、と言ったところでしょうか。

 フロントカウルに嘴のようなフェンダーが装着される一般的なアドベンチャーモデルのデザインと違い、「パン・アメリカ」は独特のデザインです。フロントカウルやヘッドライトまわりは、アメリカンメーカーのピックアップトラック風のイメージです。

 欧州や日本メーカーのアドベンチャーモデルがクロスオーバーSUVのイメージだとすると、「パン・アメリカ」はアメリカのフルサイズピックアップトラックやジープのような雰囲気を感じます。

今回のツーリングの目的地「千里浜なぎさドライブウェイ」(石川県)。「パン・アメリカ」はこういう風景が似合う。走行距離は1800kmほど。走れば走るほど楽しくなるバイクだった

 また、アドベンチャーとしては前後に長い燃料タンク(容量21.2リットル)にはコンソールもあり、明らかにハーレー的なデザインです。エンジンのフィーリングも含め他車とは一線を画す「パン・アメリカ」は、新たにアメリカン・アドベンチャーというジャンルを切り拓いていくのではないでしょうか。

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 ハーレー・ダビッドソン「パン・アメリカ1250スペシャル」(2021年型)の価格(消費税10%込み)は、268万700円からとなっています(カラーオプションによって異なる)。

【了】

【画像】ハーレー・ダビッドソン「パン・アメリカ1250スペシャル」を見る(15枚)

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