「ブリヂストン」の靴底や「ミシュラン」のソール 「タイヤ技術」を生かした革靴やライディングシューズはいかが?

バイクやクルマ用に限らず、アパレル市場にはタイヤの開発で培われた技術を採用したシューズが存在しています。ここでは「ブリヂストン」および「ミシュラン」の技術を採用した製品について解説します。

ブリヂストンの技術が生きる「走りたくなる革靴」

 いよいよ11月に入り、さらに寒さも増してきました。秋から冬へ完全に移行するこれからの季節は、道が霜や氷で滑りやすいなんて日も増えてきます。

 そんな時、大きな味方になってくれるのは、しっかり足元を支えてくれる靴ですが、バイク乗りならとことん“グリップ”にこだわりたいところ。そこで今回は日頃から“グリップ”を追求するタイヤメーカーの技術を生かしたシューズをいくつかご紹介しましょう。

『BRIDGESTONE sole Technology(ブリヂストン ソール テクノロジー)』シリーズの新商品。ソールにはブリヂストンのプレミアムSUV用タイヤのトレッドパターンを新たに採用。よく見ると靴底裏に“BRIDGESTONE”の文字が見えます

 まずはブリヂストンと「洋服の青山」の青山商事が共同企画したビジネスシューズ、『BRIDGESTONE sole Technology(ブリヂストン ソール テクノロジー)』シリーズです。

「走りたくなる革靴」としておなじみの同シリーズは、洗ってもシワにならない生地やストレッチ素材を使ったスーツが流行の兆しを見せていた2016年頃に開発をスタート。ブリヂストンのタイヤ技術を応用した“高いグリップ性”やマッケイ製法による“柔らかい履き心地”など、細部まで徹底的に突き詰めたビジネスシューズとして発売されました。

『BRIDGESTONE sole Technology(ブリヂストン ソール テクノロジー)』シリーズの新商品。デザインは外羽根のストレートチップ型

「歩きにくい」「疲れる」といった革靴のイメージを覆す機能性が、活動的なビジネスパーソンから革靴入門者まで幅広い層の人気を呼び、シリーズ累計での販売数は30万足を突破しています。

 すでに試してみた人も多いかもしれませんが、10月6日にリニューアル。ブリヂストンのプレミアムSUV用タイヤのトレッドパターンを新たに採用することで、これまで以上に“高いグリップ性”を発揮し、あらゆる路面状況に対応。表面には丈夫でしなやかな牛キップ革を、裏面にはソフトによくなじむ豚革を使用。インソールの低反発クッションが歩行時の足裏への衝撃を優しく吸収し、スニーカー感覚の履き心地を生み出します。

 また、「滑りにくさ」と「擦り減りにくさ」を両立。かかとの部分にブリヂストンのロゴマークがあしらわれているのもバイク乗り的には嬉しいポイントです。新商品ではありませんが、コインローファーやドレススニーカータイプもラインナップされているので、ビジネスカジュアルが許されている環境ならこちらを選んでみても良いかも。ウィークデイのオフィス街をブリヂストンの最新技術で駆け抜けてみてはいかがでしょうか。

ミシュラン製ソール採用のライディングシューズ

 週末のツーリング用には、グリップ性能、耐久性能に優れたミシュラン製の専用アウターソールを搭載した「IXON(イクソン)」のライディングシューズ、『Bull WP』シリーズがオススメです。

ミシュラン製の専用アウターソールを搭載した「IXON(イクソン)」のライディングシューズ、『Bull WP』シリーズ

 1996年に創業したフランスのメーカーIXONは、2021年に日本上陸。母国で一番人気の総合モーターサイクルアパレルブランドというだけではなく、世界70カ国で販売されていて、日本・アジアのブランドアンバサダーを務める中上貴晶(LCRホンダ・出光)をはじめ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、ブラッド・ビンダー、ミゲール・オリベイラ(両者ともレッドブル・KTM・ファクトリー・レーシング)らのトップライダーが同社のレーシングスーツを着用するなど、MotoGPのパドックでもすでに3番目の勢力を誇っています。

 フレンチブランドならではのスタイリッシュなデザインで、CE規格(EU加盟国へ輸出する際に安全基準条件を満たすことを証明するマーク)も取得している高機能なシューズは、アッパーにポリエステル、コットン、牛革、ポリウレタン、ポリ塩化ビニールを配合した複合素材を使用し、防水&透湿性能が抜群。水の侵入を防いで、こもった湿気を外に排出してくれます。つま先、かかと、シフトベダルが当たる部分には補強が施されるなど、プロテクション性能も高レベルで、ゲルを内蔵した高密度インナーソールは、フィット感と耐衝撃性能に貢献しています。ダイヤルで調整し、メタルケーブルで靴全体を締め付けるATOPクロージャーシステムを採用し、脱ぎ履きしやすく、実用的なのも魅力です。

“ビバンダム”の愛称で親しまれているミシュランマンが、タイヤのトレッドパターンをイメージさせるソールの裏側とサイド部分にいる点も気が利いています。

 皆さん、それぞれ好きなタイヤメーカーがあるかと思いますが、贔屓ブランドの技術を足の裏で感じてみる、そんな靴の選び方も時には面白いかも。バイク好きの誰かが、あなたのさりげないこだわりにきっと気付いてくれるに違いありません。

【了】

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Writer: 井出ナオト

ロードレース専門誌時代にMotoGP、鈴鹿8耐、全日本ロードレース選手権などを精力的に取材。エンターテインメント系フリーペーパーの編集等を経て、現在はフリーランスとして各種媒体に寄稿している。ハンドリングに感銘を受けたヤマハFZ750がバイクの評価基準で、現在はスズキGSX-R1000とベスパLX150を所有する。
Twitter:@naoto_ide

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