YOKOHAMAホットロッドカスタムショー2年ぶりに開催決定! 今回の目玉のひとつ“BMW Motorrad×MOONEYES”のコラボマシン「R18クラシック」の全貌に迫る【Part 1】

日本最大級のカスタムの祭典YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)が2年ぶりに開催されます。今年のイベントでは主催者のムーンアイズとショー・スポンサーであるBMW Motorradのコラボ・カスタムがお披露目されます。

待望の復活! ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー開催

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2020年は中止を余儀なくされたYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー※以下HCS)ですが、いよいよ2021年は12月5日(日)神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催が決定(2021年11月16日現在)。年末恒例にして日本最大の『アメリカン・カスタムカルチャーの祭典』を待ち望んでいた方もきっと多いのではないでしょうか。

2年ぶりの開催となるアメリカン・カスタムカルチャーの祭典「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW」

 ちなみにHCSといえば1992年の第1回から数えて今年が30周年のアニバーサリーイヤー。まさに節目の年となるのですが、未だ「新型コロナウイルス」の完全な収束が見えない状況ゆえ、海外からのゲスト招聘が中止となった今年はあくまでも「プレ30周年」という形で開催されるとのこと。

 主催のムーンアイズによると2019年以前のショーのように海外からのゲストビルダーや観客が「コロナ前」と変わらぬ状況でパシフィコ横浜に来場した際に改めて「30周年」として開催する予定とのことですが、兎にも角にも年末恒例のHCSが開催されるニュースは喜ばしい限りです。

2021年、市販されたBMW最新モデルである“R18クラシック”をベースにスペシャル・ペイントを施した“BMW×ムーンアイズ”の完成予想図。イラストは1989年からムーンアイズに籍を置く日本のピンストライパーのパイオニア、“WILDMAN(ワイルドマン)”石井氏によるものです

 そのHCSといえば冠にあるとおり、そもそもは『ホットロッド』や『アメリカン・マッスルカー』などを中心とした『カスタムカー・ショー』としてスタートしたのですが、『モーターサイクル』のエントリーが始まった2002年以降、『カスタムバイクショー』としても世界から注目を集める規模になったことはマニアの間では周知のとおり。

 ちなみに2019年は来場1万9000人を数え、そのうち海外からの観客が3000人。またモーターサイクルの出展エントリーも650台を数え、海外からもゲストの多くが占めるアメリカの他、一般エントリーとしてロシアやオーストラリア、ノルウェーにインドネシア、そして中国、韓国の人々が参加し、まさにワールドワイドなショーへと発展を遂げています。

2020年に発売された1801ccのビッグボクサーエンジンを搭載する“R18”のフロント19インチホイールを16インチ化した上でウインドシールドやサドルバッグを備える“R18クラシック”は、いわばメーカー発信のカスタム・バージョンといえる存在。最大トルク158Nmを発揮する乗り味も“アメリカン”なテイストを強調します

 主催のムーンアイズにしても2009年より同ショーの中で特定の車種やテーマに焦点を当てた『スポットライト』という催しを開催しており、これまでオフィシャルとして数多のカスタム・バイクを製作してきたのですが、今年はショー・スポンサーであるBMW Motorradとのコラボが決定。YOKOHAMA HCS 2021にてBMW Motorradの「R18クラシック」にスペシャル・ペイントを施したマシンが発表される運びとなっています。

2018年にBMW Motorradからプロトタイプのビッグボクサーエンジンのみが供給され、カスタムワークスゾンによって製作された『DEPARTED R18』は同年のHCSチャンピオンマシン。今回の“BMW×ムーンアイズ”のコラボ企画は、ある意味、“R18”が生誕の地に帰還するものといえるのかもしれません

 ちなみに2020年に市販された「R18」といえばHCS2018にて滋賀のカスタムワークス・ゾンがベスト・オブ・ショー・モーターサイクルを獲得したマシン、『DEPARTED R18』によって1801ccの“ビッグボクサー”エンジンが世界に先駆けて発表されたことも記憶に新しいのですが、いわば今回の“BMW Motorrad×ムーンアイズ”のコラボ・プロジェクトは“R18”というモデルが生誕の地であるYOKOHAMA HCSへ帰還を果たす意味を持つのかもしれません。

“WILDMAN(ワイルドマン)”石井 1964年生まれ。ムーンアイズが横浜・元町でオープンした1986年から顧客として出入りし、1989年にムーンアイズが主催するイベント、“ストリートカー・ナショナルズ”の会場に来日したアメリカン・カスタム・カルチャーの第一人者、エド“ビッグダディ”ロスのライブ・ピンストライピングに感銘を受け、同年よりピンストライパーとしてムーンアイズに所属。以来、筆一本のフリーハンドでレタリングや幾何学的な模様を描くアメリカのペイント・カルチャー、“ピンストライプ”を日本に広めたパイオニアにして第一人者となる。ちなみに“ワイルドマン”というニックネームは1990年に初めて渡米した際、LA.からエド・ロスの家があるユタ州までロング・ドライブした時に名付けられたとのこと。現在はクルマやバイクへのピンストライピングだけではなく、ウエアや雑貨のデザインなどムーンアイズ商品を数多く手掛ける人物です

 そのデザインの草案は1989年からムーンアイズに所属する日本のピンストライパーの第一人者であり、パイオニアといえる存在の“WILDMAN(ワイルドマン)”石井氏によるものなのですが、カラーリングはムーンアイズの象徴的パーツといえる“ムーンディスク”や“バレル型タンク”を彷彿とさせるシルバーのヘアライン仕上げとなる予定。ムーンアイズといえばカンパニーロゴの“アイボール”からイエロー×ブラックのカラーリングがお馴染みなのですが、このシックなイメージも“R18クラシック”にマッチしそうです。

 次回から当サイト(バイクのニュース)では、この“BMW Motorrad×ムーンアイズ”のコラボR18クラシックの製作過程を追って取材していく予定ですが、その全貌が明かされるのは2021年12月5日にパシフィコ横浜にて開催されるYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW当日とのこと。ムーンアイズとBMWの歴史的なコラボ・マシンの発表を是非、お待ちください。

【了】

【画像】ムーンアイズの製品やHCS2019のチャンピオンマシンを画像で見る(15枚)

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Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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