美味しいアジフライを求めて走る旅 マグロが水揚げされる三崎漁港で『魚市場食堂』の朝メニューを堪能
アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえるお店を紹介します。神奈川県三浦市の三崎『魚市場食堂』を訪れました。
マグロの町でいただくアジフライ、次回はマグロを……
最近、やたら早起きになったのは歳を取ったせいか? そんなことをつらつら考えながら、せっかく早起きしたのだから美味い朝飯(=アジフライ)でも食べに行こうと、ホンダ「CT110」で走り出した筆者(増井貴光)です。

12月初旬の三浦半島は、まだ“寒い!”というほどでもなく、バイクで気持ち良く走ることができます。向かったのは三浦半島の南端、マグロの町と称される三崎です。マグロが水揚げされる「みさき魚市場」の建物内に、三崎「魚市場食堂」はあります。
この食堂は、市場で働く人に向けて平日は朝6時から営業しています。筆者が到着したのは8時を過ぎていたので競りも終わっていたらしく、市場に賑わいはありませんでした。
市場の建物を2階に上がって食堂に向かいます。看板が無ければこんなところに食堂があるのかなぁと思うような雰囲気です。お店に入って、まずはレジで食券を購入します。朝の時間帯はメニュー写真が無く、品書きだけなので浮気(?)することも無く「あじフライ定食」をお願いしました。

朝メニューの「あじフライ定食」は970円ですが、昼のメニューになると、お刺身が付いて「あじフライと市場の刺身定食」(1650円)になります。朝は市場で働く人向けの料金設定になっているようです。
お店のスタッフに訊くと、「まぐろ丼」と「海老フライ定食」も「あじフライ定食」と同じく970円なので、お得感があってオススメとのことでした。やはり三崎に来たらマグロだよなぁと気持ちは揺れますが、すでにオーダー済みなので浮気することはありませんでした。
窓に面したカウンター席に座って出来上がりを待ちます。窓の外では魚市場と「超低温卸売市場」の間の通路を、フォークリフトで冷凍されたマグロを何尾も運んでいます。リフトにはフォークではなくバケットのようなものが取り付けられていますが、マグロ専用でしょうか? ナンバーの付いたフォークリフトは、そのまま近所の食堂や魚屋へ行くようです。

そんな光景を眺めていると食券の番号が呼ばれ、カウンターへ取りに行きます。出てきた「あじフライ定食」には小さめのアジフライが4尾に付け合わせのキャベツとミニトマト、それにご飯とあさりのみそ汁というシンプルな構成です。朝飯なのでちょうど良い量ではないでしょうか。
まずはアジフライをいただきます。小さめで厚みも普通ですが、4尾もあるので量的には充分です。衣はよく揚がっていてサクサク、身は柔らかいです。サクッと噛んだ後にアジらしい味が口の中に広がります。4尾のアジフライとご飯をバランス良く口へ運び、みそ汁でご馳走様。寒い時期は、温かいみそ汁がとくに美味しく感じます。
「みさき魚市場」を後にして周囲を散策します。市場のすぐ横にも港がありますが、小さい漁船が何艘か停泊しています。そういえば三崎でマグロの水揚げをしている光景は見たことがないなぁと思いつつ、街の東側まで走ってみます。

大きな船が何隻か入っている港をぐるっと回り、剣崎方面に左折しないでそのまままっすぐ進み、1kmもいかないところで道が海に突き当たります。曇り空のせいもあって海も暗く、まるで最果てに来たようです。感傷に浸りたいところですが、天気が悪くなってきたので帰路に着きます。おっと、食べ損ねたマグロを夕飯用に買っていかねば、と「うらりマルシェ」(産直センター)に向かう筆者でした。
■三崎「魚市場食堂」
営業時間:6時から10時(日曜は5時から)、11時から16時(水曜定休)
※営業時間、休日は変更となる場合があります
所在地:神奈川県三浦市岬5-245-7
【了】
Writer: 増井貴光
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110