遂に開幕した全日本ロードレース選手権は悪天候に大苦戦!? レーシングライダー石塚健のレースレポート
レーシングライダー石塚健選手の、全日本ロードレース選手権の開幕戦レポートです。
開幕戦の舞台はモビリティリゾートもてぎ
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
今回は、いよいよ始まった全日本ロードレース選手権2022年シーズン開幕戦を、レポートさせていただきます。

今シーズン、メインで参戦するカテゴリは、全日本ロードレース選手権のST1000クラス。TONE RT SYNCEDGE 4413 BMWからの参戦です。
事前テストで半年振りに1000ccのマシンに乗りましたが、久しぶりということもあり、とても速く感じました。
冬の間しっかりとトレーニングを積んできたとはいえ、やはりバイクに乗らないと使わない部分の筋肉などもあるため、身体的にもタフなテストでしたが、様々な確認とリッターバイクへの理解を深める作業に務め、レースウィークに向けて有意義なテストとなりました。

レースウィークに入ってからは、エンジンブレーキやトラクションコントロールのセッティング、ポジションなど、自分にあったバイクに仕上げ、走行毎にターゲットタイムをクリアしていくことに成功。
ここまで順調といえる流れを保ちつつ、迎えた土曜日の予選では、フロントロー獲得を目標とし、クリアラップを狙って遅れてコースイン。計測1周目で自己ベストの1分51秒8をマークし、このウィークで初となる51秒台に入れることができました。
この時点では3番手。さらなる上位を目指すべく次のアタックラップに入りましたが、他車の転倒があり赤旗中断。

再開後も自己ベストを更に更新し、1分51秒632をマークしましたが、惜しくも全体の8番手に沈む結果となりました。
ST1000クラスは、33台ものエントリーがあるため、なかなかクリアラップ取ることができません。そのため予選では位置取りがかなり重要ということを、改めて思い知らされることになりました。
天候に翻弄された決勝レース
決勝日の、朝のウォームアップ走行は晴れ。
サスペンションのセッティングと細かなポジションを変更し、コースイン。感触は良く、2周目のタイムは3番手をマークすることができました。しかし、レースに向けてペースアップをしようとした矢先に、センサー系のトラブルが発生してしまい急遽ピットインを余儀なくされます。
それにより、早々にウォームアップ走行を終える事になり、タイムは6番手となりました。
しかし、レースで大切なアベレージタイムはしっかり刻めており、コースイン直後のペースではここまでアドバンテージを持っていた為、自信を持ってレースに挑みます。

そして迎えた決勝。
レース前に降り出した雨がコース上に残る、微妙な状況のなかでスタート進行がおこなわれました。
路面上はウェットですが、ラインは乾きかけていて、タイヤ選択が重要となる微妙なコンディション。僕は、グリット上で路面に合わせて選んだ柔らかめのコンパウンドのスリックタイヤとセッティングに変更し、スタートすることに決めました。

しかし、スタート直後の1コーナーでは、他車との接触を避けるためにアウト側にはらんでしまったことでラインから外れたため、路面はかなりのウェット状態。
レース中は雨が降らないと予想してスリックタイヤを履いて出たため、アクセルを開けられず順位を下げてしまいます。さらにレース序盤は、変更したセッティングも思ったように上手く機能せず、ペースを上げることも出来ないという苦しい状況。
なんとか乗り方等を工夫しながら周回ごとに追い上げていきましたが、前方のグループとは大きなギャップができてしまい、7位でチェッカーを受ける結果となりました。

テストからの流れは順調で、レースに自信を持っていただけにとても悔しく、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。
期待していた結果には届かず、悔しい気持ちがとても強いですが、反省点や今後の課題が明確になり、経験値を上げられたのではないかと思います。
Writer: 石塚健
(レーシングライダー)埼玉県出身の26歳。3歳からポケットバイクに乗り始め、ロードレースというオートバイ競技に参戦。現在はその世界選手権である「MotoGP」を目指して日々、活動中。
2019年から、ヨーロッパでおこなわれる「FIM CEV REPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」への挑戦を開始。2022年は、「全日本ロードレース選手権」のST1000クラスをメインに、「世界耐久選手権」、「FIM CEVREPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」にも参戦します。スポンサー募集中!応援よろしくお願いします。