狙うは世界の頂点! コルナゴが最新鋭のタイムトライアルバイク「TT1」発表

世界のロードレースシーンに欠かすことができないイタリアのレーシングブランド「COLNAGO(コルナゴ)」は、新型のタイムトライアルバイク「TT1」を発表しました。

高速域で最高のパフォーマンスを発揮するために

 世界のロードレースシーンに欠かすことができないイタリアのレーシングブランド「COLNAGO(コルナゴ)」は、新型のタイムトライアルバイク「TT1」を発表しました。2021年のツール・ド・フランス覇者、タディ・ポガチャルを擁するワールドツアーチームのUAEチーム・エミレーツとの共同開発により、勝利に向けて盤石の体制を築くべく、マシンの強化にも余念がありません。

COLNAGO「TT1」
COLNAGO「TT1」

 新しいタイムトライアルバイク「TT1」は、先日(2022年4月)発表となったコルナゴを象徴する新型「C68」に次ぐ、話題のモデルと言えそうです。

 タイムトライアルバイクとは、個人またはチーム団体戦によるタイムトライアル競技用、またはトライアスロン向けの自転車で、通常のロードバイクとは種目が異なります。特徴は空気抵抗が少ないフォルムとライダーの乗車姿勢にあります。

「TT1」は空力特性を最大限に高め、高速域で優れたパフォーマンスを発揮するよう開発されました。その性能は、ミラノ工科大学で行われたCFD(数値流体力学)を用いた検証でも実証されています。

空力特性の最適化と追求

 コルナゴのTTバイクとしては初めて油圧式ディスクブレーキが搭載され、それによりブレーキ性能が向上し、剛性と安定性が向上しました。また独特のフォーク形状は優れたねじれ剛性を維持しながら、正面からの空気抵抗を大幅に低減するエアロデザインとなっています。

 カーボンモノコックフレームにより先代「K.One」からの軽量化も実現しています。フレームと一体化したボトルホルダーは、C68リミテッドエディションでも採用されている3Dプリント技術により、空力特性が最適化されています。

新しいジオメトリー

 また、ライディングポジションの最適化を図るため、最新の生体力学による技術も取り入れました。ヘッドチューブの長さを大幅に短縮、肘掛けの下にスペーサーを入れることで微調整も可能となっています。ボリューム感のあるフレームですが、中空状のチューブは軽量かつ空力特性に優れています。

風洞実験施設で空気抵抗が少ない形状となるよう開発
風洞実験施設で空気抵抗が少ない形状となるよう開発

 さらに、先代「K.One」との違いとして、トップチューブが水平のホリゾンタルフレームとなり、イタリアのコンポーネントメーカー、カンパニョーロ製の新型Super Record EPSを採用しています。

 新型「TT1」について、コルナゴのCEO二コラ・ロジン氏は次のように述べています。

「選手のパフォーマンスに貢献するために最善を尽くしました。TT1は最新の技術を取り入れた優れた性能を持ちながらも、フォルムもコルナゴらしい美しいバイクに仕上がりました」

今回のプロジェクトには、UCI U23ITT世界チャンピオンを3度獲得するなど、TTで優れた成績を残すミッケル・ビョーグ選手(UAEチーム・エミレーツ)も関わっており、「TT1」に大きな期待を寄せています。

 このニューバイクは、現在開催中のジロ・デ・イタリア2022 第2ステージの個人TTを皮切りに、チームのTTバイクとして投入されています。今回の仕様はUAEチーム・エミレーツへ支給されるプロトタイプとして、UCI(国際自転車競技連合)の承認を得ています。

 一般販売は、さらなる改良が施され2023年1月以降の予定です。

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Writer: 山本健一

サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。

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