どうして両方入った方がいい? 自賠責と任意保険の違いは
自賠責保険と任意保険は、どちらもバイクやクルマなどを所有する際に必要な保険ですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。また、なぜ両方入ったほうが良いのでしょうか。
バイク保険は自賠責と任意保険の両方入るべき?
バイクを所有する際に入る保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。自賠責保険は、すべてのクルマやバイクで加入するよう法律で義務化されていますが、任意保険への加入は義務ではありません。
しかし、十分な補償を受けるためには自賠責と任意保険、両方への加入が必要です。それぞれの保険には、どのような違いや特徴があるのでしょうか。

まず、自賠責保険は自動車損害賠償保障法で規定される自動車及びバイク向けの保険で、同法第五条により加入が義務化されています。
エンジンの排気量によっては車検制度が適応されますが、自賠責保険に加入していないと車検が受けられず、公道を走ることはできません。また、自賠責の保険料はエンジンの排気量や加入期間で決められています。
例えば、12か月加入する場合は125cc以下が7070円、125cc超から250cc以下が7540円、250ccを超えると7270円。250ccまでの排気量では最長60か月、250cc超で最長37か月の加入ができ、加入期間が長いほど保険料が割安になります。
なお、離島で自賠責保険に加入する場合に保険料は、この例によりません。
任意保険はどんな保険?
任意保険は加入が法律で義務化されておらず、契約により補償範囲や保険料が違うという特徴があります。自賠責だけでは補償しきれない部分をカバーするというのが、任意保険最大の目的です。

契約内容は自分でもカスタマイズできますが、従来の代理店型商品ではプロが最適なプランを提案してくれます。その一方で、全体的に保険料は高い傾向にあり、内容が充実するほど保険料が上がります。
オンライン型の任意保険は保険料の安さがメリットですが、基本的に契約の内容は自分で組み合わせることになるため、ある程度保険に詳しい人におすすめの保険といえるかもしれません。また、どちらの場合も特定の人しか運転しないなら、年齢条件を加えることで、保険料を節約することが可能。原付か自動二輪かで区分は異なるものの、一定の年齢以下の人が事故を起こしても補償が受けられない代わりに、保険料が安くなる設定も用意されています。
さらに任意保険の場合、事故発生時の補償だけでなく、示談交渉やロードサービスなど、プラスアルファのサービスが受けられる場合も。万が一に備え、どのサービスを利用できるのか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
このように、自賠責保険と任意保険の最大の違いは、加入義務の有無や補償額、その範囲にあります。
自賠責保険は事故の相手方に対する人身補償のみで、対物補償や自分に対する補償は含まれていません。加えて、補償額にも上限があり、死亡事故で3000万円、傷害では120万円、後遺障害は3000万円もしくは4000万円までしか補償されません。
一方で、交通事故の慰謝料などは増額傾向にあり、死亡事故になると億単位の賠償金を支払わなければならない事例も発生しています。数千万円しか補償されない自賠責保険だけではカバーしきれないため、そこを埋めるためにも任意保険への加入は必須です。また、任意保険は補償額だけでなく、補償内容も自賠責保険とは異なります。契約内容にもよりますが、自賠責保険では対応できない対物補償や自分への補償なども組み合わせられるため、加入すればより万全な補償を受けることができます。