極太タイヤがカッコいい! ファットボーイ114は背伸びすることなくハーレーを体感できる1台
1990年に誕生した「FLSTF ファットボーイ」から続く、ハーレーダビッドソンの王道ソフテイルモデル「ファットボーイ114」に試乗しました。
サスペンションのソフトな乗り心地でハーレーファンを拡大
ハーレーといえば、ヤッコカウルに一見トライクのような大型のクルーザーを融合させ、アメリカの広大な大地を走るワイルドなビックバイクを想像する人が多いと思いますが、今回試乗させて頂いたのは、ハーレーがソフテイルファミリーに分類する「ファットボーイ114」。ハーレーのラインナップでは、少しコンパクトで扱いやすい1台です。

ちなみに、ソフテイルファミリーというのはハーレー独自のカテゴリで、1984年に誕生。設立当初はサスペンションが搭載されていなかったハーレーのラインナップにサスペンションが実装され、ソフトで柔軟な動きが可能となったことで、ソフトなテイル=ソフテイルと呼ばれるようになったカテゴリです。
そんなソフテイルファミリーのなかでも、ハーレーの王道スタイルを貫くのがファットボーイ114。1991年に公開された映画、「ターミネーター2」で、主人公が乗ったバイクの最新モデルといえば、イメージが湧きやすいかもしれません。

まずは足つき。車体は大きくて重いけど足つきがいいというのがハーレーラインナップの特徴で、ファットボーイ114も身長165㎝の私(先川知香)で、両足の裏がしっかりと地面に付く安定感。
ライダーのお尻を包み込んでくれるような分厚いシートのホールド力と相まって、座り心地は快適です。
そんなファットボーイ114で1番印象的なポイントは、ファットボーイの名前を象徴するような極太タイヤと純正装着とは思えない凝ったデザインが個性的なホイールの組み合わせ。
インパクト抜群のビジュアルは、そこにあるだけでワクワク感を感じさせてくれました。

1868ccという大排気量エンジンを始動すると、期待したとおりの迫力ある重低音が響いて、さらにワクワク。一方で、ハーレー特有の剥きだし感ある武骨で荒々しいエンジンの振動は抑えられていて、想像していたよりも大人しい印象です。
ライダーが自身のスキルや筋力などによって抑えつけながら操るというような、ハーレーの持つじゃじゃ馬的魅力を期待している人には少し物足りないかもしれませんが、初心者が入門モデルとして選択しても、無理をすることなくハーレーの世界観を楽しめる1台となっています。

私はこれまでクルーザータイプのバイクに乗る機会があまりなかったため、シートにドカッと腰を掛けて、足を前に投げ出すようなライディングポジションに少し苦手意識があったのですが、荷重移動で違和感なく思い通りのラインをトレースしてくれる操作性の良さにビックリ。
無理なく乗れるナチュラルな乗り味と、THEハーレーともいえる王道スタイルが、最高のバランスで両立されているといっても過言ではありません。
ノーマルでも十分個性的でありながらカスタムベースとしても最適、気軽にハーレーを感じられるファットボーイ114の価格(消費税込)は、308万8800円です。