the「燃費」快適ツアラーの実力は? ホンダ新型「NT1100」でガッツリ走ってみた!

排気量1082ccの水冷直列2気筒DCTエンジンを搭載したホンダの新型スポーツツアラー「NT1100」は、ツーリングを想定したルートで燃費はどのような結果を出すのでしょうか。

ホンダご自慢の直列2気筒とDCTの組み合わせ、燃費性能は?

 2022年に新登場したホンダ「NT1100」は、「CRF1100Lアフリカツイン」で定評のある直列2気筒エンジンとDCTを組み合わせ、快適性を高めるカウルなど充実の装備で、見た目もどこかプレミアム。それでいて「Gold Wing(ゴールドウイング)」のような大陸的威風堂々感とも違ったスポーティさも兼ね備えています。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ新型「NT1100」を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? ホンダ新型「NT1100」を走らせる筆者(松井勉)

 走りが良いのはすでに確認済み。でも、ガソリン価格が一時よりは下がったとはいえ、高止まりした感は否めません。輸入モデル並の存在感を持つ「NT1100」ですが、指定ガソリンはハイオクではなくレギュラーガソリンでOK! 満タン(燃料タンクは20リットルと大容量)にするたびに輸入車に乗るライダーよりもリッターあたり10円ほどオトク、とニンマリできるのも、いまや性能かもしれません。

 そんなホンダ「NT1100」の燃費スペックは次のとおり。

・60km/h定地燃費値(2名乗車時)=30.5km/l
・WMTCモード値(1名乗車時)=19.3km/l(クラス3-2)

 車重248kgというバイクであることもさることながら、WMTCモード値にあるテストサイクルが日本のツーリングシーンよりは高速領域を多用することからも、定地燃費値との差となって出ています。エンジンを回すとクッキリと燃費は低下するキャラであるのは間違いなさそうです。

燃費計測は車載のトリップメーターと平均燃費計を利用
燃費計測は車載のトリップメーターと平均燃費計を利用

 the「燃費」では、記録を比較しやすいよう毎回同じルートを使い、市街地、高速道路、快走路(一般道ツーリング路)にて燃費データを収集しています。記事中の走行距離はテスト車のトリップメーターの数値、燃費値は車載された平均燃費計の数値を表記しています。

 乗り方でも大きな差が出る燃費。いつものルートを交通の流れに合わせ、いわゆる燃費記録を狙うようなエコランはしていません。今回は「NT1100」が備えるライディングモードから、ツーリング向けとされる「TOUR」を選択し、走行しています。

信号待ちが燃費に影響、市街地ストップ&ゴーもDCTならイージー

 the「燃費」の市街地計測ルートは、都内外苑周辺をスタート。青山一丁目交差点から国道246号で赤坂、皇居前と進み、丸の内オフィス街を走り、銀座、築地、豊洲を進み首都高湾岸線沿いを走る国道357号、東雲付近まで。

満タンで20リットルと大容量の燃料タンク。レギュラー指定が嬉しいところ
満タンで20リットルと大容量の燃料タンク。レギュラー指定が嬉しいところ

 道路は片側3車線程度の広い道が多く、流れに乗ると快調ですが、赤信号で停止すると右折信号を含む歩行者用信号も、道幅が広いだけにアイドリング時間が長く燃費に響く傾向があります。この日、前半は快調に進めたものの、後半は信号での停止が多くありました。

「NT1100」はDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)なのでクラッチ操作が不要です。渋滞路もイージーに走れますが、アイドリング時間が長い分、燃費は伸びませんでした。12.3kmの市街地走行で16.3km/lという結果でした。

 とはいえ、以前テストをした「アフリカツイン・アドベンチャースポーツES」のDCTモデル(NT1100と車重はほぼ同じ)が同じルートで15.3km/lだったことを思えば、信号待ちの回数の違いなどで意外と差が出るようです。

クルーズコントロールで快適移動、ツアラーはこうでないと!

 高速道路での燃費計測は、千葉県房総半島のアクアライン連絡道と館山道を、南下と北上という往復2パターンの区間で計測しています。

東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう

 54.7km走行となる南下ルートは、アクアライン連絡道「木更津金田IC」から館山道を経由して「富浦IC」まで。この区間の制限速度は、アクアライン連絡道が80km/h、館山道が100km/hから80km/h、そして70km/hと、2車線から1車線になる区間で段階的に制限速度が下がります。

 25.4km走行となる北上ルートは、館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」まで。館山道は片側2車線の100km/h制限区間、アクアライン連絡道は80km/h制限区間を走行します。

 距離や制限速度が変化しますが、両区間とも館山道はアップダウンが連続。平坦路が少なく海に近い場所では風が吹くことが多く、燃費に影響する場合もあります。

手動で高さ調整可能な大型ウインドスクリーンが最も低い位置で身長183cmの筆者(松井勉)がまたがった状態。大柄なフロントカウル、足元のディフレクターなどにより、高速道路走行時の風圧からライダーの身体を護り、疲労を軽減してくれる
手動で高さ調整可能な大型ウインドスクリーンが最も低い位置で身長183cmの筆者(松井勉)がまたがった状態。大柄なフロントカウル、足元のディフレクターなどにより、高速道路走行時の風圧からライダーの身体を護り、疲労を軽減してくれる

 こうした高速道路で「NT1100」のホスピタリティはバッチリ。まずウインドプロテクションが快適、ピシっと走行風圧からライダーを護ってくれます。また、クルーズコントロールを使えば速度調整に神経を使わずとも、スイッチぽんであとはお任せ。変化する周囲の景色を眺めながら、疲れずに目的地まで移動を楽しめました。ツアラーはこうでないと!

 高速道路の燃費結果は、アップダウンがより長く続く南下ルートで26.1km/l、北上ルートでは25.6km/lでした。合計80.1kmを走行した高速道路燃費の平均は25.8km/lとなりました。

 ちなみに「アフリカツイン・アドベンチャースポーツES<DCT>」では、南下ルートが26.7km/l、北上ルートが25.9km/l、平均は26.3km/lでした。

大きく見えて意のままに走れる、楽しい快走路燃費は悪くない

 the「燃費」の快走路(ツーリング路)燃費は、房総半島の変化に富む3区間で計測しています。

the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて
the「燃費」の計測ルート。房総半島最南端エリアにて

 区間1(22km)は、館山道「富浦IC」出口近くにあるコンビニをスタートして国道127号を南下。程なく房総半島内陸を通る「安房グリーンライン」に向け東に曲がり、半島の南端エリア海岸線まで移動します。

 区間2(39km)は、南端エリアから海岸線沿いを鴨川方向に走り、国道410号にアクセス。そのまま北上し、県道34号との交差点を西に向かい「大山千枚田」まで。

 区間3(26.2km)は、「大山千枚田」から県道34号、県道182号「もみじロード」などを走り、館山道「富津中央IC」までです。

 それぞれおよそ半分はアップダウンとワインディングがあり、ツーリング路としても楽しめます。「NT1100」は見た目が大柄ですが、こうしたルートをスイスイと走るハンドリングを持っています。

the「燃費」の計測ルートで立ち寄る千葉県の「大山千枚田」にて
the「燃費」の計測ルートで立ち寄る千葉県の「大山千枚田」にて

 DCTの走行モードはお任せの「Dモード」でも、基本、道路のアップダウンに合わせたシフトプログラムを持っています。ライダーの意図を優先したい場合、左手のスイッチボックスにあるシフトパドル「+」と「-」を使ってマニュアルシフトも可能。正直、その走りを楽しんじゃいました。

 さて、快走路での「NT1100」の燃費ですが、車重248kgの車体、大柄に見えるスタイルながら、区間1で27.5km/l、区間2で26.7km/l、区間3で26.9km/lという結果でした。3区間合計87.3kmを走って平均27.0km/lと、悪くありません。

 比較の参考として「アフリカツイン・アドベンチャースポーツES<DCT>」の快走路燃費平均は24.1km/lでした。

大型スポーツツアラーとして楽しく、燃費の良さも性能のひとつに

 今回、ホンダ「NT1100」でthe「燃費」の計測ルート179.6kmを走った結果、燃費の総平均は23.0km/lでした。走りを楽しめて高速道路ではラクチン、そしてこの結果、市街地区間を除けば26.4km/lまで伸びる計算で印象も変わります。アクセルの開け方、乗り方で簡単に変化するのが燃費です。一般的なツーリングを想定したthe「燃費」ルートを走行した一例としてご理解下さい。

ホンダ「NT1100」は高速道路の通行に便利なETC2.0車載器を標準装備する(リアシート下)
ホンダ「NT1100」は高速道路の通行に便利なETC2.0車載器を標準装備する(リアシート下)

■ホンダ「NT1100」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:179.6km
市街地:16.3km/l
高速道路平均:25.8km/l
快走路平均:24.1km/l
総平均燃費:23.0km/l

【画像】ホンダ新型「NT1100」の燃費性能は? 実際に走って調査!(16枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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