これって違反? 原付バイクを歩道に駐輪する行為

道路脇や歩道などに、スクーターなどの原付バイクが停められている光景を、たびたび目にすることがあると思いますが、この行為は違反にあたるのでしょうか。

原付バイクは歩道に駐輪してもOK?

 街中でスクーターなどの原付バイクが、道路脇や歩道などに停められている光景を見かけたことがある人は多いと思います。この行為は、違反ではないのでしょうか。

 結論からいうと、原付バイクを歩道に駐車してはいけません。

 歩道は、道路交通法第2条第1項第2号により「歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によって区画された道路の部分」とされており、道路交通法第47条第2項において「車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」と定められています。

 この「車両」には、クルマやバイクだけでなく、軽車両である自転車も含まれるため、歩道に車両を駐車することは、歩行者の通行の妨げに該当するため、違反になるというわけです。また、歩道の他にも、道路交通法第44条及び第45条には、交差点及び道路の曲がり角や、横断歩道から5m以内の駐停車禁、駐車場や車庫の出入口から3m以内の駐車禁止など、駐車(駐停車)が禁止となる場所が、細かく定められています。

歩道へのバイクの路駐は駐車違反
歩道へのバイクの路駐は駐車違反

 では、原付バイクはどこに駐車すればいいかというと、バイクは道路交通法における排気量の違いによって、駐車できる場所が区別されています。

 排気量が50cc以下の原付バイクは「原動機付自転車」、排気量が50cc以上のバイクは普通自動二輪、大型自動二輪という区分に分けられており、50cc以下である原付バイクは「駐輪場」に駐車しなければなりません。平たくいえば、道路交通法において原付バイクは自転車に区分されるので、自転車置き場に駐輪するのが正解ということです。

 逆にいうと、原付バイクを駐車場、つまりクルマ用の駐車スペースに駐車することは、違反行為に該当します。逆に、50cc以上のバイクは道路交通法において自動車に区分されるので、駐輪場ではなく「駐車場」に駐車しなければなりません。

 なお、自治体の条例改正によって認められている場合や、駐輪・駐車スペースの管理者の指示がある場合は、それに従って問題ありません。

私有地での駐車は所有者に確認が必要なので要注意
私有地での駐車は所有者に確認が必要なので要注意

 ちなみに、歩道に面した私有地であれば、バイクやクルマを駐車しても問題ありません。例えば、自宅の私有地部分や店舗の私有地部分です。しかし、他人の私有地に無許可で駐車することは民法に抵触する場合があり、その土地の所有者に通報された場合は警察が介入することになるため、私有地だからといって安易に駐車をしてはいけません。

 その他にも、原付バイクは歩道にある有料及び無料の自転車専用駐輪場に駐車することが可能です。なお、125cc以下のバイク需要が高まっていることから、近年では125cc以下のバイクが駐車できるように整備された駐輪場も増えてきています。

 また、2022年3月24日に警察庁から「地域の実情に応じた自動二輪車等に係る駐車環境の整備に向けた継続的な取組の推進について」という通達が出され、バイク向けに駐輪場、駐車場を整備していこう、という方針が全国的に取られています。

改めて知っておきたい!バイクの駐車に関する違反について

 駐車違反は、「駐停車違反」と「放置駐車違反」のふたつに分類されます。

 前提として、駐車は継続的に車両が停止し、なおかつ運転手がその車両から離れていてすぐに運転することができない状態。そして停車は、車両が停止状態で、なおかつ駐車以外の状態のことを意味します。そして駐停車違反は、運転手が車両のそばにいて、警察等にその車両を移動するように命じられた際に、すぐに移動できる状態で駐車違反した場合のこと。

 また、駐停車違反のなかでも、停車している場所によって違反点数が変わります。例えば、駐車禁止場所に駐停車違反してしまった場合の違反点数1点、反則金は6000円。駐停車禁止場所で駐停車違反をしてしまった場合の違反点数は2点に加え、7000円の反則金を支払わなければなりません。

駐車禁止(下)と駐停車禁止(上)の標識
駐車禁止(下)と駐停車禁止(上)の標識

 一方の放置駐車違反は、運転手が車両から離れていて、すぐに運転できない状況での駐車違反のこと。こちらも違反場所によって点数と反則金額が変わり、駐車禁止場所で放置した場合の違反点数は2点、反則金は9000円で、駐停車禁止場所で違反した場合の違反点数は3点、反則金額は1万円になります。

 ちなみに、駐停車禁止場所は標識で判断可能です。青地に赤の丸の中に赤のバッテンの標識が設置されている場所は、駐停車禁止場所。そして、青地に赤の丸の中に左上から赤の斜めラインが入った標識がある場所は、駐車禁止場所に該当します。

 その他にも、駐車禁止場所の標識の上下どちらかに「8-20」などの時間指定が入った、時間指定駐車禁止場所も存在します。

 これは、数字の時間帯は駐車禁止という意味。当たり前のことですが、路上駐車をする場合は、必ず標識の有無を確認しましょう。

※ ※ ※

 原付バイクは自転車感覚で乗ることができる便利な乗り物ですが、歩道に駐車することは禁止されています。今後、駐輪・駐車場が整備されることで、より気軽に利用できるようになることを期待したいものです。

【画像】原付バイクの駐車に関する法律を画像で見る(12枚)

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