信号待ちの時、ニュートラルに入れる?クラッチレバーは握る?どうするのが正しいのか?

バイクはクルマとは異なり路上教習がないため、免許を取得した後に初めて公道を走行することになります。そのため、これからバイクを運転する上で、信号待ちの時にどうすれば良いのかわからないという人もいるかもしれません。実際、信号待ちをしているときはどうするのが正しいのでしょうか。

教習所では信号待ちは1速に入れると習うけど…実際は?

 教習所では、交差点で信号待ちをする際には、ギアを1速にいれてクラッチレバーを握り、ブレーキをかけて待つように教わる人が多いでしょう。その後、信号が変わったら左右を確認して、アクセルを開けながらクラッチをつなぎ発進…という流れが一般的です。

教習所では、交差点で信号待ちをする際には、ギアを1速にいれてクラッチレバーを握り、ブレーキをかけて待つように教わる人が多い
教習所では、交差点で信号待ちをする際には、ギアを1速にいれてクラッチレバーを握り、ブレーキをかけて待つように教わる人が多い

 しかし、実際の公道で信号待ちをする場合は、ギアを1速に入れるよりもニュートラル(N)に入れている場合が多いかもしれません。実際に信号待ちをしているライダーの中には、両手をハンドルから離している人もいるようです。

 では、信号待ちをしているときはどうするのが正しいのでしょうか。実際、信号待ちの際のギアに関しては、明確に規定されていません。そのため、1速とニュートラル、どちらを選んでも問題ないといえます。そこで、ギアを1速に入れて待つ場合と、ニュートラルにして待つケースのメリット、デメリットを列挙して比較してみます。

ギアをニュートラルにして信号待ちをする場合は、クラッチレバーを握る必要がなく左手を休ませることができる
ギアをニュートラルにして信号待ちをする場合は、クラッチレバーを握る必要がなく左手を休ませることができる

 まず、ギアをニュートラルにして信号待ちをする場合のメリットとしては、ギアがニュートラルに入っているため、クラッチレバーを握る必要がなく左手を休ませることができる点が挙げられます。

レバーを握る時間が少しの間であれば気にならないかもしれませんが、長時間運転して何度もクラッチレバーを握ったり、離したりを繰り返すと、思いのほか左手に疲労が溜まってしまいます。そのため、ライダーにとって信号待ちの間ずっと握り続けないで済むのは、かなり大きなメリットといえそうです。加えて、クラッチ盤の消耗を防げるというメリットもあります。

 一般的に、クラッチ盤の寿命は3万km程度といわれており、簡単に消耗するものではありません。しかし、ライダーの中には、癖で半クラになる手前でクラッチを切っている人もいます。そういう癖があるライダーは、ギアをニュートラルにしているほうが、クラッチ盤の負荷が少なく済むでしょう。

1速に入っていると、信号待ちをしていても発進がしやすく、いざという時に緊急回避がしやすい
1速に入っていると、信号待ちをしていても発進がしやすく、いざという時に緊急回避がしやすい

 しかし、ギアをニュートラルに入れているため、1速に入れて信号待ちをしていた場合より、発進がワンテンポ遅れる傾向があります。つまり、発進までに時間がかかる場合がある点が、デメリットとして挙げられるというわけです。

 では、反対に信号待ちでギアを1速に入れた状態で、クラッチレバーを握りながら停車する場合のメリット・デメリットについて考えてみます。

 デメリットとしては、信号待ちの間、ずっとクラッチレバーを握り続けていないといけないため、左手の負担になる点が挙げられます。ただし、1速に入っていると、信号待ちをしていても発進がしやすいです。つまりこれは、いざという時に緊急回避がしやすいということをさします。

 数センチであっても、すぐに移動できるだけで事故のダメージを軽減できたり、回避できたりする場合もあります。したがって、1速に入れたまま信号待ちをするのは、交通事故への危機意識の面からはメリットになり得るというわけです。

 前述のように、信号待ちの際のギアに関しては明確な規定はありません。そのため、実際にどうするかは、ライダー自身の裁量に委ねられます。しかし安全を第一に考えると、教習所でも習うように、信号待ちの際はギアを1速にいれてクラッチレバーを握り、ブレーキをかけて待つ方法が良いといえるかもしれません。

ニュートラルをテンポよく出すコツとは

 バイクの免許を取得してから日が浅いライダーの中には、ニュートラルに入れるのが苦手な人もいます。慣れてしまえば簡単ですが、なかなかニュートラルに入らずにイライラした経験がある人も少なくはないでしょう。

ニュートラルに入れるには、1速から2速にギアを上げる途中で止めるか、2速から1速に落とす際に加減してニュートラルにするかの、2通りの方法があります
ニュートラルに入れるには、1速から2速にギアを上げる途中で止めるか、2速から1速に落とす際に加減してニュートラルにするかの、2通りの方法があります

 ニュートラルに入れるには、1速から2速にギアを上げる途中で止めるか、2速から1速に落とす際に加減してニュートラルにするかの、2通りの方法が挙げられます。

 ニュートラルを出すのが苦手なライダーには、2速から1速にギアを落としていく途中でニュートラルにする方法がやりやすいかもしれません。加えて、信号待ちや停止する際には、ギアが2速や3速になっている場合が多いため、より実際の運転で使う場面が多いといえます。

 また、車体が完全に停止する前は、特にニュートラルに入れやすいです。4速、3速とギアを落としていき、2速から1速に落とす時に、普段よりも軽くチェンジペダルを踏んでいくと良いでしょう。

※ ※ ※

 一般的に信号待ちでは1速に入れて、クラッチレバーを握ると教習所で習います。しかし、実際の公道ではニュートラルにして待っているライダーも多いです。

 ギアに関しては明確な規定がないため、どうするかはライダー自身に委ねられますが、万が一に備えておくという視点から考えれば、1速に入れておくと教えられるのは理にかなっているといえます。

【画像】ニュートラルのポジションについての画像を見る

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