世界中の企業が掲げるカーボンニュートラルの実現!でもカーボンニュートラルって一体なに?

世界中のメーカーが「カーボンニュートラル」の実現に注力しています。このカーボンニュートラルは、最近耳にする機会が増えた言葉ですが、そもそもどのような内容なのでしょうか。

最近耳にする機会が増えた「カーボンニュートラル」って?

 カーボンニュートラルの実現は、世界中の国々や企業が掲げている目標のひとつです。最近、様々なメディアでも取り上げられているため、耳にしたことがあるという人も多いと思いますが、正確な内容は良く分からないという人もいるでしょう。

 実は、バイクの未来にとっても大きく関わりがある、重要な内容です。

 例えば、世界で累計生産台数4億台を超えるバイクのトップメーカーである「ホンダ」は、全社を挙げてカーボンニュートラルの実現に取り組んでいます。
 
 その取り組みのひとつに挙げられるのが、バイクの100%電動化。今後、二酸化炭素を排出しないEV(電動車)のラインナップを積極的に増やしていくことを明言しているほか、2050年までに製品だけでなく、生産や物流といった企業活動のすべてにおいてカーボンニュートラルを目指すと宣言しています。

 では、カーボンニュートラルとはどういった活動なのでしょうか。

EVバイクの販売もカーボンニュートラル実現への取り組みのひとつ
EVバイクの販売もカーボンニュートラル実現への取り組みのひとつ

 カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因とされている温室効果ガスの排出量と吸収量を同じにすること。もう少し分かりやすくいえば、温室効果ガスをできるだけ減らし、削減できなかった分を吸収または除去し、全体として差し引きをゼロにする取り組みです。

 温室効果ガスというのは大気中に含まれるCO2(二酸化炭素)をはじめ、メタンやN2O(一酸化二窒素)、フロンガスなどの総称。この温室効果ガスには、太陽から放出される熱を地球に閉じ込め、地表を温める働きがあります。そのため、私たちが地球で快適な温度のなかで暮らしていけるのは温室効果ガスのおかげであるといっても過言ではありません。地球温暖化の原因でもあるため悪いものと思われがちですが、実は地球になくてはならないものなのです。

 しかし、温室効果ガスが増えすぎてしまうと地球に溜まった熱が放出されず、地表に溜まりすぎてしまいます。その結果、地球の気温の上昇につながり、地球温暖化の原因になるというわけです。この温室効果ガスの排出量を完全にゼロにすることは、不可能といわれています。そのため、排出された量と同じ量の温室効果ガスを吸収または除去しなければなりません。

 そこで挙げられる施策が、植林の推進です。樹木には光合成をおこなう際に大気中のCO2を吸収し、同時に酸素を発生させて炭素を蓄え成長する性質があります。そのため植林を進めることで、CO2の吸収量を増やすことができるのです。

世界中を巻き込むカーボンニュートラルへの動き

 2015年12月に初めて世界がひとつになって環境問題に取り組んだ「パリ協定」が採択され、2016年に発効されました。この協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分に低く保ち、1.5℃に抑える努力をする目標が掲げられています。

 また、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指している国は2021年1月20日時点で、日本を含む124か国と1地域。さらに2060年までのカーボンニュートラル実現を表明した中国を含めると、世界全体の3分の2を占める多くの国がカーボンニュートラルの実現に向けて、手を挙げている状態です。

電気やガスを節約することもカーボンニュートラルに貢献できる
電気やガスを節約することもカーボンニュートラルに貢献できる

 カーボンニュートラル実現のためには、まず温室効果ガスを減らさなければなりません。そこで日本では、いくつかの目標を掲げています。

 まず、2013年度と比較して、温室効果ガスの排出量を2030年度までに26%削減すること。そのほかにも、再生可能エネルギーの有効利用の徹底や、クルマやバイクに関してはモーター駆動の動力を主流にすることなども挙げられます。

 さらに、温室効果ガスの削減には、国の施策だけでなく個人での取り組みも重要です。全国地球温暖化防止活動推進センターによると、2020年度に家庭から排出されたCO2の割合は電気が47.6%で約半数を占め、ガソリン21.6%、ガス14.9%と続きます。

 つまり、個人のCO2排出量を削減するには、この3つの使い方を見直すことが重要。節電はもちろん、ガソリンやガスの節約を心掛けることも大切です。

 また、私たちライダーがバイクの使い方を意識することも、温室効果ガスの削減に大きく貢献することができます。それは、急発進や急加速、急ブレーキをしないことや無駄なアイドリングをしないなど、ガソリンの消費を抑えることなどです。

※ ※ ※ 

 カーボンニュートラルを実現するためには、国の努力だけでは不可能です。私たち一人ひとりの行動が、地球の温暖化を防ぐといっても過言ではありません。

 そして私たちライダーの行動も、地球環境を守ることにつながっていることを意識しながら、バイクライフを楽しみましょう。

【画像】カーボンニュートラル実現に向けた使い方を意識してバイクライフを楽しむ様子を画像で見る

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