ただ点灯しているだけじゃダメ!? 自転車のライトに必要な明るさとは

自転車が夜間走行をする際に必ず点灯しなければいけないライト(前照灯)は、身の安全を守るための必須部品です。その「明るさ」に必要なスペックについて紹介します。

夜間に10メートル先の路面状況を把握する

 すでに多くの人が重要だと認知している通り、自転車で夜間やトンネルの中など、暗い環境を走行する際はライト(前照灯)の点灯が必須です。暗い場所で障害物に「気づく」という目的だけでなく、クルマなどに「気づいてもらう」という役割もあり、安全走行のための重要な部品です。

ママチャリ(シティサイクル)に装備された前照灯(LEDライト)
ママチャリ(シティサイクル)に装備された前照灯(LEDライト)

 ただ、自転車のライトはただ「点灯していれば大丈夫」というわけではありません。周囲の安全を確保するために必要な「明るさ」が設定されています。

 自転車のライトについては道路交通法の第52条で「夜間、道路を通行するときは、前照灯を点灯しなければならない」と定められており、その明るさについては各都道府県ごとの道路交通法施行細則で「白色または淡黄色で、夜間に前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる明るさが必要」とされています。

 一部の地域では距離が「5メートル」とされている所もありますが、自転車の制動距離などを考えた場合は10メートルが妥当でしょう。

 ちなみに、街中でライトの「点滅」だけで走行している自転車を見かけることがありますが、法律上は「点灯」が原則なので、厳密にはアウトです。点滅するライトはあくまで補助であり、メインのライトは常に点灯している必要があります。

 では、「暗い場所で10メートル先の状況を確認することができる」とはどのような明るさなのでしょうか。

 一般的に販売されている自転車用のライトの明るさは「カンデラ(cd)」もしくは「ルーメン(lm)」という単位で表示されています。

「カンデラ」は日本語では「光度」と書き、照らしている範囲において一番光が強い部分の明るさを示す単位です。ピンポイントでの明るさを判断する基準とイメージすると分かりやすいかもしれません。

「ルーメン」は日本語で「光束」と書き、光源から出ている光の総量を示す単位です。少々乱暴な例えになりますが、電球の明るさの違いを判断する基準とイメージすると良いかもしれません。

 つまり、カンデラの数値が大きいほど遠くの一点まで見ることができ、ルーメンの数値が大きいほど周辺を明るく照らすという事になります。

 そして光源の周りの反射板などにより、照射角度を変えるとそれぞれ調整できるので、ややこしいことに、同じカンデラでもルーメンが異なる、もしくは同じルーメンでもカンデラが異なるライトも存在します。

 これでは余計な混乱を招くだけなので、現在はピンポイントの明るさを示すカンデラよりも、光の全体量を示すルーメンで表示することが主流になりつつあります。

 以上を踏まえ、10メートル先を照らすために必要な自転車用ライトの明るさは、およそ300ルーメン以上が望ましいです。300ルーメンと言うと、一般的な懐中電灯などと比べてもかなり明るく感じると思います。

周囲の暗さ(明るさ)によって必要な明るさは異なる
周囲の暗さ(明るさ)によって必要な明るさは異なる

 ただ、これには注意が必要です。ルーメンは光の総量なので、走行する周囲の明るさによって必要な数値が変わってきます。周りが明るければ小さいルーメンでも十分見えますし、周りが暗ければ光が拡散して見えにくいという事です。

 あくまで目安ですが、市街地や街灯の多い住宅地であれば300ルーメンあれば十分ですが、街灯が少ない場所では400ルーメン以上、街灯がない場所なら1000ルーメンは必要になると考えていた方が安心です。

「だったら最初から1000ルーメンのライトで良いんじゃない?」と思うかもしれませんが、1000ルーメンもの明るさで市街地を走ると、あまりに明る過ぎて周囲の人や対向車の目を眩ますことになり、危険です。状況に合わせて程よいライトを選ぶことが重要です。

 ちなみに、日本の国家標準のひとつであるJIS規格では、400カンデラ以上の明るさのものを自転車用の前照灯とする規定(JIS C9502)があります。300ルーメンを超えるライトであれば基本的には400カンデラ以上になっているはずですが、念のためご注意ください。

 自転車のライトに必要な明るさについて紹介しましたが、ライトの角度も注意すべきポイントです。

 基本的に10メートル先の「路面」を照らすものであり、300ルーメン程度の明るさであっても、ライトが地面と平行、もしくは上向きに取り付けられている場合、その明るさで歩行者や対向車の目を眩ませてしまいます。自転車に乗っていてすれ違う人が眩しそうな顔をしたら、必ずライトの角度を調整しましょう。

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