ヤマハ「E01」は未来感あふれるデザインと安定感ある走りが魅力のEVスクーター
ヤマハの二輪車メーカーとしての技術とノウハウ、そしてEV技術を融合させた原付二種クラスのスクーター、「E01」に試乗しました。
カーボンニュートラル実現に向けたモデル
ヤマハがカーボンニュートラルを目指す実証実験の一環として、3か月間のリースをおこなっている原付2種クラスの電動スクーター「E01」に試乗しました。

カーボンニュートラルの実現に向けた世界的な流れによって、各バイクメーカーのラインナップにも少しずつ増えてきた電動バイク。まだリースのみで販売はされていませんが、E01もそんな電動スクーターの1台です。

ホワイトパールのボディに、エメラルドグリーンのワンポイントが爽やかな印象で、未来のモビリティ感が演出されたデザインが特徴。とはいえ、ベースは同じくヤマハの原付2種スクーター「NMAX」なので、跨ってみると乗り慣れたビックスクーターに安心感を覚えます。
足つきも良好で、身長165㎝の私で両足の半分以上をしっかりと地面につくことができました。

そんな電動バイクの1番の不安要素といえば航続距離。ガソリンを燃料として走るバイクとは違い、燃料が無くなれば近くのガソリンスタンドで補充するという訳にはいかないので、頻繁に充電の減りを気にしてしまいます。
カタログスペックでは、満充電からの航続距離は約104kmとなっていましたが、体感的にはそんなに持つかな?というのが正直な感想。一般的な原付2種スクーターのように、普段の移動の足として使うには、まだ少し早いような気がします。
ちなみに充電は3種類の充電方法に対応していて、満充電までに必要な時間は急速充電装置で約1時間、普通充電装置で約5時間、ポータブル充電装置で約14時間となりますが、家庭用電流の100V電源で駆動可能なのは標準装備のポータブル充電装置のみなので、14時間かかると考えるのが妥当でしょう。
この点も、やはり普段の足として使うには不安要素のひとつです。

一方で、走りについてはかなりパワフル。アクセルを捻ると同時にスムーズな加速が始まり、問題なく周りのクルマの速度に合わせて走ることが可能です。また、個人的には足置き場の真ん中が盛り上がっていて、ニイグリップとまではいえないものの、足の内側で車体を抑えながら車体の方向転換ができるMTライクな構造が操作しやすく、車線変更やUターンなどの方向転換も思い通りのラインを通ることができます。
ベースであるNMAXより少し重い158kgという車両重量も、運転中はほとんど感じることはありませんでした。
ただ、やはりエンジンの振動と音が無いのが少し寂しい。安定感のある力強い加速と、EV特有の静かで滑らかな走りは、別の乗り物と考えるとそれなりに魅力的で面白いのですが、やっぱりバイクはエンジン音と振動が欲しい派の私には、どうしても物足りなさが漂ってしまいます。

そういった点も考えると、もっと充電インフラが整って電動バイクのラインナップが増えて欲しいような、そうでないような悩ましいところ。
E01のリースについては抽選制。現在、第2期の抽選結果が発表されたばかりなので、次の募集が開始された際には、是非応募してみてください。