一体なんのためにある? ガソリンスタンドの静電気除去シート

最近ではセルフ給油のガソリンスタンドが増えており、給油する際はノズルを持つ前に「静電気除去シート」に触れるよう促されています。この、静電気除去シートは、何のために触れるのでしょうか。

「静電気除去シート」の重要性とは?

 自分で給油をおこなう際には、給油機のタッチパネルから油種や給油量(給油金額)を指定し、ノズルを給油口へ差し込みます。タッチパネルでは給油の操作をイチから指示してくれるため、セルフ給油が初めての人でも、流れに沿うことで的確に給油をおこなうことができるようになっています。

 そんなタッチパネルに沿って操作を進めていくと、ノズルを持っていざ給油というタイミングで、「静電気除去シートに触れてください」とアナウンスされます。そして給油器には「静電気除去シート」として、黒いゴムパッドが設置されていますが、これはどのような役割を持っているのでしょうか。

給油前には静電気除去シートに触れる
給油前には静電気除去シートに触れる

 静電気除去シートは、その名の通り静電気を除去するために設置されています。

 ガソリンスタンドで扱われている、通称「レギュラー」、「ハイオク」、「軽油」といった燃料類は揮発しやすく、空気中では比重が重いことから、地面に近い場所に滞留する特徴があります。加えて引火しやすい性質も持っており、タバコの吸い殻や静電気の小さな火によって、爆発する可能性もゼロではありません。

 とくに冬場は空気が乾燥しやすく、摩擦などの影響によってさらに静電気が生じやすくなっており、実際にバイクに触れる際に静電気が生じて不快感を覚えるというライダーも少なくないでしょう。静電気除去シートには、給油をおこなうライダーに帯電している静電気を除去することで、万が一の火事を防ぐという重要な役割があるのです。

給油前にはグローブを外して!

 このように、給油前には静電気を除去することが重要です。また、給油前にはグローブを外すことも徹底するようにしましょう。

給油をする際はグローブをはずす
給油をする際はグローブをはずす

 バイクの乗車時に使用するグローブには、さまざまな素材のものがラインナップされていますが、モノによっては着用したままでは静電気除去シートの効果がうまく作用せず、静電気が除去されない可能性があります。そのため、着用したまま給油してしまうと、前述したようにガソリンに引火して大惨事になることも考えられ、非常に危険です。

 また、冬場の走行では、寒さ対策として生地に厚みがあるグローブを着用しているライダーも多いと思います。そのようなグローブでは、給油ノズルを握ったときの感触が手にダイレクトに伝わりにくく、給油の際に誤操作を招いてしまう可能性もあるでしょう。さらに、最近のバイク用グローブではスマートフォンなどの画面が触れるようになっているものも見られますが、グローブをつけたままでは操作がおこないにくく、油種選択を間違えたりと、トラブルや二度手間を起こす要因になりかねません。

 セルフ給油の際には、こうした危険性を考慮して、まずはグローブをしっかりと脱ぐところから徹底するように心がけましょう。

※ ※ ※

 最近では当たり前になってきているセルフ給油ですが、一歩間違えると火事といった大きなトラブルに繋がる可能性もあります。給油方法に慣れていても手順は飛ばさず、しっかりと静電気除去シートに触れるようにしましょう。

 また、誤操作などを防ぐためにもグローブは外し、素手での給油をおこなうように心がけてください。周囲の安全を守るためにも、ひとつひとつの動作を確実にこなすことが重要です。

【画像】セルフで給油を行う様子を画像で見る(10枚)

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