ハスクバーナの2スト「TE250」と4スト「FE350」で実感!! これは確実にアドバンテージが得られる!?

ハスクバーナ・モーターサイクルズ・ジャパンは、2023年3月31日まで、新車の購入をサポートする「スプリングキャンペーン」を実施しています。オフロードコンペティションモデルも対象とのことで、ダートファンや競技志向のライダーにも嬉しい限り。ワイルドクロスパークGAIA(長野県大町市)で試乗したエンデューロモデル2機種を紹介します。

2ストモデルでセル付き! なのに超軽量!

 ハスクバーナ・モーターサイクルズ(以下、ハスクバーナ)の2023年型エンデューロモデルは、その外装にエレクトリックイエローをアクセントとしたダークブルーのグラフィックを採用しています。クロモリ剛のフレームにはブルーのメタリック塗装が施され、北欧ブランドらしく、ますますスタイリッシュな仕上がりになっています。

2023年型でグラフィックも一新されたハスクバーナのエンデューロモデル。2ストロークエンジンを搭載する「TE 250」と筆者(青木タカオ)
2023年型でグラフィックも一新されたハスクバーナのエンデューロモデル。2ストロークエンジンを搭載する「TE 250」と筆者(青木タカオ)

 オフロード競技車では、軽量・コンパクトな2ストロークモデルがまだまだ健在で、エンデューロ向けにハスクバーナは「TE 300」「TE 250」「TE 150」の3機種をラインナップしています。

 すべての「TE」モデルにはセルスターターが標準装備され、ボタンを押すだけで元気よくエンジンが目覚めます。セルモーターとバッテリーを車体に搭載するのは重量面で不利ではないかとも考えられますが、「TE 250」では車重(半乾燥)106.2kgと軽量です。とくにリチウムイオンバッテリーの進化、軽量・コンパクト化は目覚ましく、実際に取り回しをしてもじつに軽いもの。

 エンデューロレースでは、キックペダルをしっかりと踏み降ろせない状況がありますし、体力も消耗することを考えると、セルスターターの装備は2ストモデルにも欠かせないものだと、「TE」シリーズでその利便性に触れ、改めて実感するのでした。

2ストマシンならではの俊敏性、そして扱いやすい

 その軽い車体に、パワフルなエンジンを積むのだから、加速は強烈としか言いようがありません。ワイルドクロスパークGAIAには全日本クロスカントリー選手権もおこなわれるエンデューロコースと、過去に何度もMFJ全日本MX選手権が開催されたことのあるモトクロスコースもあります。

まずはモトクロスコースでハスクバーナ「TE 250」(2023年型)に試乗
まずはモトクロスコースでハスクバーナ「TE 250」(2023年型)に試乗

 まずは、コース幅の広いモトクロストラックでその力強い走りを味わってみると、エンデューロマシンながら、ジャンプなどリズムセクションもシャシーと足まわりはまだまだ余裕と言わんばかりです。

 インナーチューブ径48mmのWP製XPLORフロントフォーク、リンケージ付きのXACTショックアブソーバーと、前後サスペンションはエンデューロ向けに初期荷重からソフトに動く味付けですが、路面追従性に優れ、難なく周回をこなしてくれるではありませんか。

 本領を発揮するのは、やはりエンデューロコースです。よく動くサスペンションのおかげで濡れてスリッピーな区間や、木の根が剥き出しになった林間セクションも、トラクションを確保しつつ駆け抜けることができます。

 ペースが落ちて低回転域を使うことになっても、スロットルポジションセンサーによって混合気量が最適化され、2ストとは思えぬほど粘り強くトルクを発揮し、扱いやすさも伴っているのでした。

重量的不利を払拭した4ストモデル

 ハスクバーナのエンデューロモデルには、もちろん4ストマシンも揃っています。「FE 501」をはじめ「FE 450」「FE 350」「FE 250」と4機種があり、今回は「FE 350」に乗ってみます。

ハスクバーナ「FE 350」(2023年型)に試乗する筆者(青木タカオ)
ハスクバーナ「FE 350」(2023年型)に試乗する筆者(青木タカオ)

「TE」シリーズ同様、セルスターターによって始動はイージー。驚異的とも言えるのが車体重量で、なんと106.8kg(半乾燥)しかありません。

 軽量かつ剛性を最適化したクロモリ鋼フレームは、すべてのエンデューロ/モトクロスモデル同様ポリアミド70%、カーボンファイバー30%のカーボンコンポジット(炭素繊維複合材製)による2ピース構造のサブフレームを組み合わせています。

 このサブフレームはたったの1kg程度で、マスの集中に貢献することはもちろん、車体の挙動が前後ピッチした場合も収束の速さに直結し、WP製の高性能な足まわりをより際立たせているのでした。

 DOHC4バルブエンジンは抜群のスロットルレスポンスを見せ、ダッシュは強烈そのもの。モトクロスコースでの試乗では、コーナーの立ち上がりでは駆動輪が路面をしっかり捉え、ノーズが前を向けば車体がまだ寝ていてもスロットルワークでストレートへ抜け出していけるパワフルさです。

ハスクバーナ「FE 350」(2023年型)は排気量349.7ccの水冷4ストロークDOHC単気筒エンジンを搭載。フレーム塗装にはメタリックブルーを採用
ハスクバーナ「FE 350」(2023年型)は排気量349.7ccの水冷4ストロークDOHC単気筒エンジンを搭載。フレーム塗装にはメタリックブルーを採用

 ウッズセクションでは、速度を落とし切ったところから滑りやすい急坂を登るシーンでも優れるトラクション性を発揮し、無難にクリアできるなど、ゆとりを持ちつつ挑めます。

マシンが乗り手を助けてくれる

 ハスクバーナのエンデューロモデル、2スト&4ストマシンにそれぞれ試乗しましたが、さすがは数々のレースで実績のある有力ブランド。高性能に助けられるシーンも多くあり、エキスパートだけでなくビギナーや中級者にも「ありがたい」と感じる場面が少なくないことを実感しました。確実にアドバンテージが得られる、そんなマシンたちであることは間違いありません。

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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