「無免許原付」OKに!? 原付を「一般」「特小」「特例特小」とする3つの細分化とは?

道路交通法施行令などが改正され、2023年7月1日から電動キックボードなどの「特小」(特定小型原付)が、所有の形を問わず、一律のルールで走るようになります。「特小」は一律二段階右折で最高速度20km/h。「原付」は3つに細分化されます。免許所持者も改めて、ルールの確認が必要かもしれません。

「免許原付」と「無免許原付」、名称の違いは「一般」と「特小」

 2022年年4月に成立した道路交通法の改正を受けて、「特定小型原付」(以下、特小)が一律のルールで道路を走ります。施行は2023年7月1日を予定。シェアサービス事業者が貸し出す電動キックボードは「小型特殊」扱い(※特定小型ではない)、個人所有は原付扱いという、現行の二元ルールは廃止されます。

電動キックボードが無免許で自転車なみのルールで乗れるようになっても、飲酒運転などのペナルティは今までの原付とほぼ同じ
電動キックボードが無免許で自転車なみのルールで乗れるようになっても、飲酒運転などのペナルティは今までの原付とほぼ同じ

「特小」を実用化する改正道路交通法の施行は、道路左側の使い方の大転換です。

「原付」のカテゴリーは次の3つに細分化されます。

・一般(一般原付)
・特小(特定小型原付)
・特例特小(特例特定小型原付)

 これらの違いは、最高速度、識別方法、走行可能な道路区間です。「特小」の車格は普通自転車と同じ(長さ190cm×幅60cm以内)で、「一般」の方が大きいですが、それよりも次の3つ決定的な違いです。

・一般 30km/h 車道左端
・特小 20km/h 自転車レーン
・特例特小 6km/h 歩道

 これらの分類は、同じ車両で走行モードを変えることも可能。走る場所に違いがない生活道路のような場合は、走る場所は道路の左端です。

「一般」はこれまでの原付バイク(排気量50cc以下)と同じルールで、「特小」は後述する自転車との違いを除いて、ほぼ自転車なみのルールです。「特例特小」は歩行者優先で徐行し、歩行者信号に従って走ることが必要です。

 ただ、パーソナルモビリティは、速度を変えればどこでも走ることができるものと誤解されるのは最悪なので、外見で見分けられることが重要になります。

「一般」はいわゆるナンバープレート(課税標識)、「特小」は緑色で常時点灯する識別灯、「特例特小」は緑色で点滅する識別灯の装備を義務づけています。走行中はモード切替ができない仕組みも求められています。

「特小」「特例特小」には、原付バイクにはない新たなルールも

 ただ、「特小」や「特例特小」は16歳から無免許で運転できますが、違反者には反則金、放置違反金、講習の制度が取り入れられます。

警察署主催の乗り方ルール説明会も開催されている(警視庁荒川署/日暮里駅前)
警察署主催の乗り方ルール説明会も開催されている(警視庁荒川署/日暮里駅前)

 自転車には現行制度で、危険行為を繰り返した運転者に講習が義務づけられています。この受講命令対象の違反が15種類あるのですが、「特小」では2つの違反が付け加わります。

・携帯電話の使用
・共同危険行為

 この2つの違反は、「一般」では即アウトですが、自転車とほぼ同じ扱いの「特小」では、「携帯電話の使用」は、全国一律の違反には含まれていませんでした。

 また、暴走族対策の切り札として設定された「共同危険行為」は自転車にはありません。そもそも電動キックボードや「ペダル付き原付」(モペットなど)で集団暴走にはならないと思いますが、この違反が新設された時には、ツーリングも2台以上の暴走とみなされるのではないか、と議論になりました。

 運転免許を持たない人たちがグループで移動する時には、それなりの配慮が必要になるでしょう。

 歩道を走ることができる「特例特小」には、歩行者優先を考慮しない運転者に対して「歩道徐行等義務違反」「路側帯進行方法違反」の反則行為が、反則金3000円で新設されました。

 運転免許があれば、交通ルールは分かる……今まではそうだったかもしれませんが、同じ原付でも「特小」は、基本は自転車の走り方で、原付的な修正が入っています。無免許、ヘルメット着用は努力義務で気軽に乗ることができますが、注意が必要です。

 警察庁では2月18日まで、施行令改正に関連するパブリックコメントを求めています。

【画像】3つに細分化された「原付」のルールを見る(6枚)

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Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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