【海外事情】給油だけじゃない? 買い物も小休止もできるマレーシアのガソリンスタンド
2月中旬、MotoGPの公式テスト取材のために、マレーシアのクアラルンプールを訪れました。その帰国の際にクアラルンプール空港へ向かう道すがら、ガソリンスタンドへ。入ってみると、なんだか日本のガソリンスタンドとは違う雰囲気なのです。
立ち寄ったガソリンスタンドが、多機能施設だった件
2月中旬、筆者(伊藤英里)は2023年シーズンのMotoGPの公式テスト取材のために、マレーシアのクアラルンプールを訪れました。その帰国の際にクアラルンプール空港へ向かう道すがら、ガソリンスタンドへ。入ってみると、なんだか日本のガソリンスタンドとは違う雰囲気なのです。

クアラルンプール空港に向かう道は混み合っていました。時刻は10時半を回ったところ。マレーシアは日本と同じく左側通行だから、うっかり逆走をしないようにと手汗をかくことはありませんが、異国の地でおそらくは仕事に向かう、もしくは仕事中のクルマに囲まれる緊張感はぬぐえないものです。なにしろみんな急いでいるし、ウインカーなんぞ知らん、とばかりに車線変更はかなりアグレッシブ。とは言え、大きな道路のぴりぴりとした気配はどこも似たようなもんだな、と思いながら、意識して肩の力を抜きました。
空港近くのさらに大きな道路に出ると、間もなく「PETRONAS(ペトロナス)」の看板が見えてきました。「そうだ、レンタカーにガソリンを入れなくては……」ちょっと運転に集中していたもんだから、忘れるところでした。断じて緊張し過ぎていたわけではありません。
ゆっくりとガソリンスタンドに進入すると、順番待ちのクルマの後ろに並び、それからぐるりと周りを眺めました。

それにしてもこのガソリンスタンド、とても広いのです。給油場所自体はそれほど大きいわけではなく、設置されているスタンドは10機ほど。しかしやけに敷地が広い……と思っていると、あとから来たクルマが給油場所をスルーして周辺に駐車し、運転していた男性が併設の売店に入っていくのが目に入りました。
なるほど。どうやらここはコンビニのような場所も兼ねており、買い物だけ済ませて帰っていく人もいるようです。だから駐車場もあったのか、へえ~、広いわけです。
「ようし、郷に入っては郷に従えってやつよ」と給油を終え、駐車場にクルマを停めて売店へと向かうことにしました。

クルマから一歩外に出た瞬間、マレーシアの太陽の光が脳天に降り注ぎます。じりじりと肌を焼かれながら、クーラーの効いた店内へと足を踏み入れました。
そこではちょっとしたドリンクやスナックを売っている……どころではなく、なかなかの広さです。その一角にはダンキンドーナツが店を構えていて、イートインコーナーまでありました。
コンビニ(仮)側には、ドリンクやお菓子のほか、スマートフォンのアクセサリーからカー用品まで揃えられています。そしてもちろん、「ミロ」もずらりと並んで売られていました(マレーシアではミロがポピュラーな飲み物らしいのです)。さらにはATMもありました。

そこはガソリンスタンドであり、ちょっとした飲食ができる場所であり、移動中に必要な物を買える場所であり、そして一休みできる場所……様々な機能がいっしょくたになっている、まさにコンビニエンス・ストアでした。
それにしても、マレーシアのガソリンスタンドはどこもこういうモンなのだろうか? と、むくむくと疑問が湧きます。今回立ち寄ったのはクアラルンプール空港に近く、かなり大きな通り沿いにあるガソリンスタンドです。街中のガソリンスタンドも同じような機能を持っているのだろうか……すごく気になる。
次に来た時は、違った道の、違ったガソリンスタンドに行ってみよう! そう心に決めて、クアラルンプール空港に向かうべく、再びハンドルを握りしめたのでした。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。