2023年シーズンの始動はフランス ル・マンからスタート!! 世界耐久ロードレース選手権 公式テストに参加!レーシングライダー石塚健のレースレポート
国内外で活躍するレーシングライダーの石塚健選手が、今季参戦する世界耐久ロードレース選手権の公式テストに参加。フランスにあるル・マンサーキットで行われたテストの様子をレポートしてくれました。
開幕戦はフランス ル・マン ブガッティサーキット
皆さんこんにちは、レーシングライダーの石塚健です。
いよいよ始まる今シーズンのFIM EWC 世界耐久ロードレース選手権開幕戦 ル・マン24時間耐久レースの公式テストが、3月28日、29日にフランス ル・マン ブガッティサーキットにて行われましたので、レポートしていきたいと思います。

先ずは、僕の今シーズンの参戦体制ですが、FIM EWC 世界耐久ロードレース選手権に、フランスのJMA RACING ACTION BIKEというチームからフル参戦する事になりました。
参戦カテゴリはスーパーストッククラスで、バイクはスズキ「GSX-R1000R」を使用します。タイヤはダンロップタイヤでのワンメイク。年間4レース(スーパーストッククラスは3戦)で、チャンピオンシップを争います。
今回のテストがシーズン初テストなので、チームとの顔合わせも、もちろん初めて。ここに来るまでに何度も連絡は取り合っていたものの、実際に会って話すのは初めてだったので、少し緊張してサーキット入りしましたが、1度話せばとても親切で、チーム代表もフランス語混じりの片言の英語を使って一生懸命、色々な説明をしてくれました。

チームには英語が得意なメカニックもいるので、重要なバイクのセッティング面などのコミュニケーションには何の問題もなくて一安心。とても和やかな雰囲気の中、集中し易い環境であることが分かり、嬉しい気持ちになりました。
搬入を終え、翌日には公式テストがスタート。
今回テストが行われたのは開幕戦の地でもあり、2輪、4輪共に耐久レースの開催地で有名なル・マン ブガッティサーキットです。
初めて走るサーキットなのでレイアウトやライン取りなど、事前にできる限りの予習はしてきたものの、やはり実際に走行してみないとわからない視点や難しいポイントが沢山出てきて、それもまたレースの面白い部分です。

ちなみに、スズキGSX-R1000Rに乗るのも初めての経験。初日の走行は、昨年まで乗っていたバイクとの特性の違いに少し戸惑いながらも、工夫してこのバイクなりの走らせ方を学んでいきました。
初めて乗ったGSX-R1000Rの印象をシンプルな言葉で表すと「安定感」、そして「スムーズ」です。ブレーキングからターンインでのバイクの安定感が高く、限界値の高さを感じ、また、コーナーリング中はライダー自身がアグレッシブに操っていける、自由度の高いバイクだと実感しました。
一方で、タンクの形状が比較的大きく、バイクそのものの姿勢が後ろ上がりに感じたので、体感的にはかなり大きい車体に乗っている感覚。
電子制御に関しては、元々のポテンシャルはそれほど高くなく、しっかりとしたセッティングが必要なのと、ライダー自身がライディング中にコントロールしていく事が重要なバイクだという印象です。

バイクのポジション合わせにも時間を要しましたが、幸い自分を含む3人のライダーの体格は似ているので、スムーズにセッティングを進めることができた点も安心できたポイントです。
1日に3時間と4時間の2本のセッションが設けられ、2日間みっちりと時間を使い、チームとの作業を進めていきました。
バイクのセッティングやパーツのテストを率先して行ってくれたのは、昨年からこのチームで継続して参戦しているオランダ人のコーム選手。もう1人のチームメイトとなるイタリア人のマッテオ選手と僕は、バイクやサーキットの攻略に励みました。
そして最終的に2日間を走り終え、転倒やトラブルもない生産的なテストとなりました。時間的な制約もあり、本格的なタイムアタックまでは行きませんでしたが、ラップタイムもそこそこの所までアップすることができたので、後はレースウィークのお楽しみといった感じです。
新しいカラーリングのバイクや装備を身にまとい、いよいよシーズンが始まります。

ということで、2023 FIM EWC 世界耐久ロードレース選手権の開幕戦 ル・マン24時間耐久レースは、4月11日から開幕し、4月15日に決勝がスタート。
テレビ放送や配信等の詳しい情報は現時点では未定ですが、僕のSNSで、できる限り発信していこうと思っているので、是非チェックしてくださると嬉しいです。
スーパーストッククラスでの優勝を目指して、長丁場のレースをチームと共に頑張りたいと思います!応援、宜しくお願いします。
新しい装備に包まれてシーズンの始まりを感じます💁🏻♂️✨
想いの詰まった装備と共に、今シーズンも一レース一レースを大切に戦っていきたいと思います!#SHOEI #HYOD #alpinesters pic.twitter.com/smQuQBtiLA— 石塚 健 / Takeshi Ishizuka (@Takeshi_722) April 1, 2023
Writer: 石塚健
(レーシングライダー)埼玉県出身の27歳。3歳からポケットバイクに乗り始め、ロードレースというオートバイ競技に参戦。現在は世界各国で活躍できるライダーを目指して日々、活動中。
2019年から、ヨーロッパでおこなわれる「FIM CEV REPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」への挑戦を開始。2023年は、「FIM EWC 世界耐久ロードレース選手権」にフランスのJMA RACING TEAMより参戦します。スポンサー募集中!応援よろしくお願いします。