どこを整備しているの? バイクを買ってすぐに納車できない理由とは
バイクの購入を決意し、今すぐに乗って帰りたいと思っても、基本的にすぐに納車されることはありません。理由は納車前整備がおこなわれるからなのですが、いったいどのような項目を確認しているのでしょうか。
憧れのバイクを購入!なぜすぐに納車できないの?
欲しかったバイクを契約し、すぐにでも乗りたい、乗って帰宅したい!と思ったことはありませんか?
しかし、支払い手続きを済ませたとしても納車前整備があるため、そのまま乗って帰ることはできません。納車前整備とはその名の通り、販売店がユーザーにバイクを納車する前におこなう整備のこと。入荷されたばかりの車両が機能を十分に果たしているか、点検整備をおこなうことで、車両の安全性を再確認します。
では、部品の消耗などが予想される中古バイクならまだしも、まだ走行していない新車バイクは、どのような項目を確認する必要があるのでしょうか。

スズキのバイクを取り扱っているスズキワールドの担当者は、次のように話します。
「新車バイクは、店に入荷された状態ではバッテリーや各種部品が何も接続されていない状態です。そのため当店の場合はまず、バッテリーを取り付けた後に、ガソリンを入れます。あとは、ウインカーやヘッドライト、ブレーキランプといった各種灯火類も取り付け、キチンと付いているか、すぐに外れたりしないか等の確認をおこないます。
また、メーターの時間設定や、各部位の増し締めも重要な点検項目です。今一度、ボルトが緩んでいるところはないか、エンジンオイルの量は正常か、入念な確認をおこないます。販売店ごとに整備項目の順番は異なると思いますが、基本的にはそういった項目を点検させていただいております」
というように、走行による劣化のない新車であっても納車整備が重要。もしも納車整備をおこなわなかった場合、ブレーキやサスペンション、タイヤ、エンジンなど、各部品の不具合が発生する可能性が考えられ、それにより走行中に事故やトラブルが発生するリスクが高まってしまうのです。
他にもある?新車に納車前整備が必要な理由
他にも新車に納車前点検が必要な理由として、車両の寿命が縮まる可能性が挙げられます。
適切な整備をおこなわなかった場合は使っていくうちに、車両の各部品に不具合が発生し、寿命が短くなる可能性があるのです。

例えば、エンジンオイルの不足によりエンジンが痛んだり、タイヤのバランスが悪くなって振動が発生し、ハンドル操作が困難になったりといった危険性が高まります。
多くのメーカーは、納車時に整備を行うことをメーカー保証の条件としています。そのため整備を怠ると、メーカー保証の対象外となる場合も。そうなると、車両に問題が発生した場合、修理費用を全て自己負担しなければならなくなってしまいます。
こういった理由からも、新車バイクの納車整備は非常に重要。納車整備にかかわらず、普段から適切な整備を欠かさずおこなうことで、安全で快適な乗り心地を維持することができるのです。

ちなみにバイクの納車までの大まかな流れとしては契約後に車両が登録され、その後、納車前整備がおこなわれた後に納車される流れが一般的です。納車前整備には、さほど長い時間はかかりませんが、それでも契約や登録からバイクが納車されるまでには、1週間ほどかかります。
では、少しでも早くバイクを納車してもらうことは可能なのでしょうか。バイクの中古・新車販売大手グループである、バイク館川崎店担当者は、次のように話します。
「店頭にある車体を購入した場合、当店では納車までには最短でも一週間かかります。その一週間の間に車体の登録と、新車整備をします。ただし、納車整備自体にはそこまで時間がかからないため、ご自身で陸運局などに出向いて車体の登録を済ませていただけるのであれば、より早くお渡しすることも可能です」
このように、少しでも早く購入したバイクに乗りたいという人は、車体の登録を自身で済ませておくのもひとつの手といえます。
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新車バイクを購入する場合でも、納車前整備は必要で、すぐに乗って帰る事はできません。購入後、細やかな項目まで十分に確認・整備してもらうことで、バイクデビューが安全で楽しいものになっているという訳です。