予約殺到で抽選になるほど人気のある“習い事”「ホンダ・モーターサイクリスト・スクール」で味わった充実感!

教えてもらって上達する。自分が大好きなオートバイでだから、嬉しさもひとしおです。ホンダ・モーターサイクリスト・スクール(Honda Motorcyclist School)=通称“HMS”に、バイク歴30年以上のワタクシ青木タカオが参加しました。学ぶことがイッパイで「もっと教えて!」とインストラクターにおねだりしたくなるほど楽しく充実した時間を過ごせるではありませんか!

継続的な安全への取り組み

 全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者を2030年に半減、2050年にゼロを目指すホンダ。『Honda SENSING』といった先進安全運転支援システムなどハード面(安全技術)の開発が進む一方で、セーフティライドを広める『HMS』といったソフト面(安全教育)、両面から継続的な取り組みがおこなわれているのです。

ホンダ・モーターサイクリスト・スクール=通称“HMS”に初めて参加した筆者(青木タカオ)
ホンダ・モーターサイクリスト・スクール=通称“HMS”に初めて参加した筆者(青木タカオ)

 ホンダは製品を売るだけでなく安全に楽しく乗ってもらおうと、『HMS』を1978年から開催しています。同社の二輪安全教育の歴史は長く、ホンダのインスタラクターたちによる白バイ訓練が鈴鹿サーキットで初めて開催されたのは1964年10月のこと。「どうしたら白バイ隊の殉職事故を防げるのか」という相談が発端で、その後は警察庁を中心に全国展開され、1969年6月には『第1回白バイ大会』を開催。白バイ隊員の技術向上と安全に対する認識を深めました。

 HMSは現在、もてぎ/埼玉/浜名湖/鈴鹿/熊本の全国5か所の交通安全センターで年間1000回以上も開催され、1万5000人を超えるライダーが受講。予約が殺到する人気ぶりで、そのワケは体験すればナットクです。

未熟であることを思い知り、病みつきになる楽しさ!

 16歳で二輪免許を取得する前からオフロードバイクでモトクロスを経験していた筆者のバイク歴は、公道で30年以上、土の上も含めれば40年近くになり、世間一般では“ベテランライダー”と呼ばれることになりますが、教わること・学ぶべき点は山ほどあり、いかに自分の走りが未熟であったかを思い知らされます。

自分流の走り方をインストラクターのアドバイスによって、より安全なライディングへと変える
自分流の走り方をインストラクターのアドバイスによって、より安全なライディングへと変える

 たとえば、パイロンを立てて複合カーブに見立てた区間を走行する時、当初はアクセルを開ける時間をいかに長くし、大きく弧を描くラインを意識していましたが、車体が傾いている時間が長い上、公道走行を想定すれば旋回時はもっと小さく回るほうが安全であることをインストラクターのアドバイスによって気付かされます。そしてさらにインストラクターが前を走ってくれ、アクセルの開閉タイミングやライン取りなどを教えてもらえるのでした。

 さまざまな走り方ができれば、公道でも状況に合わせたセーフティライドができ、リスクを減らすことができます。HMSでは受講者のレベルや上達具合に合わせ、「ここではブレーキに頼らず、アクセルワークだけで走ってみましょう」ですとか、「今度はブレーキをしっかり使って、加速と減速のメリハリをつけましょう」など、個別にも課題を出してくれ、確実なスキルアップに導いてくれるのです。

公道走行を想定すれば旋回時は小さく回るほうが安全である
公道走行を想定すれば旋回時は小さく回るほうが安全である

「こうやって走ることもできるのか」と、自分のライディングに幅が広がっていくことを実感でき、もう楽しくて仕方がありません。リピーターも多いと聞きましたが頷けます。終了後は「次はもっとこうしたい」と、知らぬ前に心の中で目標を掲げている自分がいるのです。向上心が持て、達成感を得られるから、もう病みつきになっているのでした。

リターンライダーやベテランにもオススメ

 HMSは「オンロード」のほか「オフロード」もあり、それぞれに初級/中級/上級コースが設定され、参加者の要望や技量に応じて内容も調整されます。つまり、車種や技量を問わず、誰にでもためになり、自分のように走りを学ぶ充実感が得られるよう配慮されています。

運転技術だけでなく、乗車前点検「ブタと燃料」(ブ=ブレーキ、タ=タイヤ、と=灯火類)からスタートする
運転技術だけでなく、乗車前点検「ブタと燃料」(ブ=ブレーキ、タ=タイヤ、と=灯火類)からスタートする

 そこは長年にわたって蓄積した豊富なノウハウと、安全運転に対する絶大な知識と技術があるからこそで、個人向けスクールだけでなく、企業や団体の要望に応じたオーダーメイドのライディングレッスンなども数多く開催されています。

 また運転技術だけでなく、乗車前点検「ブタと燃料」(ブ=ブレーキ、タ=タイヤ、と=灯火類)からスタートし、教習所で習った日常点検の大切さをもう一度思い返せることもできました。

 今回は「Honda安全運転普及活動取材会」として交通教育センターレインボー埼玉(比企郡川島町)にて「オンロード」のコースを参加させていただきましたが、「オフロード」も体験してみたいですし、気の合う仲間とレクリエーションとして学びに来るのもいいなと思いました。

バイクのニュースで執筆中の桜井つぐみさんも一緒にHMSに参加した
バイクのニュースで執筆中の桜井つぐみさんも一緒にHMSに参加した

 また、桜井つぐみさんも一緒に参加いたしましたが、みるみるうちに上達していき、見ているコッチも嬉しくなってきます。ホンダの安全への取り組みが、バイクの楽しさをより広げています。

 開催日程の確認や申し込みは公式ホームページからできます。

【画像】ホンダ・モーターサイクリスト・スクールの画像を見る

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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