愛車の乗り味を快適に!! 初心者向けサスペンションのセッテイングを徹底解説
スポーツバイクだけでなく、最近ではさまざまなジャンルのバイクでサスペンションのセッテイング、つまり乗り味を自分好みに調整することができます。突き詰めるとキリがないサスペンションのセッテイングですが、これだけはやってみるといい初心者向けセッティングポイントを、ご紹介します。
サスペンションのセッテイングはどこで変えられる?
スポーツバイクを始めとし、最近ではさまざまなジャンルのバイクでサスペンションのセッテイング、つまり味付けを変える事が可能です。ただし、乗り味は好みの問題でもあるので、そのまま乗っているという人も多いでしょう。
そんな突き詰めると際限のないサスペンションセッティングですが、「変更するならまずはここ!」という初心者向けのセッテイング方法をご紹介します。

以前はスポーツバイクが中心だったサスペンションのセッテイングですが、最近では実用バイクでも変更ができるものも増えてきており、自分好みの乗り味を見つける事を楽しんでいる人も多いと思います。そんなサスペンションの設定を、どこで変更できるのかというと、フロントとリアでサスペンションの形式が違うので方法も異なります。
ノーマル車両の場合で説明すると、フロントは一番上のところ、つまりハンドル側の先端が回せるようになっていればセッテイングが可能。回せない場合は、ボルトになっています。
リアはショックアブソーバーとスプリングがセットになっているバイクが多いのですが、スプリングを押さえている部分がダイヤル式になっていればセッテイングの変更が可能。
セッテイングを変更する際に必要な工具は、フロントの場合はマイナスドライバー、リアはフックのような工具が車載工具として積まれているため、それらを使って引っ掛けて回すことでセッテイングが変わります。
純正は変えられる味付けがシンプル
では、それらを回すことで何がどうかわるのかというと、フロントは時計回りに締め込むと強く、つまり硬くなります。
また、回す部分の出っ張った所をよく見ると、線が付いていて今どの程度締めたり緩めたりしているのかという目安となっている為、左右で揃っているかが分かりやすいようになっています。
リアはさらに目視でわかりやすく、スプリングを押さえているシートが階段状になっていて、回すとスプリングの長さを変えることが可能。5段階で調節ができ標準は下から2番目となっていることがほとんど。階段を上っていく方向に回すと硬くなります。
社外サスペンションであれば、そのほかの性能も変えられますが、純正は前後でひとつずつというのがほとんど。物足りないように感じるかもしれませんが、これだけでも十分に走りの味は変わるので、是非試してみてください。

ちなみに、何を基準にセッテイングをすれば良いのかと言うと、新車であれば純正での標準セッテイングで納車されます。もちろんそのままでも不満を感じることなく、普通に乗ることができますが、さらに好みに合った乗り味にしたいという人が意識するのは、硬くするか柔らかくするか、どちらにしたいかという問題です。
純正状態で想定されているライダーの体重は60㎏から70kgほど。もしこれよりも、自身の体重が重たければ前後共に少し硬くしてやると、しっかりと支えてくれるようになります。軽い場合は、柔らかくしてみましょう。
硬いサスと柔らかいサス、それぞれの特性としては硬くすると踏ん張りはより効くけど、跳ねやすくなります。柔らかいと凹凸のある路面にもしっかりと追従するようになりますが、フワフワした乗り心地になったり、コーナーなどで踏ん張りが効かなくなるというのがおおまかな方向性。
純正は万人向けのセッテイングで、ある程度乗り心地を重視した味付けとなっていることが多いので、基本は硬くしたほうがシャッキリとした走りになるでしょう。

とはいえ闇雲に硬くするのはご法度。初心者でも分かりやすいセッテイングの方法としては、少しずつ様子を見ながら硬く締めていくのが基本です。
硬くしていくとシャープな走りになっていくことがわかると思います。フロントであればメモリの半分ずつ、リアはひとつずつ乗り味を確認しながら調整していく事がオススメです。徐々に硬くしていくと、ある部分を境にゴツゴツと不快な乗り味になったり、跳ねたり踏ん張りが効かなくなって走りにくくなるポイントがあります。その不快になる境目を感じたら、ひとつ手前に戻したところが、ベストなセッテイングとなります。
基本的にはフロントは少し柔らかめだとコーナーでも踏ん張れるようになり、リヤは少し硬めだとテールが滑らかで左右に出やすくなるとされていて、この方向性は頭に入れておくと良いでしょう。
なおフロントに関しては、走りに合わせてどれぐらいサスペンションを使っているかを確認する方法があります。
それは、フロントフォークが伸び縮みするメッキ部分にリングを付けておくこと。バイク用品店で売られている専用のリングか結束バンドで、サスペンションの沈み具合を確認してみてください。
街乗りでは、だいたい6割ぐらいまで沈み込んでいると、サスペンションの性能の引き出し具合としてベストとされています。