バイクはオービスに引っかかる?引っかからない?実態はいかに!

バイクはクルマと違って、オービスには引っかからない...... そんな噂を聞いたことがある人も少なからずいるでしょう。はたして、本当にバイクがオービスに引っかかることはないのでしょうか。また、引っかからないとしたらどのような理由で引っかからないのでしょうか。警視庁交通相談コーナーの担当者に確認してみました。

バイクはオービスに引っかからない?その理由とは

 オービスは正式名称を速度違反自動取締装置といい、赤外線やレーザーなどを使って車両の速度を計測し、違反をしている車両を撮影する装置です。一般的に、幹線道路や高速道路などをはじめとした、速度違反が多発する箇所に設置されています。

オービスの正式名称を速度違反自動取締装置といい、赤外線やレーザーなどを使って車両の速度を計測します
オービスの正式名称を速度違反自動取締装置といい、赤外線やレーザーなどを使って車両の速度を計測します

 ライダーの中には、夜中に走行していて、目に入った光がオービスのものなのではないかと焦った経験がある人もいるかもしれません。

 バイクはオービスに引っかからないという噂がありますが、実態はどうなのでしょうか。警視庁の交通相談コーナーの担当者は、次のように話します。

「オービスによる取締りは撮影した画像に写るナンバーや運転手の顔をもとに違反者を特定し、本人に後日連絡する仕組みなので、現行犯逮捕ではありません。バイクの場合は車両の前方にナンバーがなく、運転手の顔もヘルメットで隠れてしまっており本人の特定が困難なので、オービスだけでは取り締まれません」

 たしかに、オービスで撮影された時に顔が写っていなければ、自分が運転していたわけではないと言い逃れることも可能なように思えます。

速度違反の罰則は超過した速度によって異なる
速度違反の罰則は超過した速度によって異なる

 ただし、取り締まられないからといって違反が許されるわけではありません。速度違反の罰則は超過した速度によって異なりますが、一般道のオービスが作動すると言われている30km/h以上の超過の場合、6点の違反点数とそれに伴う30日間の免許停止処分に加えて、6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金が科されます。また、重大な違反のため刑事責任が追及され、前科が残ります。

オービスに引っかからないからといって、油断していいわけではない

 また、速度違反の取り締まりは、オービスだけでおこなっているわけではありません。

 速度違反をしてしまうと、白バイやパトカーによる追跡や、ねずみ取りと称される定置式速度取り締まりによって捕まえられてしまう可能性は十分にあります。加えて、オービスもバイクに対して全く無力というわけではないのです。

速度違反の取り締まりは、オービスだけでおこなっているわけではない
速度違反の取り締まりは、オービスだけでおこなっているわけではない

 オービス単体でのバイクの取り締まりは難しいものの、撮影された画像をもとに張り込みなどの捜査をおこない、悪質なライダーを逮捕した実例があります。

 実際に、 2012年には大阪でオービスに向かいVサインをとるなど、速度違反をしながら挑発的ともとれる行動をした男性が待ち伏せ捜査によって摘発されています。

 このように、オービスはバイクを現行犯で逮捕することはできないものの、撮影した画像は、悪質なライダーを取り締まる上での重要な手掛かりとなっています。違反行為は、社会的にも非常に問題があることを忘れずに、常に法令遵守の行動を心がけるようにしましょう。

※ ※ ※

 バイクの前方にはナンバーがついておらず、ヘルメットを被っていることもあり、速度超過のバイクをオービスで取り締まることは難しいです。しかし、ねずみ取りや白バイによる追尾によって取り締まられる可能性は十分にあります。また、オービスに写った画像を手掛かりにした張り込みもあるため、ライダーはオービスをあなどってはいけないと言えるでしょう。

【画像】道路に設置されているオービスを画像で見る

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