CBR×アンダーボーン!! ホンダ「Winner-X150」は街中をサイコーに楽しくしてくれる!
バイク館が新車販売するホンダ「Winner-X150」に試乗しました。スクーターのようなスーパースポーツのような不思議なスタイリングとシャープな走りは、国内モデルにはない楽しさに溢れていました!
フレンドリーな印象のアンダーボーンフレーム
ホンダ「Winner-X150」はベトナムホンダが生産するスポーツモデルです。「スポーツモデル」と聞くと「?」と思われる方もいるかもしれません。たしかに、一見するとスクーターのようなスタイリング。
それもそのはず、Winner-X150はホンダ「スーパーカブ」シリーズや多くのスクーターモデルなどに使われる「アンダーボーンフレーム」を採用していているのです。そのため、スクーターのように見えるのですが……。

よく見てみると、スクーターのようなステップボードはなく、通常のバイクと同じステップバーが装備されています。
そしてチェンジペダルが装備され、左ハンドルにはクラッチレバーもあります。さらにサイドカウルからは、チラリとDOHCエンジンのヘッドカバーが顔を覗かせています。
そう、Winner-X150に搭載されているのは、CBR150Rと同系の水冷4ストロークDOHC単気筒エンジンと6速リターン式マニュアルミッション。前後17インチホイールや前後ディスクブレーキも装備された、れっきとしたスポーツモデルなのです。

装備も充実! 快速シティコミューター
実際にフロントマスクはエッジが効いたデザインで、ヘッドライトやウインカーなど、灯火類はすべてLEDを採用。最新のスーパースポーツを思わせます。
さらに17インチキャストホイールや車体前面の大型ラジエターなど、細かく見れば見ていくほど、このモデルがスポーツバイクであることが良く分かるのです。
しかし、それでいてタンデムも快適にこなせるダブルシートやUSB電源、センタースタンドなど、実用性や利便性に優れた装備が充実している点も見逃せません。Winner-X150はたしかにスポーツモデルなのですが、同時に優れたシティコミューターでもあるのです。
スポーツ性と相反する特性が、この小さな車体でみごとに両立していることに感心してしまいます。

キビキビ曲がって、加速も気持ちいい
跨ってみます。シート高は795mmと最近のバイクの中では低めの設定で、車体がスリムなこともあって足つきは良好です。ただ、せっかくのアンダーボーンフレームですが、両足の間にエンジンとフレームがあるため、スクーターのようにシート前側から足を通して跨がれないのは少し残念。通常のバイクのように、足を上げて跨ります。
ライディングポジションはスクーターやスーパーカブのように、上体が起き上がったごく自然なもの。スポーティーなポジションを予想していただけに、ちょっと拍子抜けです。しかし、それもエンジンをかけるまで! セルボタンを押すと同時に元気の良いサウンドが響き渡ります。
いざ走り出すと、サウンドのイメージそのままのパフォーマンス! 先ほどは「またがり方が残念」と書きましたが、反面、フレームが上部までしっかりあることで剛性が取れていて、走りの良さにつながっていることが分かります。
今回は教習所で試乗したため、そこまでスピードは出せなかったのですが、急加速やコーナーリングでの安定感は素晴らしいもの。特にDOHC4バルブエンジンの瞬発力は特筆すべき点で、教習所の短い直線でも力一杯加速していきました!

それでいてエンジン自体は9000rpmで最高出力16.2PSを発揮する高回転型。単気筒のトルクを活かすのも良いですが、低めのギアでぐんぐん引っ張っていくのも面白い。いやぁ~、実に面白いバイクなのです。
エンジンはパワフルですが、そうは言っても149.1cc。車体も軽いため(乾燥重量122kg)、まさに自由自在に走り回れます。コーナリングが本当に楽しいのです。
通勤や通学など街中がメインだけど、ちょっとスポーティに走りたい……そんな人におすすめできる1台です!
Writer: 佐賀山敏行
カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。