クルマ感覚でイジってみたらビックリ!バイクいじりとクルマいじりの決定的な違いとは?
クルマとバイクはサイズ感などが違っても、メカ的な構造は同じように思えます。しかし同じ感覚でいじってみると、実際には意外な発見が多々あります。そこで、クルマをメンテしてきた目線から、バイクメンテをした際に驚いたことをレポートします!
ブレーキフルードが抜けない
クルマとバイクはサイズこそ違っても、メカ的な構造は同様と思い、同じ感覚でバイクいじりに挑戦すると、実際には意外な発見が多々あります。
そこで、クルマをメンテしてきた目線から、バイクメンテに挑戦した際に驚いた私的ポイントをご紹介します。

ひとつ目に驚いたポイントは、ブレーキフルード。
ただフルードを入れ替えるだけなら、キャリパーに付いているニップルを緩めて、ブレーキレバーやペダルを作動させつつ、リザーバータンクに新品を足していけば問題なく交換は可能です。
しかし、問題はキャリパーをオーバーホールした際に、イチからフルードを送り込まなくてはならない場合。
クルマならエア抜きが大変ではあるものの、タンクから各車輪に送り込まれていきます。その感覚でバイクのフルードもやってみると、まったく送り込まれません。
内部のピストンにグリースを塗りすぎたのかと組み直してもダメで、いろいろと調べてみると、レバーを握るだけではストロークが足りない為、キャリパー側から吸ってやるのが正解でした。
どうりで注射器みたいな形状のフルード交換ツールが売っているのだと納得しつつも、ガックリでした。
キャリパーにダストシールが付いていない
キャリパーの揉み出しというのは、バイクメンテの定番です。しかしクルマばかり整備してきた私は当初、なぜこのようなことをするのか意味がわかりませんでした。
なぜならクルマでは必要ではない作業な上に、オーバーホールも今では10万kmぐらいごとなので、それまではフルードの漏れを確認する程度です。そのため、バイクのキャリパーに揉み出しが必要な理由が、ダストがピストンに入り込むのを防ぐダストブーツが付いていない事で動きが渋くなるからというのは予想外でした。
オーバーホールも頻繁ではないにしても、定期的に必要な点もクルマと違うところです。

バイクのブレーキディスクがステンレス製というのも、驚いたポイントです。
クルマの場合、チューニング要素も関係してきますが、パッドだけでなくディスクの素材も重要です。
ある程度、パッドを組み込ませることで効きをよくするのですが、そのためには鉄製になるのが当然だというのがクルマ的基準。しかし、バイクのディスクを交換しようとして部品を手配したところ、ステンレス製とあってビックリ。硬いのでパッドとの間に摩擦を発生しにくいように思いますが、そもそもステンレスを前提として開発していれば、効きには問題ないのでしょう。
ステンレス製が主流となっている理由は、サビると格好悪いというもので、バイクのディスクは外観を構成する要素にもなっているため、妙に納得してしまいます。
タイヤがフロント用とリア用に分かれている
前後のタイヤが別々に設定されていることが多いというのも、クルマではありえないこと。前後輪で指定が違っていたとしても、それはあくまでサイズ違いです。
つまり簡単に言ってしまうと、サイズが合えば前後どちらに付けてもOKという認識だっただけに、バイクではサイズが同じでも前後に指定があるという点は、想像の斜め上をいっており、驚きでした。

また、電流もクルマは交流で発電し、それを直流に整流して使っていて、これはバイクも同じです。
その為にバッテリーにはプラスとマイナス端子があるのですが、スクーターを中心とした実用バイクでは、一部の電装品では交流のまま使用されている点が私にとっては常識外でした。
ホンダ「モンキー」のヘッドライトをLED化しようとした際に、「交直両用です」という表記があって不思議に思った際にこの事実に気付いたのですが、それでも意味はわかりませんでした。
その理由は、コストや電装系の簡易化などとの事ですが、クルマではありえないだけに今でも釈然としません。
ちなみにアイドリングで光がチラチラとしているのが、交流の印です。
フューエルコックがなくなっていた
バイクの燃料タンクの下に付いていて、ガソリンが流れをオフにしたりガス欠防止のためのリザーブモードに切り替えをするための物がフューエルコック。
メンテナンスでタンクを外す際に重宝する装備でしたが、これが最近のモデルには見当たりません。普段は無くても問題はありませんが、前述のとおりメンテナンスでタンクを外したら、ガソリンがダダ漏れになるだろうと思いきや、配管を切り離すだけで漏れてこなくなるように進化している点には驚きました。
燃料計が付いているので、リザーブモードが不要となったという理由にも納得です。