日本は16歳から取得できるけど…海外だとバイク免許は何歳から取得可能?
日本の場合、普通二輪免許は16歳から取得することができます。では海外のバイク免許取得年齢の事情は、どのようになっているのでしょうか。
海外ではバイク免許は何歳から取得できるの?
バイクに乗りたいと思ってもなかなか乗れないという声はよく耳にします。金銭面や家族の反対など、努力次第で打開できそうな困難もあれば、どう頑張っても超えることのできない壁もあります。その代表例が、運転免許の年齢制限でしょう。

バイクやクルマの運転免許を取得するには年齢制限をクリアする必要があります。国によって制限は異なるようですが、世界各国のバイク免許は何歳から取得できるのでしょうか。
日本のバイク免許は法律で細かく分けられており、全部で7種類あります。免許の種類によって運転できる車種や通行できる道路、取得できる年齢が異なります。
50㏄以下のバイクを運転できる「原動機付自転車免許」、いわゆる「原付免許」は16歳から取得可能です。筆記試験に合格すれば1日で免許が交付されるので、手軽に取れるのが魅力といえます。ただし、2人乗りや自動車専用道路の走行はできません。また、二段階右折の義務や30kmの速度制限があります。

同じく16歳で取得できるのが、125㏄以下の「小型限定普通二輪免許」と、400㏄以下の「普通二輪免許」です。小型限定免許は、通勤、通学で人気の原付二種に乗れるので取得する人が増えています。ただし、小型限定免許で自動車専用道路を走行することはできません。免許取得から1年が経過すれば、どちらも一般道での2人乗りが可能です。
さらに、400㏄を超える大型バイクに乗るには「大型二輪免許」が必要で、取得できる年齢は18歳からです。以前は難関の一発試験のみでしたが、近年は教習所で免許が取得できるようになったので、昔よりも大排気量モデルに乗るライダーが多くなりました。
このほか原付以外の免許には、それぞれ「AT(オートマチック)限定免許」があります。これは、クラッチ操作のいらないスクーターを中心としたバイクに限り運転できる免許のこと。クラッチ操作の有無以外は、通常の免許と変わりはありません。
このように、日本のバイク免許は排気量ごとに区分されており、取得できる年齢も16歳と18歳に分けられているのが特徴です。

一方、ヨーロッパのバイク免許はEU規格の免許になっており、EU加盟国ですべて統一されています。排気量だけでなく定格出力(馬力)でも区分されているため、日本の免許制度よりも複雑です。
50㏄以下のバイクが乗れる「AM免許」は、日本と同じく16歳から取得できます。日本でいうところの原付免許に相当し、最高速度が45km/h以下のバイクであることが条件です。
また、17歳から取得できるのが「A1免許」です。125㏄までで、定格出力が11kW以下(15馬力)という制限があります。日本でいう小型限定免許に相当しますが、A1免許のほうが定格出力の規制が緩いのが特徴です。
さらに、19歳から取得できるのが「A2免許」で、排気量に制限はなく、定格出力を35kW以下(47.6馬力)以下に抑えたバイクであれば運転できます。このA2免許の馬力の制限をなくし、すべて無制限にしたのが「A免許」で、24歳以上またはA2免許で2年のライディング経験があることが取得の条件です。
このように排気量だけでなく馬力で区分されているので、日本よりもややこしくなっています。また、区分ごとに取得できる年齢もバラバラなのが特徴です。こう見ると、小型免許で技術を覚えステップアップしながら免許が取れるようになっていて、とても理にかなった免許制度といえるかもしれません。

これに対し、ビッグバイクの本場であるアメリカのバイク免許制度は非常にシンプルです。150㏄以下限定の「M2免許」と、排気量制限なしの「M1免許」の2つだけで、どちらも16歳から取得できます。ただし、アメリカは州によって制度が異なるため、14歳から取得できる州もあります。
免許証の交付もシンプルです。まず、講習と実技を受けて仮免許を取得します。その後、免許をもっている家族や知人などに付き添ってもらい路上で練習したあと、日本でいうところの一発試験を受けて交付という流れです。日本と同じように教習所のようなシステムがあり、3日ほどで取れるうえ、費用も3万円程度と非常にリーズナブルに取得できます。
アメリカの運転免許が取りやすい理由には、地理的な事情が大きいといわれています。アメリカは、日本と比較にならないほどの広い国土を有しており、そのうち公共の交通機関に恵まれているのは、ニューヨークやサンフランシスコなどの一部の大都市にすぎません。運転免許がないと生活がままならないため、免許取得のハードルを下げているようです。

また、バイク王国といわれるタイでは、15歳から取得可能で排気量の制限がありません。なお、免許の区分はこの一つのみで、筆記と実技の試験をパスすれば即日で交付されます。さらに、費用は日本円で3千円程度と信じられない安さで免許を取ることができるから驚きです。しかも、タイで取得した免許は、ASEAN協定に加盟しているすべての国で使用できます。
日本人の感覚からすると、その日のうちに免許がもらえて大型バイクを運転できるというのは考えられないことかもしれません。免許取得の手軽さから、いかにバイクがタイの人々の生活に欠かせない移動手段であるかがよくわかります。
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ほとんどの国でバイクの免許は16歳から取得できるので、年齢制限に関しては日本と海外で大きな差はないといえます。ただし、地理的な事情やその国の人々の暮らしぶりによって、免許の取りやすさに大きな違いがあるようです。免許取得のハードルが低すぎると事故を招きやすいので、日本の免許制度ぐらいが丁度よいのかもしれません。