見えた! バイクの希望ナンバー 制度対応の新様式 2023年8月下旬に決定!
国土交通省自動車局は、バイクの希望ナンバー制度の検討に着手しました。関係者を集めた第1回ワーキンググループ(WG)では2023年度の検討スケジュールが示されました。年度内に導入のための報告書を取りまとめ、2024年度からは希望ナンバー交付に向けた準備に入る予定です。また、2023年8月下旬に開催を予定する第2回WGでは、対応するナンバープレートの新しい様式が発表されそうです。
ライダーを対象に、需要量調査を実施
希望ナンバーの対象となるバイクは、2022年3月末日で軽二輪車(排気量126~250cc)約205万台、小型二輪車(251cc~)では約180万台の届出があります。

バイクのナンバーは、所在地を示す地域名、数字の分類番号、ひらがな、4桁の指定番号から構成され、使える文字は、小型二輪(251cc~)では「C」「L」「V」の英文字3種類と、ひらがな36種類、軽二輪(排気量126~250cc)はひらがな39種類だけの組み合わせで作られ、申請の受付順にナンバープレートは払い出されます。
きっかけは、このナンバーが足りなくなる可能性があり、これまでの様式を変更して、新しいナンバーを作る必要性に迫られたからです。
新たにナンバーを増やすには、分類番号やひらながなどを増やし、ナンバープレートの新しい様式を作ることですが、せっかく様式を新しくするのであれば、この設定を希望ナンバー制の導入を前提として考えることで、特定の数字に希望者が殺到しても「長期にわたる安定的な希望ナンバー制度の運用」に耐えられる制度にすれば、ピンチをさらにチャンスに変えることができるというわけです。
乗用車などの登録車の希望ナンバー制は1999年からスタートしましたが、バイクの希望ナンバー制が出遅れた理由は、ここにあったというわけです。
ただ一方で、様式を変えることは、多くの文字を盛り込むことになるので、文字間がせまくなり視認性が悪くなります。バイクのナンバープレートの大きさは縦12.5cm×横23cm。乗用車(16.5cm×33cm)に対してかなり小さいので、文字の誤認を避けることに、より注意が必要です。視認性を確保するためにプレートを大きくすると、車体に取り付ける場合に影響が出ます。
そのためワーキンググループ(WG)の最初の課題は、バランスをとりながら新しい様式を決めることです。すでに第1回のWGでは、その方策案が示され、第2回で新しい様式を決定することになりました。案では、新たに0~9の数字10文字を使用可能にすること、小型二輪車では「C」「L」「V」以外の英文字10種類を使うことことなどが提案されています。
2023年8月下旬に予定されている第2回WGは、このほかにも、希望ナンバーの募集方法や、希望ナンバープレートの頒布料金の検討にも着手します。また、秋にはライダーが、どんな数字を希望するのかなど、希望ナンバーの需要量調査を実施します。
WGの検討は2023年度中に全4回。2024年3月に報告書を作成して終了します。バイクには四輪車の先例もあり、一気に進みそうな気配ですが、四輪車の希望ナンバー制は導入方針が決定してから2年後を目指しましたが、全国導入は3年後でした。
当時は無かった半導体不足などで、ナンバープレートを製作するプレス機などの工作機の供給が不安定なことが不安材料です。実現までの目安は「やはり2~3年後の実現になりそう」と、関係者は話します。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。