バイクにレクサスのホーンを装着したい! ホーンについての保安基準とは

一部でバイクにクルマ用のホーンをつけて迫力のある音を出すカスタムが流行しているようですが、そのようなカスタムは違反には該当しないのでしょうか。

クルマのホーンをつけても違反にはならない!ただしつけられるかは別の問題

 多くの場合、バイク用のホーンはクルマ用に比べて、音の迫力が劣ります。そのため、自分のバイクのホーンでは物足りないという人も居ると思います。

 では、バイクのホーンをクルマ用に交換する事はできるのでしょうか。

ほとんどのバイクには、シングルホーンが採用されている
ほとんどのバイクには、シングルホーンが採用されている

 バイクにクルマ用のホーンを付ける場合、大きく分けてふたつの課題があります。

 ひとつ目は法律の問題で、バイクやクルマなどの車両の保安基準は道路運送車両法に細かく定められており、その基準を逸脱した部品を取り付けると不正改造となってしまいます。万が一不正改造とみなされると整備命令を受けることになり、その整備命令を無視した場合は50万円以下の罰金が科せられます。

 そしてふたつ目は、ホーンの構造。クルマ用とバイク用ホーンの形状があまりに違いすぎると、取り付けることは困難です。さらに、バイクにクルマ用のホーンを取り付けると、音が大きくなり過ぎてしまうという懸念もあります。

バイクとクルマ、ホーンについての保安基準の違いとは

 では、ホーンの保安基準について、道路運送車両法ではどのように定められているのでしょうか。

 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示には、いくつかの細則が書かれていますが、そのほとんどは牽引される自動車を除くすべての自動車を対象にしており、バイクとクルマで基準に差はありません。ただし次に示す項目のみ、バイクについて特別に定められており、この部分がクルマとバイクの違いとなります。

「警音器の音の大きさ(2以上の警音器が連動して音を発する場合は、その和)は、自動車の前方7mの位置において112dB以下87dB以上(動力が7kW以下の二輪自動車に備える警音器にあっては、112dB以下83dB以上)」

 つまり、動力が7kW以下のバイクに限っては、それ以外のクルマやバイクより最低音量が小さく設定されていますが、最大音量については全ての自動車で一律のため、クルマ用の車検対応ホーンをバイク用に付けても、音が大きすぎて不正改造に該当するという事はありません。

ダブルホーンはふたつのホーンによる和音で重厚感のある音を出すことが特長
ダブルホーンはふたつのホーンによる和音で重厚感のある音を出すことが特長

 法律上は、クルマ用のホーンをバイクに取り付けても問題がないことが分かりました。では、クルマ用のホーンをバイクに装着することはできるのでしょうか。

 バイクが搭載しているバッテリーは多くの場合、クルマ用のものと比べるとどうしても小さいものになってしまいます。そのため、バイク用はクルマ用のホーンに比べて消費電力が少ない仕様となっていることがほとんど。

 そんなバイクにクルマ用のホーンを取り付けてしまうと、電力不足で音が鳴らなかったり、一度に大きな電流が流れてヒューズが飛んでしまったりする恐れがあります。

 大型バイクなど、クルマ並みの大容量バッテリーを搭載しているバイクであれば、問題なくクルマ用ホーンを使用することもできるようですが、中型以下のバイクでクルマ用のホーンを使うためには、リレーを入れるなどして配線に工夫をする必要があるようです。

 なお、現状のバイクのホーンの音量に不満がある場合は、シングルホーンという種類のホーンが使われていることがほとんど。同じバイク用でもダブルホーンに変更することで、かなり迫力のある音に変わります。

 文字通りひとつしかホーンがついていないシングルホーンに対して、ダブルホーンはふたつのホーンによる和音で重厚感のある音を出すことが特長。

 無理にクルマ用ホーンに変更しなくても、シングルホーンからダブルホーンに変更することで十分迫力のあるホーン音を楽しむことができるので、選択肢のひとつとして覚えておくと良いでしょう。

【画像】バイクのホーンをクルマ用に変更する際の注意点を画像で見る

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