バイクのヘルメットの色によって事故率が変わるって本当?
事故から身を守るにあたっては、自分が安全運転を心がけるのと同じくらい、他車から気づいてもらえるよう心がけることが大事です。例えば、夜間に暗い服装だと危険だと一般的に言われますが、服装の違いによって事故率はどのように変わるのでしょうか。
ヘルメットはやはり明るい色の方が良い!ウェアはリフレクター付きのものがベスト
バイクはクルマと比べて、事故を起こしてしまった際のリスクは格段に大きくなります。そのためライダーにはヘルメットはもちろんのこと、グローブやプロテクターの着用が推奨されています。

しかしそれらの工夫と同じように、事故を未然に防ぐ工夫も大切であることを忘れてはいけません。その工夫のひとつに、他車からの視認性を向上させるというものがあります。
一般論として、明るい色の方が視認性が良く、暗い色のほうが視認されにくいということはよく知られています。そのためバイクに明るい色の服装で乗っていれば他のドライバーに見逃されにくくなるでしょう。また、バイクのウェアに限らず、子どもの服を選ぶ際に視認性の良い蛍光色を選ぶ保護者も一定数存在します。子どもの頃、夜間に暗い服装で出歩くことのないよう言いつけられた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、暗い色の服と比べて明るい色の服の方がどれだけ安全か、根拠をもって答えられる人は そう多くないかもしれません。実際、明るい色のヘルメットやウェアを身につけていると、どれだけ安全なのでしょうか。

ニュージーランドのオークランド地方のライダーを対象にした調査によると、黒いヘルメットを着用していた人に比べて白いヘルメットを着用していた人の方が24%ほど事故のリスクが低かったという調査結果が出ています。また、明るい色と暗い色で比べた場合、明るい色の方が19%リスクが低かったそうです。
また、ウェアについては明るい色かどうかというより、リフレクターや蛍光素材を使用しているかが事故率と大きく関係するという結果が出ています。実際、リフレクターや蛍光素材を使ったウェアを着用していると、これらの装備がない場合と比べて37%も事故のリスクが軽減されています。
このように、着用するヘルメットの色や、ウェアのリフレクターの有無を工夫することで、他車からの視認性を向上させ、事故のリスクを低減させることが可能です。
自身が安全な運転を心がけるだけでなく、他車に視認してもらいやすいよう工夫することで事故を減らすという考えは、ヘッドライトの昼間点灯の義務化にも現れています。先ほどの調査によると、昼間にヘッドライトを点灯していた場合のリスクは、点灯していなかった場合に比べて27%低かったようです。

ヘッドライトの昼間点灯義務化は1998年4月以降に生産されたバイクが対象のため、これより前に生産されたバイクに乗っている人の中には昼間にライトをオフにしている人もいるかもしれません。しかし事故のリスクを考えると、言うまでもなく昼間もしっかり点灯したほうが良いでしょう。
※ ※ ※
ヘルメットの色や、ウェアの反射材の有無を考慮し、他車からの視認性を向上させることで、事故に巻き込まれてしまうリスクを減らすことができます。ヘッドライトの昼間点灯を含め、他車から自分が視認しやすいかどうかを気にすることは重要だと言えるでしょう。