R1の性能を引き出した特別なモデル

　ヤマハはサーキット専用モデル「YZF-R1 GYTR PRO 25th Anniversary Limited Edition」を欧州市場で発表しました。

　ヤマハが海外で展開するGYTR（Genuine Yamaha Technology Racing／ヤマハ純正テクノロジー・レーシング）は、レースやパフォーマンスに対して熱心なユーザーのために開発されたアクセサリーで、ロードからダート、トラックからトレイルと幅広いジャンルに向けた製品がラインナップされています。

YZF-R1誕生25周年記念モデルとして登場したYZF-R1 GYTR PRO 25th Anniversary Limited Editionは、スーパーバイク世界選手権（WSBK）および世界耐久選手権（EWC）のレースプログラム用に開発されたGYTR PROパフォーマンスパーツを組み込んだ車両で、2021年のWSBKで優勝したR1 WorldSBKマシンの開発を担当したヤマハモーター・リサーチ＆デベロップメント・ヨーロッパ（YMRE）のエンジニアによって開発されたものです。

　同車両では、低重心化された燃料タンクとマグネティ・マレリECUを搭載するために設計された、軽量で超強力なカーボンフレームリアエンド、オーリンズ製FGRフロントフォークとTTXリヤショック（空気圧式プリロード付）、ヤマハのWorldSBKレースプログラム専用に開発されたアンダードライブスイングアなどを搭載。

　超高強度・軽量なカーボン製フェアリング、ブレンボ製ブレーキコンポーネントなどのほか、YMREがWorldSBKとFIM耐久世界選手権で開発した最先端のエンジン制御とデータ収集パッケージであるGYTR PROエレクトロニック・システム（GPES）モジュールも搭載されています。

　すべて手作業で製作され、25台限定で販売されるYZF-R1 GYTR PROについて、ヤマハモーターヨーロッパ ロードレーシングマネージャーのアンドレア・ドソーリ氏、ヤマハモーターヨーロッパ社長兼CEOのエリック・ド・セインズ氏は次のようにコメントしています。

■ヤマハモーターヨーロッパ ロードレーシングマネージャー／アンドレア・ドソーリ氏
「私たちは、スーパーバイク世界選手権や耐久世界選手権のレースプログラムと並行してGYTR PROパフォーマンスパーツを開発し、お客様に真にユニークなレベルのパフォーマンスを体験していただく機会を提供してきました。

　R1の誕生25周年を記念して、最高のパフォーマンスを求めるすべてのヤマハユーザーのために、マシン、GYTR PROパフォーマンスパーツのフルラインナップ、GYTRプロショップの知識と経験を結集し、既成概念にとらわれないソリューションを提供します。R1 GYTR PRO 25th Anniversary Editionは、WorldSBKやEWCでヤマハと契約しなくても、ヤマハの世界選手権用レーシングバイクの仕様に限りなく近い、ユニークなバイクを楽しむことができるのです」。

■ヤマハモーターヨーロッパ社長兼CEO／エリック・ド・セインズ：
「GYTR PROシリーズの発売は、ヤマハモーターヨーロッパの社員全員にとって、誇りに満ちた瞬間です。WorldSBKとEWCのレースプログラムとのコラボレーションによって開発された技術を、お客様に提供できるようになりました。WorldSBKのレースエンジニアによって開発され、プロライダーによってテストされたGYTR PROシリーズは、レースで開発されたテクノロジーをお客様に提供する上で、可能性の頂点を示すものです。

　また、ムジェロでのヤマハ・レーシング・エクスペリエンスでは、R1生誕25周年を記念したコンプリート・パッケージを発表することができました。R1 GYTR PRO 25th Anniversary Editionの各マシンは、GYTR PROショップの経験豊富なテクニシャンによって、GYTR PROのパフォーマンスパーツをフル装備して手作業で製作されます。これは、プロのレーサー以外にはほとんど経験できないプロセスです」。