法律的にはOK? バイクをクルマに付けたヒッチメンバーなどで牽引して運ぶ行為

後方に自転車を付けて運んでいるクルマを目にしたことがある人もいるでしょう。あれは「ヒッチメンバー」というパーツをクルマに取り付けることでトレーラーを装着し、牽引している形です。この運び方に、何か規定はないのでしょうか。

バイクをヒッチメンバーにくっつけてクルマ移動!これってアリ?

昨今のアウトドアブームの高まりによって、「ヒッチメンバー」を取り付けているクルマを目にする機会が増えました。

 ヒッチメンバーはクルマのリヤにトレーラーを繋げるためのパーツで、これを取り付けることによってサイズが大きくて車内に積むことができない荷物や、車内に入りきらない荷物を運べるようになります。また、汚れた荷物も車外に積めるので、車内が汚れる心配もありません。

 さらにヒッチメンバーはクルマのリアフレームに取り付けられている場合が多いため、ルーフに積載するよりも強度がはるかに高く、得られる安心感も違います。加えて低い位置にあるので比較的、積み下ろしが楽にできるのもメリットのひとつです。

 そんないい事づくしのようなヒッチメンバーですが、クルマに付けてバイクを運ぶ場合に、何か決まりはあるのでしょうか。

バイクをクルマで牽引する際は道路交通法や運送車両法に基づいて積載しなければならない
バイクをクルマで牽引する際は道路交通法や運送車両法に基づいて積載しなければならない

 警視庁交通相談コーナーの担当者は、次のように話します。

「クルマに載せる荷物のはみ出しは、車体の端から前後それぞれ全長の0.1倍ずつまでと定められており、それを越えたり、荷物でナンバーが隠れてしまったりすると違反となってしまいます」

 つまりクルマのヒッチキャリアにバイクを積むこと自体は特に違法ではありませんが、道路交通法や運送車両法に基づいて積載しなければならないという訳。

 道路交通法施行令第22条では、積載物が車体の前後からクルマの全長の10%、そして車体の左右からクルマの全幅の10%を超えないよう定められています。したがって、バイクをクルマで牽引する場合は、車体の大きさに応じて数値は変わるものの、前述の規定内に収まるようにしなければなりません。

バイクをクルマで牽引して運ぶ際はブレーキランプなどの灯火類やナンバープレートが荷物で隠れないようにする
バイクをクルマで牽引して運ぶ際はブレーキランプなどの灯火類やナンバープレートが荷物で隠れないようにする

 さらに同第55条で、ブレーキランプなどの灯火類やナンバープレートが荷物で隠れないようにすることも明記されています。

 バイクは比較的大きな荷物となるため、クルマの灯火類やナンバープレートを隠してしまう可能性大。見えなくなってしまったときの対策として、ウインカーなどの灯火類は移設キットを使ってヒッチキャリアに取り付ける方法がありますが、ナンバープレートの場合はそう簡単にはいきません。

 ちなみにナンバープレートは、1mの高さおよび20m離れた位置から、左右それぞれ15度および30度の角度からはっきり見えるようにしておく必要があります。しかし、ナンバープレートの位置は変えることができないため、ヒッチキャリアにバイクを積載する際は積み方を工夫するしかなさそうです。

 なお、平成28年4月からナンバープレートの表示義務が明確化されており、ナンバープレートを視認できない状態でクルマを走行させた場合は、道路運送車両法第19条の規定に基づき「番号表示義務違反」に該当。違反点数2点と50万円の罰金が科せられます。

 また、規定を上回る大きさの荷物をのせてクルマを走行させた場合は、「積載物大きさ制限超過」に該当し、普通車は違反点数1点と反則金7000円が科せれる事もあるようです。

【画像】クルマにヒッチメンバーを取り付けてバイクを運ぶ際の規定を画像で見る

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