手動と自動で大きく変わる!? バイクのアイドリングストップ機能
バイクにおけるアイドリングストップにはどのような効果が期待できるのでしょうか。また、アイドリングストップ機能を使って自動でアイドリングを停止する場合と、機能をオフにして自らでエンジンを止めるのでは、効果に差はあるのでしょうか。
燃費向上だけじゃない!アイドリングストップの効果とは?
クルマに乗っている人にとっては身近なアイドリングストップ機能ですが、近年バイクにも普及し始めています。
初めてアイドリングストップ機能が採用されたバイクは、1999年にホンダから発売された「ジョルノクレア デラックス」でした。また、現在はホンダとヤマハ、スズキがラインナップするスクーターの一部に採用されており、代表例としてホンダ「PCX」やヤマハ「NMAX」が挙げられます。
なお、カワサキのバイクには、まだアイドリングストップ機能は採用されていません。クルマではかなり普及しているアイドリングストップ機能ですが、バイクにおいてはどのようなメリットがあるのでしょうか。

バイクのアイドリングストップはクルマと同様に、燃費性能の向上を目的として採用されています。
ホンダによるとアイドリングストップ機能をオンにした場合、オフと比べてガソリンの消費を7%削減することが可能。特にストップ・アンド・ゴーの多い市街地で運転をする際は、信号で停車している時間が長いため、アイドリングストップの恩恵を受けやすくなります。
また、クルマと比べてうるさいと言われがちなバイクのアイドリング音は近所迷惑になってしまうことも多く、アイドリングストップ機能は騒音の防止にも貢献しています。
さらに、あまり知られていない効果としては、エンジンのオーバーヒートを防ぐことにも期待大。特に熱を持ちやすい大排気量モデルの場合、走行風がない停車時にエンジンが過熱してしまうことも多いため、アイドリングストップ機能がついていないバイクでも、停車中には手動でエンジンを止めるという人も多いのではないでしょうか。
手動でアイドリングストップを行う際は気をつけて!
アイドリングストップ機能がついていないバイクでも、信号待ちなど一定時間停車をする際に、手動でエンジンを切っている人を見かけた事がある人もいるでしょう。
そこで気になるのが、アイドリングストップ機能を使用する際と、自らエンジンを切る場合のメリットの違い。結論から言うと、停車中はエンジンを停止させ、ガソリンの消費を抑えるという点は、どちらの場合も変わりはありません。
しかし、自動でおこなう場合と手動の場合は方法が異なるため、誤った方法でおこなってしまうと事故を招いてしまうこともあるので注意が必要です。

まず、手動でアイドリングストップをする際に考えられる方法はキーをオフにするか、キルスイッチでエンジンのみを停止するかの2種類です。
キルスイッチでエンジンのみを止めた場合は自動のアイドリングストップと同じ状態になりますが、キーをオフにした場合は灯火類も全て消えてしまいます。特に夜間に路上でキーをオフにしてしまうと後続車から視認されにくく、追突の危険性が増してしまうため、キーをオフにする方法でのアイドリングストップは避けるべきと言えるでしょう。
なお、自動のアイドリングストップ機能は暖気後に作動するようになっています。これはマフラーの触媒が暖気後でなければ十分に機能せず、始動時に環境に悪い排気ガスを排出してしまう為。
自動でアイドリングストップをおこなう場合はセンサーが触媒の温度を感知してくれますが、手動でアイドリングストップをおこなう場合は暖気が完了したかどうかを判断するのは難しく、暖気前にアイドリングストップをしてしまうと、余計に環境に負荷がかかってしまう可能性もあり得ます。
また、自動でアイドリングストップをする際はエンジンの再始動も自動でおこなってくれますが、手動でエンジンを止めた際は自分でエンジンを再始動することが必須。エンジンの再始動を忘れて発進でもたついてしまうことのないよう注意しましょう。