インディアン「スポーツチーフ」で、キング・オブ・ザ・バガー気分が味わえる!?

米国の老舗バイクブランド「Indian Motorcycle(インディアン・モーターサイクル)」の大型ハイパフォーマンスクルーザー「Sport Chief(スポーツチーフ)」に試乗しました。新時代の「チーフ」シリーズの一員は、どのような特徴があるのでしょうか。

初代「チーフ」の登場は1921年

 現在の「Indian Motorcycle(インディアン・モーターサイクル)」(以下、インディアン)のラインナップには20台以上が並んでいて、日本の公式サイトではそれらを、小型軽量化に配慮した「スカウト」、フラットトラックレーサーの技術を転用した「FTR」、ベーシックモデルと言うべき「クルーザー」、パニアケースを装備する「バガー」、ロングランの快適性に特化した「ツーリング」、メーカーメイドのカスタムである「エリート」、という6つのジャンルに分類しています。

インディアン「Sport Chief」に試乗する筆者(中村友彦)
インディアン「Sport Chief」に試乗する筆者(中村友彦)

 ここで紹介する「Sport Chief(スポーツチーフ)」はクルーザーに属するモデルですが、車名が示す通り、既存の「チーフ」シリーズとは一線を画する運動性能を備えています。

 本題に入る前に、「チーフ」シリーズの歴史をざっくり振り返っておくと、1921年から発売が始まった初代は、以後の約30年に渡って旗艦を務めることになりました。そして1990年代末に同社が最初の復活を遂げた際も、2011年にポラリスインダストリーズが経営権を取得したときも、インディアンの主力機種は「チーフ」シリーズだったのです。

 もっとも昨今では、より高価で豪華なモデルとして「ロードマスター」や「チャンレンジャー」などが登場していますが、「チーフ」シリーズを抜きにして、インディアンの歴史を語ることはできないでしょう。

 そんな「チーフ」シリーズは、2022年型で大幅刷新を受けています。具体的には、2014年型以降の特徴だったハイドロフォーミング製法のアルミフレームを捨て、各部にラグを用いたシンプルで流麗なスチールフレームを導入し、サンダーストロークという名称の空冷VツインOHV2バルブは排気量を1811ccから1890ccに拡大しました。

 また、あえてシングルからツイン化したリアショックや、右2本出しマフラー、大胆にショート化した前後フェンダーなども、新世代の「チーフ」シリーズの特徴です。

運動性能の向上を意識した、装備と数値

 2022年から始まった新世代は、当初は「チーフダークホース」、「チーフボバーダークホース」、「スーパーチーフリミテッド」の3機種でしたが、2023年からは独創的な造形のクォーターカウルを装備する「スポーツチーフ」が加わりました。このモデルで注目すべき要素は、KYB製φ43mm倒立フォーク、他機種よりストロークが25mm長いリザーブタンク付きのFOX製リアショック、ブレンボ製のラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、29度/132mmから28度/111mmに変更されたキャスター角/トレールなどで、これらはいずれも運動性能の向上を意識した装備・数値です。

インディアン「Sport Chief」
インディアン「Sport Chief」

 もっとも、世の中にはこの種のモデルが運動性能を高めることに対して、疑問や違和感を抱く人もいるでしょう。とはいえ近年の大排気量クルーザーの世界ではスポーツライディングへの関心が高まっていて、アフターマーケット市場では速さに磨きをかけるチューニングパーツが数多く販売されていますし、アメリカではパニアケースを装備したクルーザーが激戦を繰り広げるレース「King of the Baggers(キング・オブ・ザ・バガー)」は絶大な人気を獲得しています。

 ちおなみに、インディアンがこのレースに投入しているワークスレーサーは、水冷VツインOHC4バルブの「チャレンジャー」がベースですが、おそらく「スポーツチーフ」には、同社がレースで培ったノウハウが投入されているのではないか……と、私(筆者:中村友彦)は思います。

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