「折りたたみ自転車」はどうして生まれた? 旅先での行動の自由を広げてくれる便利なカタチ

さまざまなシーンで利用される自転車は、その形状や特徴など多種多様です。そんな中から、コンパクトにまとまることで保管や持ち運びに便利な「折りたたみ自転車」に注目します。

いろんなところに運んで、気ままにサイクリング

 街を走る、山を走る、海辺を走る、雪道を走るなど、さまざまな場所で利用することを目的に、多彩な形状に枝分かれして進化を遂げてきた自転車ですが、中でも自転車の取り回しの良さをさらに発展させ、持ち運んで移動した先で乗ることを目指したタイプが「折りたたみ自転車」です。

その名の通りコンパクトに出来る「折りたたみ自転車」の歴史は、意外と古い
その名の通りコンパクトに出来る「折りたたみ自転車」の歴史は、意外と古い

 一言で「折りたたみ自転車」と言っても、シンプルな設計からチャレンジングで発想豊かな機構を備えたものまで、さまざまなタイプが存在します。細かく見るとそれぞれに個性があって一括りにすることは難しいのですが、大きく分けると「折りたたむ際に工具が必要」か、「必要としない」かに分かれるかと思います。一般的には工具を必要としない構造を「折りたたみ自転車」と呼び、工具が必要とされる構造は「分割式自転車」などと呼ばれることが多いようです。

 自転車の歴史が200年と言われる中で、折りたたみ自転車の歴史は意外と古く、1890年代にはすでに実用化されていたそうです。現在まで続く自転車の原型と言われているジョン・ケンプ・スターレーが開発した「ローバー安全型自転車」の登場が1885年、世界的なタイヤメーカーの創設者として知られるジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを実用化したのが1888年なので、折りたたみ自転車がいかに早い段階から利用されていたのかが分かります。

 折りたたみ自転車が必要とされ、その後大きく発展していった背景には戦争が大きく影響しています。コンピューターが戦時中の暗号解読やミサイルの弾道計算のために発展したように、折りたたみ自転車も軍事利用を目的に進化しました。

 歩兵よりも荷物を運べて徒歩よりも早く移動でき、保管や輸送で場所を取らない折りたたみ自転車は軍事面で大きく注目され、第1次、第2次世界大戦などで実戦投入されました。

 空挺部隊で使用された例もあり、パラシュートを背負った兵士が腹側に折りたたみ自転車を装着して航空機から降下。着陸地点で折りたたみ自転車を展開し、素早く移動する、という運用がされていたそうです。

 ちなみに、第2次大戦以降は折りたたみ自転車を含む自転車の軍事利用は表舞台から姿を消しましたが、近年になって電動アシスト自転車(e-Bike)が進化してきたことで、残念ながら再び注目を集めています。

 話を戻し、その魅力については何と言っても「コンパクトにできること」です。折りたたんだ状態なら収納場所も小さくて済むので、駐輪場の無い集合住宅などでも自宅の玄関などに保管することも可能でしょう。

 そして、クルマや電車で運んで移動先でサイクリングを楽しむことができます。旅行を計画する際、頭を悩ませることのひとつが旅先での移動手段ですが、折りたたみ自転車を持って行けば、バスやタクシーなどの交通機関に縛られることなく、自分の好きなところに足を運ぶことができます。

 折りたたみ自転車はフレームなどを折りたたむという仕様上、市場に出回っている中で低価格帯の一部には安全性が保障されていないような商品も存在するので、購入の際は注意が必要です。信頼性の高いブランドや、ある程度の価格帯を見て選ぶことをオススメします。

 平和な時代に気ままにサイクリングできることを喜びつつ、旅先での自由を満喫してみるのはいかがでしょうか。

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