「競輪」の基礎知識 戦後復興の象徴から現代のエンターテインメントへ
女子競輪の世界を舞台にしたTVアニメ『リンカイ!』の放送を間近に控え、にわかに競輪が盛り上がりを見せています。存在を知っている人は多くても、実際に競輪場に足を運んだり、レースを観戦したことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。知っているようで知らない、競輪の基礎知識を紹介します。
日本独自のスポーツから世界へ
競輪は、複数の選手がバンクと呼ばれる斜面を持つ特別なトラックで競い合う、日本独自の自転車競技であり、その歴史は1948年にまで遡ります。戦後の復興期において公営競技としての位置づけで、国の復興財源の一環として創設されました。その発祥は、福岡県小倉市(現在の北九州市)にある小倉競輪場での開催が最初であるとされています。
競輪の創設は、日本の復興を目指す政策の一環として、財政資金の確保を目的としていました。そのため、競輪は公営ギャンブルの一形態として、競輪場でのレースに賭けることが可能です。このシステムは、国や自治体の収入を支える重要な要素となっており、とくに地方自治体においては重要な財源となっています。
戦後の厳しい時期に生まれた競輪は、日本の経済的な復興だけでなく、スポーツとしても大きな発展を遂げました。今日においても、競輪は多くの人々に愛され続けており、日本独特の文化としての価値を持ち続けています。競輪の魅力は、その歴史や文化だけでなく、スピード感あふれるレースと、それを取り巻く熱いファンの存在にもあります。
競輪のルールは、元来、ヨーロッパで行なわれていたトラックレースをベースにしていますが、日本独自の要素が加えられています。選手はスタートからゴールまでの間、互いの位置を競い合いながら、最終的にスプリントで勝敗が決まります。この競技は、単なる速さだけでなく、戦略やチームワークが重要な要素となっています。
日本における競輪選手は、厳しい試験と訓練を経て選ばれ、競輪学校と呼ばれる特別な学校での教育を受けます。ここでは、自転車競技の技術だけでなく、スポーツマンシップやルールの知識など、競輪選手としての資質が育成されます。卒業後、公式な競輪選手としてデビューし、全国の競輪場で活躍する道が開かれます。
競輪は日本国内での人気だけでなく「ケイリン」としてオリンピック種目にもなっており、日本発祥の競技として世界的にも認知されています。
現在、オンラインでの賭けやライブ中継の普及により、世界中のファンが日本の競輪を楽しむことができるようになりました。競輪は日本のスポーツ文化の一部として、その地位を不動のものとしているのです。