カワサキ「Z2」再生 旧車ならでは「ポイント点火」をメンテナンス 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.3

点火タイミングを目視確認できるのがタイミングライト(点火ストロボ)です。乾電池電源で作動するタイプと、バッテリーの12V電源で作動するタイプの2種類がありますが、バイクユースの場合は、乾電池電源仕様が圧倒的に使い勝手が良いと言えます
グリス固着していなかったが、油分が全くないので、少量のグリスアップを行いました。パーツクリーナーで軸芯を洗浄してからウエスで拭き取ります。フリーになったガバナーウエイトを動かして、スムーズに作動することも指先で確認しましょう
ポイントカムの作動摺動部分=アドパンサー本体の軸芯部分にグリスアップします。ベットリと塗り過ぎてはいけません。ごく少量のグリスを摺動部とグリス溜まりの溝に塗りました。ここでは水に溶けにくいシリコン系グリスを利用してみました
元通りに復元したら、ポイント調整を行います。ポイントカム山のてっぺんに、ポイントヒールが乗り上げたとき、接点のギャップをシックネスゲージで0.4mmに調整します。2個のポイントギャップを調整したら、サブベースで点火時期の調整に入ります
経験者なら目視調整も可能ですが(ポイント接点が開いた瞬間に点火のFマーク刻線が固定側の刻線を通過するように調整)、微調整はタイミングライトで行うのが確実です。アイドリング調整を終えたら、エンジン回転を高め、アドパンサー機能を確認します
エンジン右側のクランクシャフトカバー(DOHCマーク入り)内部にスパークアドバンサーとポイントベースが組み込まれています。クランクシャフトの位置決めピン穴にアドパンサーを固定して、ポイントベースは、クランクケース側に締め付け固定されています
写真の上下にある可動部分がウエイトで、エンジン回転の上昇に従いピンを支点にウエイトが開き、軸芯に差し込まれているポイントカムを回転移動させて点火タイミングを制御しています。機械式ガバナーは、想定通りに作動して、本来のエンジン性能を発揮します。サビや汚れでポイントカムが固着していたり、スプリングが折れてしまうと、本来の性能を発揮できません
DOHC鋳込みマークのカバーを外すとポイントベースが見えます。3本のパンスクリューで固定されているので、スクリューを取り外すとベースは簡単に取り外せます。ポイント下の筒型部品は、コンデンサと呼ばれる部品で、この部品の役割も大変大きいです
スパークアドバンサー軸芯の締め付けボルトを抜き取ると、アドパンサー本体が取り外せます。中央の部品がクランクシャフトの右端になります。オイルシールがダメージを受けると、このポイント室内にオイルが流れ出ますが、今回は大丈夫でした
アドパンサー本体からポイントカムの筒を抜き取る際には、セットされた向きに注意しましょう。逆さ組すると、1/4番と2/3番の刻線が逆になってしまいます。このポイントカム筒がスムーズに動くように、数年に1度は、分解洗浄とグリスアップが必要です

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