スーパーカブC100「鉄カブ」なら可能な板金修理に挑戦!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.23

フロントサスペンションと板金の鉄フォークの隙間からタイヤレバーを差し込み、グイッとこじることで、凹みを裏側から押し出すことができれればいいなぁ、と考えましたが、果たして、いかがなもでしょう……?
そんなに簡単ではありませんでした。いわゆる「そうは問屋が卸しません」といった感じです。サスペンションサイドをテコの支点にタイヤレバーでこじってみましたが、凹みはまったく出てくる様子がありません
鉄フロントフォークの内側に組み込まれているのがサスペンションユニット。このリンク形状を最初に考えた人はすごいですよね~。停車時にブレーキレバーを握るとギッタンバッコンしますが、走り出すとしっかり挙動を受け止めて機能してくれます
凹んでしまった鉄フォークは、袋とじ板金部品なので、その構造を理解した板金修理に取り掛かります。ここで準備した道具がM10サイズのボルト×ナットでした。凹んだ部分の大きさによってボルトサイズは変更できますが、M8以下では弱くてダメです
ナットの厚さ分だけ動く板金ストロークなので、袋とじ構造の内幅よりもわずかに短いサイズのボルトを見つけて作業開始です。ある程度押し出せたら、ボルト交換するのがベストです。やや長めのナットがあれば、押し出しストロークの調整が、長い分だけ楽になりますね
手元にあったボルトの長さが鉄フォークの袋とじの内幅よりもわずかに短かったので、そのボルトにナットを取り付けて、内幅よりも僅かに短くセットした状態で凹んだ部分にセットしました。まずは指先でナットを緩めて板金に突き当てます
17ミリのオープンエンドレンチ(スパナ)を2本用意して、ボルトの頭とナットにセットしてゆっくりナットを緩めていきます。ナットが滑るときにはナット側スパナを固定して、ボルトの頭をゆっくり緩め方向に回してみます
この「ボルトジャッキ作戦」によって、凹んだ部分の板金を徐々に内側から押し出すことができました。理想的には、標準位置よりも板金を押し出し、次に当て金と板金ハンマーで叩くことで、より理想的な板金仕上げを行いたいものですが……
あと少し長いボルトがあれば、それを使ってもう少し押し出すこともできましたが、ボルトが無かったので今回はここまで。ザザッと削れた箒状の線は残っていますが、凹んでいた部分は9割がた押し出すことができました
サンディング用硬質スポンジブロックにサンドペーパーの240番を巻き付け、押し出した板金患部を擦って平らに磨きます。その後、320番、400番、600番と進めて仕上がりを平らかつ滑らかにしていきました
もう少し頑張ってボルトジャッキ板金を行うことで、間違いなくもっともっと仕上がりは良くなっていたと思いますが……。それでも当初の凹みと比べれば、かなり元通りに使づいていると思います。そのうち何とかすることにしましょう
以前、ドリーム商會さんで作っていただいたタッチアップ用の塗料を利用しました。ちゃんと仕上げれば、美しい仕上がりになると思います。しっかり仕上げたいのなら、足付けしてエアーブラシや小型ガンで吹き付けタッチアップすれば良いと思います
ここでは筆入れによるタッチアップを行い、キレイに仕上がり過ぎないように、全体的なバランスを考えました。ペイントを小受けする容器として使い易いのが、ペットボトルや栄養ドリンクのフタです。想像以上に使いやすいです。
ノンレストアで決して美しくはない60年越えのスーパーカブC100なので、板金補修部分は、筆入れタッチアップで色味を合わせました。乾燥したらサンディングブロックで平滑にして、再びタッチアップを繰り返すことで、仕上がりは良くなるはずです
1962年型のスーパーカブは今年62歳。同い年だと考えれば、足腰は弱くなるし、転んだ時には怪我しますよね~。そんな1962年型C100を元気良く走らせ「俺が先か、お前が先か……」なんて思いながら、メンテナンスして楽しんでいます
車両購入前からあった古傷とでも言うのでしょうか……。他には目立つキズが無いので、どのような経緯でフロントフォーク左下が凹んだのかわかりません。この凹みだけは板金修理してあげたいと、購入時から思ってます
手元にあったボルトの長さが鉄フォークの袋とじの内幅よりもわずかに短かったので、そのボルトにナットを取り付けて、内幅よりも僅かに短くセットした状態で凹んだ部分にセットしました。まずは指先でナットを緩めて板金に突き当てます
もう少し頑張ってボルトジャッキ板金を行うことで、間違いなくもっともっと仕上がりは良くなっていたと思いますが……。それでも当初の凹みと比べれば、かなり元通りに使づいていると思います。そのうち何とかすることにしましょう

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