スーパーカブC100「鉄カブ」なら可能な板金修理に挑戦!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.23
自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、同い年の1962年型スーパーカブC100と暮らしています。今でこそキャブ時代のスーパーカブは「鉄カブ」と呼ばれていますが、その元祖モデルがスーパーカブC100シリーズでもあります。鉄カブにありがちな転倒による凹=へこみを、DIYで板金で修理してみました。
鉄カブだから可能な修理方法なのか!?
パイプフレームの上からプラスチック製外装カバーで覆われているのが、現代版スーパーカブの車体構造になります。そのような仕様ではなく、鋼板プレスフレームと鋼板プレスフロントフォーク&リヤフォーク(スイングアーム)で車体を構成していたのが、往年のスーパーカブの姿です。
立体商標登録のエンブレムを貼った最終型リトルカブが、往年のデザイン=最後の「鉄カブ」だと思いますが、その登場からでもすでに10年が経過しました。鉄カブと呼ばれるモデルが旧車扱いされるようになって久しいですが、最後まで生産されたスーパーカブやリトルカブの鉄フレームは、1971年に発売されたスーパーカブ・デラックスシリーズが、そのルーツ的モデルに当たります。

50ccエンジンモデルの場合は、スーパーカブC100が登場した1958年から、スーパーカブC50シリーズ(オッパイカブ、行燈カブなど)、その後のスタンダードシリーズまでは、別体タンクの鋼板プレスフレームを持ち、1971年に登場した豪華版のデラックスシリーズでは、鋼板プレスフレームながら、モナカ合わせのフレーム内部にガソリンタンクを持つ、インナータンク仕様に変更されました。デラックスシリーズは「かもめカブ」の愛称で親しまれてますが、国内では1979年頃まで販売され、その後は、フレームのステアリングヘッドパイプの位置を高くして、ハンドルをフラット形状に戻したシリーズとなり、継続生産され続けました。
そんな当時のモデルは、すべて鋼板プレスフレーム仕様で、今では「鉄カブ」と呼ばれ、て旧車の仲間入りをしているモデルです。
ボルト×ナットをジャッキ代わりに利用
自分のスーパーカブC100ですが、購入当初から気になっていたのがフロントフォークの凹みでした。

転倒したのか? それとも衝突されたのか? まったく不明ですが、フロントフォークの左下に凹みがあります。

その他に、大きな外傷はありませんでしたので、この凹みだけは、直しておきたいと思いました。そこで辿り着いたのが、簡単な「ボルトジャッキ作戦」です。
正直申せば、あと5ミリほど長いボルトがあれば(長いボルトを切って作れば良かったのですが……)、もう少しいい感じに修理できたと思います。それはまた今後の楽しみとして取っておこうと思います。

小学生の時に、初めて自分で運転したバイクがスーパーカブ(父親所有のC100)でした。この同い年生まれのスーパーカブは、自分にとっては大切なバイクかつ特別なバイクなので、これからも末永く「遊んでもらおう」と思っています。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。















