交通信号機 左から「青色、黄色、赤色」の配列や順番の理由、緑なのになぜ「青」という?

日本では横型の信号機の場合、いずれも左から青、黄、赤の順になっています。縦型は上から赤、黄、青の配列。この配列や点灯の順番は、何が根拠になっているのでしょうか。

赤信号が、広い範囲から確認できるよう法令で決まってる

 日本の信号機の色配列は、道路交通法施行令3条で左から青、黄、赤の順となるよう定められています。縦型の場合は、上から赤、黄、青の順です。また歩行者用信号は上が赤、下が青です。

日本の信号機(ヨコ型)

 これは、ドライバーや歩行者にとって重要となる赤を、より広い範囲から確認できるよう道路の中央部や高い位置などに配置し、視認性を高める狙いがあります。

 たとえば、街路樹の枝葉が伸びて信号機の左端が見えにくい状態になっても、右端にある赤は確認できるから、という理由です。このため、日本のように左側通行の国では横型の信号機は右端が赤になりますが、アメリカなど右側通行の国では、反対に左端が赤になります。

 また、点灯順も決められています。連続して作動させる場合は青、黄、赤の順番で繰り返すように、歩行者用も、青の点灯から青の点滅、そして赤の順です。

日本の信号機(青色矢印)

 なお、指定方向に通行できる「青色矢印」の表示も、横型の場合は左折が青の直下に、直進が黄、右折が赤の直下に設置するよう定めています。縦型の場合は、それぞれの色の真横に設置することになっています。

緑色の信号は、なぜ「青」信号と呼ばれる?

 信号機の青、黄、赤の意味は世界共通です。このため、海外で運転する際も戸惑うことはないでしょう。

海外(アメリカ)の信号機

 照明や灯火に関する国際基準を作成している「CIE(国際照明委員会)」が、信号機の色を赤、緑、黄、白、青の5色と規定し、交通信号機には赤、緑、黄を割り当てました。青と白は航空機用の信号などに割り当てられています。

 日本をはじめとする各国はこの規定に従っており、赤は「止まれ」、緑は「進んでも良い」という意味は各国共通です。

 そしてその緑色ですが、日本では「青信号」と呼ばれています。信号機の色を定めた道路交通法施行令にも「青」と記述されています。

 日本では1930年、東京の日比谷交差点に、初めて信号機が設置されました。当時は米国製の縦型でした。法令上も「緑」となっていましたが、その後、新聞が「青」と表現したため、それが広まったという説があります。また「青リンゴ」や「青汁」のように、日本では昔から緑のものを青と呼ぶ慣習から、青信号と呼ばれるようになった、などの説もあります。

 結果的に青信号という呼び方が一般に定着し、1947年には、法令上でも「青色」に変更されることになりました。

【了】

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