昭和時代にみんな乗っていた懐かしのレトロ自転車 第2弾
世界には100以上の自転車メーカーが存在するといわれ、昨今も自転車ブームとともに新たなメーカーが次々に登場しています。そんな中、100年以上の歴史がある老舗自転車メーカーも少なくなく、懐かしのレトロ自転車から最新のロードバイクまで多くの自転車を世に送り出しています。
団塊世代に絶大な人気だった老舗自転車メーカー
自転車の歴史は古く、1817年にドイツで考案されたと言われています。はじめはペダルやブレーキなどはなく、木製の2輪にまたがり自分の足で地面を蹴って進むといったスタイルでした。
現在の自転車は、安全型自転車と呼ばれるタイプが原型となっており、前後のタイヤが同じ大きさでスピードが出にくく、転倒によるケガが少ないことから、現在のように日常生活にも取り入れられるようになりました。
日本が誇る自転車の老舗メーカーといえばミヤタではないでしょうか。1890年に設立され、国産安全型自転車の第1号車を発明し、今年で130周年を迎えます。
1981年のツールドフランスにおいては、日本製のロードフレームとして初めての区間優勝を成し遂げ、同年にはスポーツ車の入門として「カリフォルニアロード」を一般向けに発売しました。また、グッドデザイン賞を11年連続受賞するなど、性能だけではなくデザインにも力を入れています。
そんなミヤタの昭和を代表するレトロ自転車といえば「スーパーサリー」でしょう。ブレーキにはオイルディスクブレーキを装備し、ギアチェンジにはフロントフリーホイーリングシステムを採用。また、車輪が回転しているだけで、ギアチェンジが可能となっています。さらに、スーパーカーを彷彿とさせる4灯のリトラクタダブルヘッドライトは乾電池式となっており、外側はロービーム、内側はハイビームの「スーパーカーライト」と命名されました。
スーパーカー自転車がブームになるにつれて、ヘッドライトも進化を遂げた結果、WハロゲンXライトや、バネ仕掛けで隠れていたライトがスイッチで飛び出るオープンビームシステムなども登場しています。
こうした華やかな装備品をふんだんに採用したため、車体総重量が20kgを超え、実用性が低い割に価格は高騰していったため、現在のようなシンプルで実用性重視の自転車が主流となっています。
また一方で、ミヤタと同じく昭和を代表する老舗メーカーといえばフジでしょう。1899年に設立され、120年の歴史を持った日本発祥のメーカーです。現在はアメリカのアドバンス・スポーツのブランドとなっています。
フジは、テールライトやウインカーに電装部品を採用した「富士フラッシャーシリーズ」を販売したことで知られており、その背景には「子どもたちにも手軽にスポーツ車に乗ってもらいたい」といった願いが込められています。
また、高性能ICフラッシャーを搭載したジェットファイヤーは、後方を走る自転車にアピールできるカスタムとして爆発的な人気を誇りました。
会社設立以来、日本で長年親しまれてきたフジですが、1970年代には海外進出をしており、アメリカのロードレーサー達から高い評価を獲得しました。当時フジの自転車を愛用していたチームは、アメリカで最速とまで呼ばれるようになり、自転車専門誌のチームオブザイヤーを4年連続受賞することとなります。
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自転車の原型は変わらないものの、デザインや機能性は年々進化し続けています。100年以上の歴史がある老舗メーカーであっても、その時代に合わせた自転車の開発に積極的に力を入れているのです。
しかし、レトロ自転車やヴィンテージ自転車の魅力にハマっている人が多いのも現状で、今でも市場に出回ると高値で売買されているそうです。
今、私たちが乗っているおしゃれな自転車も、いつかはレトロ自転車とよばれる日が来るのかもしれません。