自転車に関わる資格「自転車安全整備士」と「自転車技士」とは?

自転車の整備や修理に関わる資格として、代表的なものに「自転車安全整備士」と「自転車技士」の2つがあります。いずれも自転車に関わる豊富な知識と正確な整備技術、2年以上の実務経験が必要になる民間資格です。

自転車を取り扱うプロなら、取得しておきたい2つの資格

 自転車の整備や修理に関わる資格として、代表的なものに「自転車安全整備士」と「自転車技士」の2つがあります。いずれも自転車に関わる豊富な知識と正確な整備技術、2年以上の実務経験が必要になる民間資格です。

自転車の整備や修理に関わる資格として、代表的なものに「自転車安全整備士」と「自転車技士」の2つがある
自転車の整備や修理に関わる資格として、代表的なものに「自転車安全整備士」と「自転車技士」の2つがある

 生活の一部になっている自転車は、必要な工具と知識があれば自分でメンテナンスできるのも魅力のひとつです。自分の愛車の整備や修理、カスタムを楽しむ人も多いと思います。とくに資格を持っていない人が整備・修理しても違反などにはなりません。

 実際のところ、自転車の販売・修理を職業にしようと思った場合でも、必要な資格はありません。つまり、誰でも思い立った時に自転車店を開業することができます。ただ、自転車は一般的な製品と異なり、完成状態ではなく組み立て前や、半分組みあがった状態で出荷されることが多く、販売店で組み上げる必要があります。

 そこではもちろん、安心・安全に乗り続けるために確実な技術と知識が必要になります。そういった自転車の販売・修理に関わる人たちの技術向上と、より安心・安全な自転車とそれに関わるルールを普及させるために誕生したのが「自転車安全整備士」と「自転車技士」という資格です。

 似たような名前の資格ですが、どちらが上といった優劣があるわけではなく、資格の目的に違いがあります。

「自転車安全整備士」は、「公益財団法人 日本交通管理技術協会」が実施している資格制度で、自転車の整備技術に加えて交通安全指導も行なう、自転車が社会のなかで安全に走ることに関わる資格です。この資格を持った人が在籍する店には「自転車安全整備店」の看板が掲げられていることが多いです。

 一方の「自転車技士」は、「一般財団法人 日本車両検査協会(VIA)」が認定する、機械としての自転車についてより深い知識や整備技術が必要になる資格です。

 どちらの資格も取得試験を受けるには、18歳以上で2年以上の実務経験が条件です。試験のタイミングは通常年に1回、ダブル取得を目指す人が多く、共通する部分も多いので試験は同日に行なわれています。

 試験の内容は、25分で自転車を分解し、80分で自転車を組み上げる実技試験と、自転車に関するあらゆる知識が求められる筆記試験、そして「自転車安全整備士」は自転車の安全利用の普及といった使命もあるので、面接試験も追加されます。

 とくに実技試験は、どうにか時間内に組み上げても、その後の試験官のチェックで必須項目に不備があったり、未完成と判断されると一発でアウトになるシビアな内容になっています。

 自転車に関する確かな技術と知識が求められる「自転車安全整備士」と「自転車技士」という2つの資格。もし自転車の購入や修理の店選びに迷っている時は、ひとつの判断基準にしても良いでしょう。

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