空っぽじゃなくても油断大敵!? 少し残っていてもバイクがガス欠になる理由とは

ガス欠とは一般的に、「走行中にガソリンなどの燃料が切れて、エンジンが停止すること」をさします。そのため、燃料タンクからガソリンがすべて無くならないように給油を心掛けている人が多いと思います。しかし、実は少しガソリンが残っている状態でもガス欠になることも。一体なぜなのでしょうか。

バイクには使い切れないガソリンがある?

 ガス欠は、主にタンク内のガソリンが足りなくなって起こる車両トラブルのひとつです。しかしバイクの場合、ガソリンが少し残っていてもガス欠の症状が出るケースがあるのですが、一体なぜなのでしょうか。

ガス欠でバイクを押すのは大変なのでガソリン残量には要注意
ガス欠でバイクを押すのは大変なのでガソリン残量には要注意

 ガス欠の要因はいくつかありますが、特に多いのはガソリンタンクの形や燃料ポンプ、ガソリンホースの取り付け位置が原因となる場合。例えば、ガソリンタンクは上から見ると水滴のような形をしています。しかし、取り外して裏側から見てみると、その形はかなり違うことがわかります。

 実は、タンクの中心部分は大きくせり上がった構造になっており、これは多くのバイクはフレームの上にガソリンタンクを乗せることから、タンクの中心部分をへこませて、ガソリンタンクはフレームに跨らせるような形で取り付けられているためです。

 もちろん、全てのバイクに当てはまるわけではありません。一部のスーパースポーツバイクやツアラーは、ガソリンタンクの位置がシート下になっている場合もありますが、タイプとしては少数派。つまり、大半のバイクのガソリンタンクの下部を断面図にすると、アルファベットのダブリュー「W」のように真ん中が高く、左右が深くなっている構造をしているというわけです。

バイクのタンク形状は様々な種類がある
バイクのタンク形状は様々な種類がある

 タンクの中心部分がせり上がっているということは、当然、燃料が減っていくとガソリンが左右に分割されることになり、そしてタンク内の左右の溝のように深くなっている場所に、最後にガソリンが残ります。この際に、燃料が最後に溜まる場所に燃料ポンプやホースが取り付けられていれば、ガソリンを最後まで使い切ることができるでしょう。

 しかし、燃料ポンプやガソリンホースが、タンクのもっとも下になる場所に付いていないことで、燃料が少しだけ残ってしまうというわけです。その他にも、負圧コックを利用して燃料供給をしている場合、負圧が不足したことが原因でガソリンがうまく送られず、ガス欠になってしまうケースもあります。その場合は、コックを交換するか、キャブレターなどを調整することで、ある程度の対応が可能。

 このように、バイクはガソリンが残っていても全て使い切れず、ガス欠になってしまうことがあります。そうならない為にも、まずは自分が乗っているバイクのガソリンタンクがどんな構造をしているか、把握しておくと良いでしょう。

 もしも運転中にガス欠が起きてしまったら、焦らずに安全な場所にバイクを止め、タンク内にガソリンがあるのか、リザーブコックがついているモデルであれば燃料コックの位置がどうなっているかを確認してください。もし「ON」であれば「RES」にすればリザーブタンクに切り替えができ、エンジンがかかるはずです。

 しかし、燃料はあるに越したことはありません。ガス欠の可能性を少しでも減らすためにも、常日頃から車両を点検し、長距離走行をする前は、必ず給油することがオススメです。

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