ドラマで松田優作が乗ったベスパに近い「プリマベーラS150」 走りや装備は現代的!
スタイリッシュなイタリアンスクーターブランド「ベスパ」は、走り出せばいつもの見慣れた景色が彩り豊かになります。伝統的なスタイルがやっぱり好き、そんな人に合いそうなモデルが「プリマベーラ S 150 ABS」です。
ファッションにも気を遣いたくなる
ベスパがオシャレで可愛いのはわかっているけれど、1970年代のテレビドラマ『探偵物語』で、俳優の松田優作が演じた“工藤ちゃん”の愛車みたいのが欲しいんだよなぁ……と、スマートに洗練された現代版のベスパを見て、そう思う人は少なくないはずです。
しかし伝統の「Primavera(プリマベーラ)」シリーズは、限りなく当時のイメージに近いフォルムのまま作られ続けているのをご存知でしょうか?
伝統のスチール製モノコックボディを継承し、前輪懸架も昔と変わらぬ片持ちリンクアーム。映画『ローマの休日』で見たように、どことなくエレガントで上質なのは、ベスパならではの世界観が今も昔もあるからではないでしょうか。
スポーティな印象の特別仕様車「Primavera S 150」は、トラディショナルな5本スポークをデザインエッセンスとした前後12インチのアロイホイールでしょう。グレーのメタリック塗装をベースに、ダイアモンドカットをリムに施した手の込んだ仕上がりで、足もとを引き締めています。
そんなエレガントなスタイルを、クロームメッキのレッグシールドモールや専用のグレーステッチブラックシートが一層際立たせ、さらにフロントフェンダーの上にサラリと飾られたクレストも誇らしげです。
筆者はライディングウェアで乗りましたが、どうせなら工藤ちゃんのようにオシャレにも気を遣いたいところ。走り出すと、見慣れた日常もいつも以上に彩り鮮やかに感じるのでした。
欧州で鍛え抜かれた実力の持ち主!
決してスタイルだけを楽しむのではないことが、走行するとわかります。排気量155ccの4ストローク空冷単気筒SOHC3バルブエンジンはスタートダッシュも軽快で、クルマの流れを余裕をもってリードできます。
軽二輪登録ですから高速道路を走ることもできます。その巡航性能は侮れません。さすがはイタリアンスクーターといったところでしょうか。欧州の流れの速い幹線道路で鍛え上げられ、石畳の道も難なく走るよう、サスペンションも踏ん張りが効くものです。
ヘッドライトやテールランプは高輝度LED式で、フロントブレーキはABS付き。盗難防止用イモビライザーを搭載し、グローブボックス内にはスマートフォンなどの電子機器の充電に便利なUSB給電ポートも設置され、装備は現代的で不足はありません。
昔ながらのスタイルでクオリティをさらに上げ、走りや機能性は現代に通用するもの。便利なスクーター生活をはじめようと考えている人にとっては見逃せない1台になりそう! メーカー希望小売価格(税込)は49万6800円です。
【了】
Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。