「スーパーカブ」を「もっと自由に、自分らしく」 ホンダが放ったキットパーツ「スチューデント」とは?

2017年に世界累計生産台数1億台に到達したホンダ「スーパーカブ」は、日本を代表するバイクとして世界中のユーザーから愛されています。そんなスーパーカブにはかつて後付のカスタムキットが用意されていました。

軽快さとシンプルさを追求したスーパーカブ用キット・パーツ「スチューデント」

 1959年に米国でHonda 50(国内のモデル名:スーパーカブC100)の販売を開始したホンダは、1962年には2人乗りが可能なロングシートやタンデムステップを装備したCA100の販売を開始します。

「スチューデント」キットを組み込んだホンダ「C105」

 1963年に『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA=ホンダに乗ると素晴しい人びとに会える』と『THE NICEST THINGS HAPPEN ON A HONDA=ホンダに乗ると素晴しいことが起きる』のヘッドコピーで知られる 「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」を展開したホンダは、北米市場で着々とその地位を確立していきます。
 
 しかし、発売から7年、改良せずに販売を続けていたCA100の売れ行きが落ち始めてしまいます。そこでホンダは「もっと自由に、自分らしく乗りたい」という人に向けたカスタムキットパーツ「ロードスター」「ラリー」「ボス」「スチューデント」の4種類を発売します。

 その中のひとつである「スチューデント」は、ウイングマークが装着されたレッグカバー(センターカバー)を特徴とするもので、エンジンシリンダーカバーや専用サイドカバーなどで構成されています。

「スチューデント」キットを組み込んだホンダ「C105」(左)と「ロードスター」キットを組み込んだホンダCA102(右)

 また、「ロードスター」「ラリー」などに比べ、軽快さとシンプルさを追求した「スチューデント」は、1993年にホンダの子会社「ホンダアクセス」が販売したキットパーツ「Cubra(カブラ)」へも影響を与えたとされています。
 
 現状、ホンダからはこうしたキット・パーツは販売されていませんが、根強い人気をもつカブ・シリーズだけに、純正キット・パーツの登場に期待したいところです。

【了】

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