知っておいて損はない バイクの正しい受け身の方法とは

寒さも厳しくなってくるこれからの季節は、路面凍結による転倒事故の可能性が高くなります。実際に転倒してしまった際の正しい受け身として、どういった方法が挙げられるのでしょうか。

バイクで転んだ際の正しい受け身の取り方・対処法とは

 寒さも厳しくなってくるこれからの季節は、路面凍結による転倒事故の可能性 が高くなります。実際に転倒してしまった際の正しい受け身とは、どういった方法が挙げられるのでしょうか。

 ライダーであれば、転倒した経験があるという人は少なくないかもしれません。周りをボディに覆われているクルマとは異なり、転倒時の衝撃を身体にまともに受けるため、骨折などの大きなケガにつながる可能性があります。

HMS(Hondaモーターサイクリスト スクール)では、講習前に受け身の練習を行います
HMS(Hondaモーターサイクリスト スクール)では、講習前に受け身の練習を行います

 転倒のパターンは、事故などによるものから道路状況によるスリップ、立ちゴケまでさまざまな原因が考えられます。そんな時に、しっかりと受け身を取ることができれば、ケガなどを最小限に抑えることができるため、覚えておいて損はありません。

 警視庁の過去5年間の統計では、二輪車乗車中の死亡事故の原因となった損傷主部位は、全体に占める割合で頭部が約5割、胸部が約3割、腹部が約1割で、この3か所が大部分を占めています。

 このことから、バイクで転倒した時は、頭部・胸部・腹部を優先的に守るように受け身を取ることが大切だといえます。また、道路上で転倒すると、はじめに固いアスファルトに身体の一部を打ちつけてしまいます。このとき、身体のどの部分が衝撃を受けるかで、体へのダメージの具合が大きく変わります。

 走行時の速度や転び方にもよりますが、手やひじ、ひざが真っ先にアスファルトにつく場合が多く、この動作がクッションのような役割となり、頭部や胸部、腹部などの致命傷となる部位を、アスファルトからの衝撃を軽減できるといえます。つまり、頭部・胸部・腹部の衝撃をやわらげるためには、転倒時には手やひじ、ひざで衝撃を吸収して受け身を取ることが大切だといえそうです。

 しかし、転倒するときは、とっさに受け身をとることはなかなか難しいことです。そのため、バイクは転倒する可能性がある乗り物だいう前提で、ケガを最小限に抑えるために装備を充実させるのも、身を守るひとつの方法といえます。

プロテクターを使用することで身体のダメージを大きく軽減できます
プロテクターを使用することで身体のダメージを大きく軽減できます

 ヘルメットはもちろんのこと、プロテクター入りのライダースジャケットや革製のパンツ、グローブやブーツなどを着用することで、身体のダメージを大きく軽減できます。

 バイク用アイテムは、転倒時の激しい衝撃や摩擦に耐えられるように作られているため、よほどの転倒でないかぎり、破れたりすることはなく安全といえます。中でも、肩や腕、ひじ、ひざなどにハードプロテクターが入っているアイテムは、転倒から身体を守る際に重宝します。

 夏場は暑くて着るのをためらってしまうかもしれませんが、長距離を運転するときなどは、なるべく着用すると良いです。

 また、バイク転倒の危険性が最も高いといえるシチュエーションとしては、路面の凍結が挙げられます。特に橋の上や日陰、水場の近くなどは、氷点下でなくても凍りやすい場所です。

凍結した路面に遭遇した場合は、慌てずに速度を落とし、まっすぐ走行することがポイントです
凍結した路面に遭遇した場合は、慌てずに速度を落とし、まっすぐ走行することがポイントです

 気温が低く路面が凍りそうなときは、できる限りバイクに乗らないのが得策といえますが、もし走行中に、凍結した路面に遭遇した場合は、慌てずに速度を落とし、まっすぐ走行することがポイントです。このとき、できるだけハンドルやブレーキ、アクセルの操作は行わないことも重要です。

 凍結した路面上でフロントブレーキを使用した場合、さらに滑りやすくなり非常に危険です。そのため、ブレーキ操作をする場合はエンジンブレーキか、リアブレーキを使用すると良いといえます。加えて、カーブではできるだけ速度を落とし、なるべくバイクを傾けないように走行すると良いです。

※ ※ ※

 転倒の原因は、事故やスリップなど、さまざまな状況が考えられます。バイクから身体が投げ出されるのは一瞬の出来事なため、意識的に受け身が取るのは難しいかもしれません。特に路面凍結が発生する冬場の運転では、ライダーにはより一層、転倒時の正しい受身の取り方や対処法が求められます。

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