ハーレー注目の新型モデル「LOWRIDER ST」と「LOWRIDER S」が予約販売開始! その特徴とは?

ハーレーダビッドソンは2022年1月27日にYouTube配信動画『FURTHER、FASTER、さらなる高みへ。』で新型モデルを公開しました。なかでも注目すべき一台である「LOWRIDER ST」とはどのようなモデルなのでしょうか。

人気再燃中の「FXRT」をオマージュした「LOWRIDER ST」

 2022年1月27日の午前1時(日本時間)に『FURTHER、FASTER、さらなる高みへ。』と題されたYouTube配信で新型車をオンライン発表したハーレーダビッドソン社(以下H-D)ですが、2022年のラインナップの中には特に注目すべきモデルが加わっています。

往年のFXRTを彷彿とさせるデザインのフェアリングやサドルバッグ、そして117cu-inのミルウォーキーエイト・エンジンなどユーザーの所有欲を刺激する装備が与えられた『LOWRIDER ST』。間違いなく2022年ハーレーニューモデルの目玉です
往年のFXRTを彷彿とさせるデザインのフェアリングやサドルバッグ、そして117cu-inのミルウォーキーエイト・エンジンなどユーザーの所有欲を刺激する装備が与えられた『LOWRIDER ST』。間違いなく2022年ハーレーニューモデルの目玉です

 過去を振り返ると2016年にダイナグライドのスペシャル・バージョンとして登場した『FXDLS ローライダーS』が予約困難なほどに高い人気を博しましたが、今回の目玉となったのは、そのニューバージョン。特にソフテイルモデルに加わったLOWRIDER STは1986年に登場した『FXRT』を彷彿とさせるカウルやサドルバッグが最初から備えられており、マニア垂涎の仕上がりを見せるものとなっています。

『LOWRIDER ST』は1986年型FXRTをオマージュしたもの。かつてのデザインが現代的にアレンジされ、新型ソフテイルフレームに巧く落とし込まれています
『LOWRIDER ST』は1986年型FXRTをオマージュしたもの。かつてのデザインが現代的にアレンジされ、新型ソフテイルフレームに巧く落とし込まれています

 近年のカスタムシーンではFXRやダイナグライドをベースとしたラバーマウントモデルが人気となっているのですが、LOWRIDER STはまさにユーザーの動向をメーカーであるハーレーが機敏に察知し、カタチとなったものでしょう。

数年前は不人気だったFXRTも現在では高い人気を博す車両のひとつ。写真のセレクテッドカスタムモーターサイクル製作の一台はフルゲイン製レプリカカウルを装着し、往年のツアラースタイルを再現
数年前は不人気だったFXRTも現在では高い人気を博す車両のひとつ。写真のセレクテッドカスタムモーターサイクル製作の一台はフルゲイン製レプリカカウルを装着し、往年のツアラースタイルを再現

 たとえば1971年に登場したスーパーグライドや1977年のローライダー、そして1980年のワイドグライドや1984年のソフテイルなどカスタム市場で人気を呼んだスタイルをファクトリーモデルへ柔軟に取り込んだ過去がH-Dにはありますが、LOWRIDER STは、まさにそんな流れを感じさせるものであり、H-Dの本気度を感じさせる1台となっています。

絶大な人気を誇る1977年のローライダー
絶大な人気を誇る1977年のローライダー

 ちなみにLOWRIDER STのデザインを担当したのは、H-D本社でリードデザイナーを務めるダイス・ナガオこと長尾大介氏なのですが、同モデルはハーレー好きであると共に熱狂的なカスタムフリークである同氏のイマジネーションを具現化しただけに、多くのカスタム・ハーレーマニアの琴線に触れるデザインとなっている部分も見逃せないポイントです。

2022年ハーレーニューモデルで間違いなく再注目といえる『LOWRIDER ST』と『LOWRIDER S』のデザインを担当したのは本社で活躍する日本人デザイナーのダイス・ナガオこと長尾大介氏。2012 年からH-D社に勤務し、『ダイナ・ローライダーS』の他、スポーツスター・アイアンやCVOのデザインなどを手掛ける人物です
2022年ハーレーニューモデルで間違いなく再注目といえる『LOWRIDER ST』と『LOWRIDER S』のデザインを担当したのは本社で活躍する日本人デザイナーのダイス・ナガオこと長尾大介氏。2012 年からH-D社に勤務し、『ダイナ・ローライダーS』の他、スポーツスター・アイアンやCVOのデザインなどを手掛ける人物です

 往年のFXRTをオマージュしたフェアリングや簡単に脱着可能な容量53.8リットルのサドルバッグなどによる高い利便性も近年のカスタム・トレンドに沿ったものとなっています。

ハーレーダビッドソン注目の新型車「LOWRIDER ST」
ハーレーダビッドソン注目の新型車「LOWRIDER ST」

 また、LOWRIDER STとLOWRIDER Sは最新の4バルブエンジンである『ミルウォーキーエイト117』を搭載し、トルクが約5%向上。これまでのレギュラーモデルとして最大の排気量を誇る1916ccのVツインエンジンと、ストロークで1/2インチ、シート高で3/4インチ高くハイライズされたリアサスペンションによってコーナリングでのリーンアングルが1度以上大きくなったため、走行面においても期待出来るものとなっています。

 さらにLOWRIDER Sは、これまでタンク上に配置されたオールインワン・メーターがハンドルマウントに変更され、走行時の視認性が向上しているのですが、これもユーザーの声に機敏に反応したH-Dの姿勢ゆえであることは、まず間違いないでしょう。

ハーレーダビッドソン「LOWRIDER S」新型車
ハーレーダビッドソン「LOWRIDER S」新型車

 ちなみにこの気になるニューモデルは、YouTube配信で世界同時発表された2022年1月27日より全国の正規ディーラーで予約販売を開始。LOWRIDER Sはビビッドブラックが281万8,200円、ガンシップグレーが286万3,300円、『LOWRIDER ST』はビビッドブラックが306万200円、ガンシップグレーが310万5,300円となっています(価格はすべて税込み)。

 現在のハーレー・カスタムシーンでは『スタイルと走り』が両立された、LOWRIDER STのような仕様のマシンがトレンドとなっていますが、このニューモデルの投入によって市場が更に活性化することを期待したいところです。

左からハーレーダビッドソン「LOWRIDER S」と「LOWRIDER ST」
左からハーレーダビッドソン「LOWRIDER S」と「LOWRIDER ST」

■「ローライダー ST」
全長:2,365mm
ホイールベース:1,615mm
シート高(*無負荷状態):720mm
車両重量:327kg
レーク・トレール:28°145mm
フューエルタンク容量:18.9L
フロントタイヤ:110/90B19,62H,BW リアタイヤ: 180/70B16,77H,BW
Milwaukee-Eight 117 (排気量:1,923cc)

■「ローライダー S」
全長:2,365mm
ホイールベース:1,615mm
シート高(*無負荷状態):710mm
車両重量:308kg
レーク・トレール:28°145mm
フューエルタンク容量:18.9L
フロントタイヤ:110/90B19,62H,BW リアタイヤ:180/70B16,77H,BW
Milwaukee-Eight 117 (排気量:1,923cc)

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Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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