安全な走行のために習慣にしたい、自転車乗車前点検『ぶ・た・は・しゃ・べる』の意味

自転車は毎日のように使うものだからこそ、日常的な点検が重要です。誰でも簡単にできるセルフチェック『ぶ・た・は・しゃ・べる』を習慣化して、安心・安全なサイクルライフを目指しましょう。

乗車前点検の習慣化で、安心・安全なサイクルライフを

 自転車は、徒歩では少し遠いと感じる距離でもペダルを漕ぎ出せば楽に移動できる手軽で便利なノリモノです。クルマやバイクほど長距離を移動するには気力と体力が必要ですが、近距離圏内で燃料を使わず移動できる自転車は日常生活で大活躍。だからこそ、故障やトラブルを未然に防ぐために日頃の点検やメンテナンスは重要です。

自転車の乗車前点検の合言葉『ぶ・た・は・しゃ・べる』とは
自転車の乗車前点検の合言葉『ぶ・た・は・しゃ・べる』とは

 ではどのような点検が必要なのでしょうか? たとえば幼いころに覚えた避難訓練の合言葉、「押さない・駆けない・しゃべらない」の頭文字を取った『お・か・し』のように、自転車にも乗車前点検の合言葉『ぶ・た・は・しゃ・べる』があります。ひとつずつ紹介します。

 まず、『ぶ』は「ブレーキ」です。前後のブレーキがどちらも正しく作動するか確認します。ブレーキレバーを握り、前後に自転車を動かしてピタリと止まるのか、またその際に、ブレーキが利き始めるまでのブレーキレバーの遊びが適正かも合わせて確認します。種類によって異なりますが、ママチャリ(シティサイクル)の場合はだいたいグリップとレバーの間隔が3分の1から2分の1あたりで利くのが目安と言われています。強く引いてブレーキレバーがグリップについてしまうようなら、整備が必要です。

『た』は「タイヤ」です。空気圧は適正かを手のひらで強く押して確かめ、同時に摩耗具合もチェックします。さらにその日の服装でスカートやスカーフ、靴ひもをはじめ、かばんやリュックのストラップなど前かごに入れたときにタイヤに絡まりそうなものがないかも確認しておくと安心です。

『は』は「反射板」という意見もありますが、ここではより安全に直結する「ハンドル」にしたいと思います。ハンドルが曲がって固定されていないか、ハンドルを握って体重をかけた際にガタガタと揺れるような緩みがないかを確認します。

『しゃ』は「車体(しゃたい)」です。自転車の周りをぐるっと見渡して何か違和感がないか確認します。サドルの高さが合っているか、チェーンが緩んでいないか、スタンドにがたつきはないか、などを目視で確かめつつ、ライトは点灯するか、反射材がついているかまで確認できればバッチリです。

 最後の『べる』はそのまま「ベル(警音器)」です。自転車のベルはサビついて鳴らなくなったり、転倒により破損していたなど、じつは一番トラブルが多い部品です。地域によっては警音器の装備が無い自転車は整備不良で罰則対象となることもあるので、くれぐれも音が鳴るかどうか確認しましょう。

 以上が自転車乗車前の点検の合言葉『ぶ・た・は・しゃ・べ る』です。日常的に確認できていなかった項目もあるかもしれません。日ごろから車体を注意深く見ておくことで、何か不具合が発生したときにその違和感に気づけるようにもなるので、是非習慣にしましょう。

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