4WDのパイオニアの意地の結晶! スバル「レオーネ3ドアクーペRX / II」とは

モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」がスタート! 連載第11回目は、1986年にスバル車として初となるマニュアルミッションとフルタイム4WDを組み合わせた「レオーネ3ドアクーペRX/II」を解説します。

スバルが「4WDのパイオニア」と呼ばれる理由とは

 スバルは独自の技術を磨くことで個性の差別化を図ってきました。その象徴が世界でも稀な水平対向エンジンであり、4WDシステムです。

スバル「レオーネ3ドアクーペRX/II」(写真提供:ミハラ自動車)
スバル「レオーネ3ドアクーペRX/II」(写真提供:ミハラ自動車)

 特に、それまで足元の悪い泥濘地を踏破するためのジープやトラックのみに採用されてきた4WDシステムを、自家用車にも展開してきたことは有名です。いつしかスバルは、「4WDのパイオニア」と呼ばれるようになりましたね。

 ただ、早くから4WDシステムをオンロードモデルに採用してきたにも関わらず、それは手動で2WDと4WDを切り替えなければならないパートタイム式であり、特にマニュアルミッションとの適合が遅れていました。先陣を切ってフルタイム4WDシステムの投入することは叶わなかったのです。副変速機と組み合わせることで、2WDと4WDを手動で切り替えるシステムを生産し続けていたのです。

 いまでこそ4WDは特殊な機構ではなく、ほとんどの乗用車に当たり前のような採用されています。オンロードをドライブしている限り、4WDなのか2WDなのか気づくことはありません。それほどに馴染んだのは、4輪に駆動トルクを伝達するためのセンターデフが様々な技術革新によって進化したからでしょう。

マニュアルミッションとフルタイム4WDを組み合わせることに成功アウディスポーツ QUATTRO
マニュアルミッションとフルタイム4WDを組み合わせることに成功アウディスポーツ QUATTRO

 ドイツのアウディも4WDシステムを早くから商品化したメーカーです。「クワトロ」の名称で、マニュアルミッションとフルタイム4WDを組み合わせることに成功しています。となれば、それに追従するのは4WDに一家言あるスバルのはずですが、国内初のマニュアルミッションモデルにフルタイム4WDを組み合わせたのはマツダだったのです。

 スバルがマニュアルミッションとフルタイム4WDの合体に成功したのは1986年、この「スバル・レオーネ3ドアクーペRX/II」でした。

 という意味で、このスバル・レオーネ3ドアクーペRX/IIは、記念碑的であり希少価値の高いモデルということになりますね。

排気量1781cc水平対向4気筒ターボエンジンを搭載(写真提供:ミハラ自動車)
排気量1781cc水平対向4気筒ターボエンジンを搭載(写真提供:ミハラ自動車)

 搭載するのはもちろん水平対向4気筒エンジンであり、排気量は1.8リッター。ターボチャージャーと組み合わせています。

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