自転車に装備されるスタンド その種類と壊れやすくなる理由とは

停車時に自転車を支えるスタンドは、頑丈な部品ですが故障の可能性が増える場合があります。故障を避けるために気をつけたいポイントを紹介します。

想定外の方向から力を加えないこと

 日常生活で使われる自転車にとって、単体では自立できない車体を支えてくれるスタンドは必要な装備です。頑丈な作りであまり壊れることのない部品ですが、ある特定の使い方をすることで破損しやすくなってしまいます。

停車中の自転車を片足で支える「1本スタンド」(サイドスタンド)
停車中の自転車を片足で支える「1本スタンド」(サイドスタンド)

 スタンドには「1本スタンド(片足)」と「両立スタンド(両足)」の2種類があります。その名の通り、1本スタンドは基本的に車体の左側に1本の棒を装備するタイプで、一般的にはスポーツタイプや20インチ以下の小径車等、車体重量が軽い自転車で多く使われています。

 1本スタンドの方が軽くて見た目もスタイリッシュですが、使用時は後輪が接地したままなので、何らかの力が加わると車輪が転がってしまい、転倒の恐れがあります。もし、自転車に荷台を装着して荷物を乗せるような使い方をする場合は、1本スタンドの使用は避けた方が無難です。

 一方の両立スタンドは、取り外した状態だとコの字型の部品で、後輪を挟むように左右のフレーム部分に先端が取り付けられるタイプです。使用時は後輪が完全に浮いた状態になるので、タイヤが転がることがなく安定感があります。自転車に荷物を乗せて使うのであれば、両立スタンドを使用したほうが安心・安全です。

 自転車のフレーム形状によっては取り付けられないこともありますが、1本スタンドを使用していて停車時に不安を感じる場合は、両立スタンドに交換した方が良いでしょう。

 ちなみに、日本国内において「普通自転車」として扱われるのは、走行時に長さが190cm以下の自転車のみです。タイヤサイズが27インチ以上の大きい自転車の場合、両立スタンドを取り付けると長さが190cmを超えてしまうこともあり、歩道を走行できない等の制限を受けることになるので、スタンドを交換する際はその点も留意する必要があります。

停車時に安定感のある「両立スタンド」。警察官の自転車「白チャリ」で修理が多い?
停車時に安定感のある「両立スタンド」。警察官の自転車「白チャリ」で修理が多い?

 停車時の安定感があり、しっかりと車体を支えてくれる頑丈な両立スタンドですが、使い方によって故障が多くなることがあります。とくに「子供乗せ用自転車」と「おまわりさんが使っている自転車」で修理が多く見られます。

 子供乗せ自転車は、停車した状態で子供の乗せ下ろしを行ないます。本来は親が抱え上げてチャイルドシートに乗せるべきなのですが、子供はある程度大きくなると、勝手に自分で乗るようになります。すると、チャイルドシートに自分の身体を引き上げる際に、スタンドには捻じれの力が加わります。

 両立スタンドは進行方向に対して前後の動きには耐性がありますが、横の動き、さらには捻じれるような力に対してはあまり強くありません。このような力が何度も加えられると、部品が破断するなど故障の原因になります。

 子供が自分でチャイルドシートに登ろうとするのは転倒の危険もあるので、必ず抱き上げて乗せるようにしましょう。

 おまわりさんの自転車の場合は何が故障の原因となるのでしょうか。それは後部の荷台に装備された、書類などを入れる白い箱にあります。

 白い箱は特別重いわけではありません。勤務中、その白い箱の上で書類の記入を行なうことがあります。その際に、つい体重を預けてしまうのす。すると捻じれの力が加わり、故障につながるというわけです。

 両立スタンドの故障の原因には、以上のような理由もあるのです。

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