【ポタリング】渋谷駅周辺から「葛西臨海公園」へ 東京湾岸をのんびり自転車散歩してみた

自転車をもっと気軽に楽しみたい。自転車で走りやすい道を選びつつ、気楽に走れるコースを紹介します。都会のど真ん中、渋谷駅周辺から湾岸エリア「葛西臨海公園」までの約20kmの道のりを、景色を楽しみながら進みます。

都心部から湾岸エリアへ、約20kmの道のりを2時間程度で

 通勤や通学、買い物など日常生活の一部として使っている自転車ですが、運動がてら、たまには見慣れた街から離れて少し遠出をしてみるのも楽しいものです。でも、いざ「サイクリング!」と意気込んでみても、準備や目的地の設定など、思わず二の足を踏んでしまうこともしばしば。そんな人のために、都内で自転車にも走りやすい道を選びつつ、気楽に走れるコースを紹介します。使う自転車はスポーツタイプにこだわる必要はありません。普段使っているママチャリ(シティサイクル)やミニベロで、服装も自転車の走行の邪魔にならなければ、どんなスタイルでも良いのです。

ポタリングのスタートは多くの人でにぎわう「渋谷駅」周辺から
ポタリングのスタートは多くの人でにぎわう「渋谷駅」周辺から

 今回は渋谷駅周辺から湾岸エリアの「葛西臨海公園」までの約20kmのコース。のんびり走って約1時間半~2時間ほどの道のりを走ります。大都会を抜けていくので交通量も多いですが、コースで走る道路には幅の広い歩道があり、自転車が走行できるスペースが確保されているので、歩行者に配慮しながら、のんびりサイクリングを楽しめます。

 スタートの渋谷駅周辺はさすがに歩行者が多いので、自転車で走行するのは危険です。基本的には押し歩いて移動しましょう。

 早々に渋谷駅を離れて「六本木通り(都道412号)」に出ます。1980年代にカリスマ的人気を集めたシンガーソングライター・尾崎豊の記念碑が設置され、いまでもファンの間では聖地として知られる渋谷クロスタワーを左手に見ながら六本木方面に進みます。

渋谷クロスタワーを左手に見ながら六本木方面へ ※写真は建物が分かりやすいよう国道246号から撮影
渋谷クロスタワーを左手に見ながら六本木方面へ ※写真は建物が分かりやすいよう国道246号から撮影

 このあたりは車道を走行することになり、路面にも網状の側溝のふた(グレーチング)が設置された箇所もあるので油断は禁物です。道路幅が広く、左側を走っていればそこまで危険を感じることはありませんが、見えてくる六本木のビル群に気を取られ過ぎないように慎重に進みましょう。

目の前に六本木ヒルズのビル群が見えてくる。グレーチングなど足元には十分注意
目の前に六本木ヒルズのビル群が見えてくる。グレーチングなど足元には十分注意

 六本木ヒルズの足元まで来たら右折してその下をくぐるトンネルを潜り、「環状三号線(都道319号)」に合流、「赤羽橋」方面へ向かいますが、「六本木通り」から319号への交差点は直接右折することはできないので、少し先まで進んで横断歩道を渡り、戻って来て進みます。

「六本木六丁目」の交差点では横断歩道を使って右折する
「六本木六丁目」の交差点では横断歩道を使って右折する

 六本木ヒルズの下をくぐり抜けると交通量が少なくなり、気持ちよく坂道を下ることができます。そのまま直進すると、突然ビルの影から東京タワーが現れます。

「赤羽橋」交差点から見上げた東京タワー
「赤羽橋」交差点から見上げた東京タワー

 東京タワーを左手に進み続けると「日比谷通り(都道409号)」を越えたところで急に道幅が狭くなりますが、大丈夫です、そのまま直進してください。するとJRの線路とぶつかって行き止まりかと思いますが、そこは自転車ならではのお楽しみ。

自転車は歩行者と共に線路下の通路を進むことができる
自転車は歩行者と共に線路下の通路を進むことができる

 ここではクルマやバイクは通れない、高架下の通路をくぐって進むことができます。ちょっとした冒険気分が味わえます。

 トンネルを抜けて進むと首都高の真下、都道316号に突き当たり、道なりに左へ折れて汐留方面へ進みます。

車道には自転車の走行スペースが無い。広い歩道は見通しも良くストレスなく走行できる
車道には自転車の走行スペースが無い。広い歩道は見通しも良くストレスなく走行できる

 首都高に頭上が抑えられていますが、このあたりまで来ると歩道がかなり広くなってくるので見通しがよく、ストレスなく走行することができます。自転車は基本的には車道を走行することが原則ですが、このあたりの車道は自転車が走行できるスペースが無いので、歩道を走らせてもらった方が安全です。

 右手に見える「浜離宮恩賜庭園」を越えたところで交差点を右折し、今回のコースのメインディッシュの入口となる「新大橋通り(都道50号)」に入ります。

「旧青果門前」の交差点で横断歩道を使って右折する
「旧青果門前」の交差点で横断歩道を使って右折する

 直線道路ではないので少しわかりにくいですが、「旧青果門前」の交差点で「築地大橋」側(有明方面)へ右折し、「環二通り」を進むと左手に築地市場の解体現場を見ることができます。1935年から2018年まで83年間に渡って東京の台所を支えてくれた市場に敬意を払いつつ進むと「築地大橋」が見えてきます。

「築地大橋」の歩道は広く確保されている。車道は自転車の走行スペースも無く危険なので歩道を走行する
「築地大橋」の歩道は広く確保されている。車道は自転車の走行スペースも無く危険なので歩道を走行する

 ここまで来たら、後はまっすぐ進むのみです。都会のビル群のただなかを突き進んでいると、まるで巨人の足元を走っているような不思議な感覚を味わえます。

 いくつかの大きな橋を渡りますが、橋の上の車道には自転車が走行するスペースが無く、急な突風で身体ごとあおられる可能性もあり、危険なので歩道を走行しましょう。また、自転車の車道走行は禁止との指示看板が設置されたところもあります。

右手にレインボーブリッジを見ながら「豊洲大橋」の上を走る
右手にレインボーブリッジを見ながら「豊洲大橋」の上を走る

 都道50号は484号へと変わってガンガン直進し、右手にレインボーブリッジを見ながら「豊洲大橋」を渡ったところで豊洲市場が見えてきます。築地市場から豊洲市場へと、新旧の移り変わりを感じることができます。

「有明ガーデン」手前にあるコンビニエンスストアが最後の補給ポイントになる
「有明ガーデン」手前にあるコンビニエンスストアが最後の補給ポイントになる

 さらに進み続けると複合商業施設「有明ガーデン」が現れます。手前の「有明コロシアム東」交差点にコンビニエンスストアがあり、ここまで走ってきて、もし空腹を感じるようであれば少し何か食べておいた方が良いでしょう。この先ゴールまでコース上にコンビニエンスストアが無いので、最後の補給場所になります。

オーバーパスの「有明中央橋」は渡らず側道へ進み、国道357号に合流して左折する
オーバーパスの「有明中央橋」は渡らず側道へ進み、国道357号に合流して左折する

「有明ガーデン」を左手に見ながら進むと、さらにまっすぐ進めるように橋へ向かう横断歩道が現れますが、ここは渡らず直進し、突き当りの「湾岸道路(国道357号)」を左折します。そこから先が、今回のコースのクライマックスです。

国道357号沿いの人通りの少ない歩道を快適に走る
国道357号沿いの人通りの少ない歩道を快適に走る

 少し路面が荒れていますが、人通りが少なく空の高さを感じながら走ることができます。歩道を走らせてもらいながら、東京メトロ有楽町線「辰巳駅」あたりまでやってくると「辰巳」交差点で歩道が途切れるので「辰巳の森緑道公園」に入り、歩道橋を渡って進み続けます。

橋をひとつ渡ると歩道の隣の緑地は「辰巳の森緑道公園」から「夢の島緑道公園」へ
橋をひとつ渡ると歩道の隣の緑地は「辰巳の森緑道公園」から「夢の島緑道公園」へ

 橋をひとつ渡ると「夢の島緑道公園」に変わり、木漏れ日の中を気持ちよく進むことができます。こちらの公園ではタイミングが合えば見事なアジサイを見ることができます。数100m続くアジサイの小道はなかなか見ものです。

数100m続くアジサイの小道(2022年の様子)
数100m続くアジサイの小道(2022年の様子)

 さあ、いよいよクライマックスです。視界を遮るものがない「荒川河口橋」を登り切るとゴールの「葛西臨海公園」の観覧車が見えてきます。かなりの長い上り坂になるのでキツイと思いますが、橋のてっぺんまで登り切った時の爽快感は格別です。「自転車でこんなところまで来ちゃった」と感動を味わえる瞬間です。

「荒川河口橋」を登り切るとゴールの「葛西臨海公園」の観覧車が見える
「荒川河口橋」を登り切るとゴールの「葛西臨海公園」の観覧車が見える

 ここで最後の注意点です。ゴールの「葛西臨海公園」は橋を渡り切った道路の反対側にあります。このあたりは横断歩道が無く渡ることができません。気持ち良く走っていると見落としてしまいそうですが、左手に緑道が現れるのでそちらに入り、少し進んだところで振り返ってスロープを登ります。そのまま進んで「臨海橋」で首都高速湾岸線の上を通れば、ゴールの「葛西臨海公園」です!

ゴールの「葛西臨海公園」に到着。ここまでのんびり走って約2時間、約20kmの道のり
ゴールの「葛西臨海公園」に到着。ここまでのんびり走って約2時間、約20kmの道のり

 お疲れさまでした! 「葛西臨海公園」に到着です。渋谷駅周辺からここまで約20km、のんびり走って約2時間ほどで到着できると思います。なかなかの距離かもしれませんが、ゴールした時の爽快感は格別です。そして、公園の売店で手に入れたソフトクリームの味も格別です。もちろん、ここまでたどり着かなくても大丈夫。お腹がすいたら途中でコースを変えて美味しいものを食べに行くのも自由です。とにかく気楽に自転車を楽しむことが大切なことだと思います。

【画像】渋谷から「葛西臨海公園」へ、のんびりポタリングを見る(28枚)

画像ギャラリー

最新記事